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【読書おすすめ】LISTEN 知性豊かで想像力がある人になれる(ケイト・マーフィ)→→実践

先日、この本を題材とした読書会に参加ました。7名ほどでお互いに読書感想を語り合い、コメントしあうというものです。
普段私はこうやって文章にしますが、話してアウトプットし共有するのも良い刺激になります。

特にこの本は、聴く・傾聴するということについていろいろな視座から語られているので(見方によっては散漫)、注目する箇所が人によって違いました。その中でお一人が注目したのが

「見知らぬ人と話すと生産性・満足度が上がる」

という点です。確かに見知らぬ人と雑談して、知的好奇心や人間関係構築力をフルに活用できるとその日の幸福度がとても高まります。昨日まさにそんな体験をしたので、そのことを書きます。
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静岡から東京は、新幹線ひかりで1時間です。こだまに乗るよりも混みますが、30分の違いは大きい。昨日もより早く行こうとして、私は2人がけシートで、見知らぬ女性の隣に座りました。

先に声をかけてきたのは、その女性の方でした。70代後半の上品な女性で、遠方にお住まいとのこと。東京での趣味の総会、コロナ明けて数年ぶりに行くこと。その途中、愛知の友人を訪ねて30年の旧交をあたためたとのことでした。

最初はお天気、富士山、目的地、体調それからお互いの境遇と、関係の水位調整をはかりながら一方が話しすぎる・聴きすぎるということもなく、会話が進みました。

この一時間で私が、最もよかったなと感じたのは、その関係性だからこそ本音を聞けた、話していただけたと感じられたことです。

長く介護を続けられた彼女に、私は「思い残すことはない、と思えたか。それともそこまでしても、悔いは残るものだったか」という、かなり突っ込んだ質問をしました。私もこれから母の介護が始まるところなので、と。
すると彼女はしばらく考えた後で、
「これは、今まで誰にも口に出したことはなかったけれど、今このご縁でもうお会いすることもないでしょうしお話します」
と、心情を吐露してくださいました。
お互いの心が穏やかに凪いだころ、東京駅の駅舎が見えてきて、私達は握手をして別れました。

遠くまで旅する恋人に
溢れる幸せを祈るよ
僕らの住むこの世界では旅に出る理由があり
だれも皆、手を振ってはしばし別れる

小澤健二「僕らが旅に出る理由」

たしかに聞けた、バトンを受け取った、そう思える出来事でした。彼女が今日飛行機でご自宅に戻られること、そして同じ時を別の場所で過ごしていくことを思いながら、朝の時間を過ごしています。


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