連作短編|揺られて(後編)❹|彩乃
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都内の平日ランチタイムはどの店も混雑している。このオムライス専門店も予約なしでは入れない。
ちょっとフェミニン寄りのオフィスカジュアル、憧れだったフェラガモのハイヒール、勝ち組ともいえる有名企業の同僚たちとのランチタイム。理想としていた人生は始まっていた。
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大学三年生の終わり頃から就職活動を始めた。大学の就活支援センターでは、この成績では絶対に無理だと言われたけれど、とにかく有名企業にばかりエントリーシートを送った。
送っても、送っても、不合格に