転職ほやほや夫婦がマンションを買った話⑬

前稿では、夫婦ともに気に入るマンションを見つけ、無事某金融機関の事前審査も通ったものの、内見に行くと日当たりの悪さがわかってしまったところまで書きました。

部屋に入るなり全員が「部屋が暗い」という感想を持ちました。
冬とはいえ13時過ぎの真っ昼間ですし、退去済でカーテンもついていないにもかかわらず、全く光は差し込んできていませんでした。
がっくりしてしまいました。
が、気を取り直して各部屋の様子を見ていきます。
間取りは田の字ながら素晴らしく、具体的に生活するイメージが湧いてきます。
リビング横の部屋のウォールドアも、一番端はドアとして開け閉めできる仕様です。
キッチン天面は御影石(確か天然)ですし、ディスポーザーもついています。
が、光が入ってこない…
「これは正直、積極的にはオススメできませんね」
営業さんがはっきりそうおっしゃったのが、夫婦共にすごく印象に残りました。
この人は正直にコメントしてくれる人だな、信用できるな、と思いました。

その後営業さんと、近隣の他の出物の話をしました。
当時、予算は一気に1000万ほど上がって6000万になってしまうが、その周辺エリアでは鉄板物件とされる大規模マンションの部屋が売りに出ていました。
確かにその周辺エリアでは目立つ、良いマンションです。
が、6000万は冷静に考えて、我が家の懐事情からすると限界価格です。
しかも、ついさっきまで5000万の買い物をする気で満々だったわけですし、「じゃあそこまで予算を上げます」と簡単には言いづらいです。
そして6000万出せば、東京23区内のマンションだって何かを妥協すれば買えてしまうのです。
また迷いが出てきてしまいました。
その6000万のお部屋を内見するかどうか質問されたのですが、すぐには決められませんでした。
すぐに返事します、ということでいったん解散し、「6000万か…」と思いながら家路につきました。

翌日からまたSUUMOサーフィンを再開しました。
相変わらずなかなか動きも渋かったのですが数日後、駅徒歩10分では破格級に安い、5000万円切りの板橋区内のマンションを見つけ、これだ!と思い妻に見せました。
しかし…これもダメでした。
駅距離と近隣商業の弱さから、妻はどうしても気に入ってくれませんでした。
元々SUUMOでお気に入りに入れていたさいたま市内の物件や北区内の物件も見せたのですが、「埼京線では通勤したくない」とにべもありません。
私は少し疲れてしまいました。

ただ、ここまでの妻とのやりとりの中で、今以上の利便性を維持できて妻も気に入るとなると、エリアとしては当時住んでいた志村坂上周辺か、ついこの前日当たりで断念した物件の周辺か、妻の実家が近いひばりが丘周辺か、にほぼ絞られつつはありました。
それだけでも前進、とは思いつつ、一生買えないのでは?という不安もうっすら頭によぎる。
そんな日々をしばらくの間過ごしました。
(つづく)


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?