「君を知らなければ…」

君を知らなければ、僕はきっと死ぬことを怖いとも思わずいられた。

君を知って、君が僕を知ってくれて…。

それは、本当に僕達にとって良かった事なのかなって、ね。

次第に病に蝕まれていく体。

君を知らなければ…。

最近、そんな事を思ってしまう。

君が悲しむ事も…僕が死ぬことを怖いと思う事もなかったかもしれない。

君にこんな事を言えば、きっと怒るんだろうけど、ね。

君を知らなければって、君に悲しい思いもさせなくてすむんだって気がついたんだ…ううん、ほんとは前からわかってたはずなんだ。
ごめんね…。

君を知らなければ、君が僕を知ってしまわなければよかった。

そうすれば、君には別な幸せがあったかもしれないのに、ね。

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