「さぁ、早くお行きになってくんなまし。」

わっち が禿の頃からぬし には、まこと に色々と良くしていただ きんした 。そんな ぬし の窮地にわっち がなも しない わけには参りんせん。 どうか、こなたの 金子を受け取ってくんなまし 。こなたの 金子はわっち がここを出た時のために貯めておいたものでありんすぇ。 店に借りたものではありんせん 。大丈夫です、年季が開けるまでまだかかりんす し、また、貯めればいい ことでありんすぇ。 さぁ、早く。これを持ってお逃げくんなまし 。時期におってがここにも参りんしょう 。おしまい にわっち のところ へ暇乞いに来て下さったこと、嬉しゅうございんした 。さぁ、早くお行きになってくんなまし 。

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