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トンデモ体験から見つけた、引越しの譲れない条件。

これまでに引越しを7回経験した。
自分も両親も転勤族というわけではないから、平均よりは回数が多い方かと思う。

それぞれの引越しに思い出はあるが、その中でも一番「やらかした」経験をただ記録しておきたいなと思った。
今となっては笑い話どころか、数少ない「すべらない話」だ。

当時、宮城県の大河原という駅の近くにひとり暮らしをしていた。
春は桜堤防の名所。
記録的な冬の冷え込みにも耐えて、早く暖かい春が来ないかと待っていたが、勤務していた職場から諸事情で転職し、新しい勤務地が仙台市になったので通勤が少々不便になってしまった。
勤務先の勧めもあり、できるだけ早く仙台市内に引っ越そう、という流れになった。

私はとにかく急いでいた。
片道1時間弱の通勤は毎日大変だったし、新しい職場の気疲れもあった。
また、ちょうど繁忙期だったこともあり忙しさはピーク。日付を超えて帰宅することもあった。

慌ててネットで検索し、以前に住んだこともあった東仙台駅のエリアで目星をつけ、とある不動産屋さんの店舗に飛び込んだのだった。

私からの条件は主に3つ。
①早く居住空間を作りたいから、家具付きで。
②駅から徒歩圏内で。
③とにかく早く入れる物件で。

そして紹介されたのが、駅から徒歩5分、家具付のアパートだった。
リノベーションされたアパートということで、写真もきれいだったので即決した。
「窓も南向きだし小さいけどベランダもありそう。いいじゃん!」

いざ、引越し。新生活のはじまりだ!

部屋に足を踏み入れて感じたこと。
まず、天井が低い。だから、陽が差してもちょっと暗め。
次に、ベッドや棚が、どことなく古い。実家にありそうな年代物という印象。
更に、少しずつ扉の建付けが悪い。いや、問題なく開閉できるんだけど、ちょっとだけ、引っ掛かる感じ。

ちなみに、駅からアパートまでの道のりは急な坂で、
上りはつらいし、下りは雨とか雪の日だと滑り落ちそうでとても怖い…

でもでも。家賃から考えると妥当でしょ。
そう言い聞かせて、気を取り直して引越しの疲れをとるためにお風呂に入った。

お風呂の栓を抜いて溜めた湯を流したら…
なんと洗い場のスペースの排水溝から湯が逆流して溢れ出してくるではないか!!
私は大パニック!初日から床が水浸しになるなんて嫌だ!

結果、お風呂の栓を差したり抜いたりしながら、とてもゆっくり排水することに…
なんて間抜けな光景。私は啞然とした。もう、無理だ。ここには住めない。
毎日シャワーの人は多分気にならない。だけど私は毎日のバスタイムが癒しなのに。

そして週末には別の不動産屋さんに駆け込み、その物件はわずか3週間で退去することに
たんまりと短期解約金がかかってしまうが、構っていられない。そのくらい私は逃げ出すことに必死だったのだった。

それから引っ越す時は、最初に「築年数」を確認するようになった。
リノベーションの響きはかっこいいが、古い設備は古いかもしれない。
さすがにお風呂に湯は溜められないだろうが、物件を直接見ずに決めることは本当にお勧めできませんよ。

(余談)
駆け込んだ先の不動産屋さんで、この悲劇を熱く語ったら担当の方が同情してくれて、担当者割引を1万円上乗せしてくれた。(まぁ…本当に値引きだったかは置いといて)
今となっては良い笑い話です。

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