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東大でピザの食べ方を習う〜外資コンサル休職記〜

私が東京大学で学んだものはピザの食べ方です。
後輩にとてもお育つの良いお嬢さんがいらして、その方とお食事した際にピザの召し上がり方が美しかったのを覚えています。

皆さんは、ピザは食べるのがとても難しいとは思いませんか?
もともと手で食べるものですし、美しさを追求するものでもないのかもしれませんが、、、

その方はナイフとフォークを巧みに使い、食後のお皿が綺麗なまま。
どうしたらそんなに綺麗に食べられるのかと驚くと、おかしなことを聞くものだと笑ってらっしゃいました。

けだし、東京大学にはお育ちの良い方が多かったです。
これには、東大生の多くが都会の中高一貫校出身ということが関係しているのかもしれません。
特に私立に通われている方はマナーもしっかりと身につき洗練されている方が多かった。
地方公立高校から東大に進学した、鄙人には及ばぬ世界でした。

どうしたらそんな世界に入れるのだろうか。
それはやはり収入です。

東大の瀬地山先生によれば、東大生の親は「アッパーミドル」が中心だそうです。
例えば、大企業に総合職として勤め年収が1,000万円を超えるような。

事実、ピザのお嬢さんも、お父様は誰もが知る大企業の偉い方でした。
同級生も、大企業幹部の息子さんをはじめ、お医者さんの娘さん・弁護士の息子さんなどなど。
皆さん良いご家庭に生まれ、良い学校に行き、良い塾に通い、東大に入った方々ばかり。

私のように父が年収500万円程度のミドルクラスは少なく、ましてや地方公立高校出身はレアです。
そんな私もここでピザの美しい食べ方を習えた訳です。

格差が悪いと問題提起したい訳ではありません。
ただ、そういうものなのです。

私は「お茶をしよう」と誘われればスタバを思い浮かべますが、同級生が連れて行ってくださったのは高級ホテルのアフタヌーンティーでした。
そういうものなのです。

私はそういう現実を受け入れたうえで、自分も上に行こうと決心いたしました。
だから、高収入で鳴らしていた外資コンサルに入社しました。
初任給は、50を過ぎた社歴30年以上の父親の現在給与と同じです。
ようやく上に来れたのだと感じました。

しかし、「上」もキツい世界でした。
残業月100時間以上・土日の労働も等閑視される長時間労働の世界、プロフェッショナリズムから来る激しいパワハラ、、、
結局のところ、身体がおかしくなり、休職となりました。
今は上どころか中どころか、無収入です。

のぼってゆく坂の上の青い天にかがやく一朶の白い雲のみをみつめて坂をのぼってきたのに、この先どうしましょうか、、、
あれは雲に過ぎなかったのでしょうか。
私にはもう分かりません。

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