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銀行の劣化を感じたできごと(後編)

昼間はかなり温かくなりました。食事に出た時にコートなしでも過ごすことができて、ありがたく感じます。でも、これで良いのか? との不安も若干湧いてきて複雑な気持ちです。

さて、……。

今回は前回書いた以下の記事の続きである。

前回の記事は、以下のできごとがあったところまで記載した。

①渡された残高証明書の様式が違っていた
②印鑑証明書の原本と写しを取り違えて写しを返却された
③印鑑証明書は、相続手続後に返却されないと誤った認識を告げられた

①について
事前に様式を受け取った私が家に持ち帰って記入を始めたのだけど、どうも記入例と合わない。分からない部分は当日教えてもらえば良いかと思って一部空欄のまま持っていったら「これ、違う様式ですね。どこでもらったのですか?」と問われ絶句した。「……前にこちらで頂いたものですが」と返すしかなかった。

②について
これは論ずるまでもない。私は返却時にちょっと汚れが付いていたのが気になったのだけど、コピーだとは思わなかった。

なお、あなたも証憑を白紙に貼り付けて写しを取ることがあると思うが、糊が生乾きでハミ出しているとコピー機のガラス面に糊が移ることがある。それがうっすら影となって後からコピーする人の写しが汚れることがあるので、社会人になって日が浅い場合には意識されるようお勧めする。

③について
父の時の経験もあり、私は「返却することになっているはずですよ」と抗弁した。すると「何かに書いてありましたか?」と担当者が訊いてきたのである。

これ、その時には意識できなかったが、構造が根源的におかしい。自分の勤務先である銀行のルールについて全く理解していない点、銀行のルールの説明を客に要求している点で恥ずかしいと今なら思う。

ただ、その時には「確か返却するって書いてあったよな」と思ったのだけど、確証までは持てていなかったので、相続手続について書かれた「銀行のマニュアル」の中から該当箇所を探して提示することにした。

本来「ここに記載があります」と挙証する責務は銀行担当者にあるはずなのだけど、私は人が良いのでついつい引き受けてしまう。

冷静に考えれば、印鑑証明書の原本を銀行が所有し続けるメリットがない点、遺産分割協議書は返却するのに印鑑証明書は返さない理由がない点を考えると、彼らの主張に妥当性がないことは明らかであった。

私が「銀行の資料中の返却すると書かれた部分を摘示」し、担当者が謝ってきたのだけど、さすがに私もそこで「支店長を呼べ」と言う気にはならなかった。恥ずかしいのもあるが、私が銀行の担当者を教育指導する立場でもないし。

ただその担当者には「自分が勤める銀行なのだから、業務内容の理解は必要ですよ。よく勉強して下さい」とは伝えた。

日本の3大銀行グループの1つでもこの程度になってしまったことについて、かなり驚くと共にガッカリした。私の勤務先は、この銀行よりもはるかに知名度は低い。しかし、正確であることを求められる事務作業である。これはさすがに通らない。

暗澹たる気持ちを抱えて、その銀行を後にすることになった。

お読み頂き、ありがとうございました。

読んで頂いただけでも十分嬉しいです。サポートまで頂けたなら、それを資料入手等に充て、更に精進致します。今後ともよろしくお願い申し上げます。