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#結婚の自由をすべての人に 訴訟(at名古屋)の歴史的判決を聞いてきたよ!レポ


#結婚の自由をすべての人に 訴訟の名古屋判決という、歴史的、そして日本に住むLGBTQ+の人々にとってとても大切な判決に立ち会うことができたので、簡単にですが記録を残しておきます。


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本編に入る前に……

◆そもそも
「#結婚の自由をすべての人に 訴訟」
って?という方へ

こちらの公式サイトがめちゃくちゃ情報豊富です。

◆この裁判では何が争われているの?
どの辺がポイント?という方へ

こちらの記事が超わかりやすかったです!

◆裁判を見に行くことって意味あるの?という方へ

以前、裁判を見に行く必要性をまとめたのでぜひ参考にしてください!


◆同性カップルにはパートナーシップ制度があるのに、
法的な結婚って必要なの?という方へ

パートナーシップ制度や事実婚と、法的な結婚がどのように違うかは、このサイトが超わかりやすいです!


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2023年5月30日(火)

判決を聞くために、名古屋地方裁判所に来ました!
(お仕事は有給使ってお休みしました)


裁判って絶対平日にしかないから、なかなか傍聴するの大変だよね………裁判所も公的機関だからやむを得ないの分かるけどうーんって年々なってる………

名古屋地方裁判所(名古屋城のすぐお隣だよ!)



今回は傍聴人が名古屋地方裁判所の1番大きい部屋(定員70名?)を超しそうとのことで、事前に傍聴するための抽選があることが発表されていました。

裁判所の横で並んで順番に整理券もらって、当選番号の発表まで待機してました………
アイドルのライブのチケットの当落みたいだけど、それよりもめちゃくちゃ緊張する………

たくさんの名古屋のLGBTQ+の仲間と一緒に並んで待っていたので、不思議と不安はなく、安心感に包まれた空間でした………
てか、めっちゃ並んでる………100人以上余裕でいた………

(最終的には傍聴の倍率は2倍以上だったようです!)

抽選券の写真は撮ってはいけないそうなので、代わりに最寄りの名古屋城駅(とマリフォーのハートステッカー)


時間になり、抽選結果の発表!

私は残念ながら落選しましたが、他の方が譲ってくださりなんと傍聴できること!
本当にありがとうございました😭


当選した整理券を持って裁判所の中に入ると、番号をしっかり確認した上で写真の傍聴券に引き換えて中に入れてもらえました。

(裁判所に入る際には、空港見たいな荷物検査を受けないといけないよ!
ハサミなどは持ち込まないように気をつけてね!)

整理券と交換された傍聴券


そして始まった裁判。

注目されている裁判ということが、冒頭5分間は報道機関向けの撮影時間が設けられました。

その後はカメラは退室し、裁判所内はスマホ・パソコンなどの使用も禁止です。

私語もないため、シーンとした緊張した時間が流れます。



2020年2月14日に裁判を始めてから、3年以上かけて争っていた内容について、ついに裁判長から判決が話されます。



判決ではまず、裁判長が丁寧に、これまでの争ってきた内容の整理を話してくれました。

・原告(=同性カップル)が主張してきたこと

・被告(=日本国)が主張してきたこと

その上で、争っていた以下の3点について1つずつ説明していきました。

①憲法24条1項

婚姻は、両性の合意のみに基いて成立し、
夫婦が同等の権利を有することを基本として、
相互の協力により、維持されなければならない。

(= 両性の本質的平等 を規定している条文)


②憲法24条2項

配偶者の選択、財産権、相続、住居の選定、
離婚並びに婚姻及び家族に関するその他の事項に関しては、
法律は、個人の尊厳と両性の本質的平等に立脚して、
制定されなければならない。

(= 家庭生活における個人の尊厳 を規定している条文)

③憲法14条1項

すべて国民は、法の下に平等であつて、
人種、信条、性別、社会的身分又は門地により、
政治的、経済的又は社会的関係において、差別されない。

(= 法の下の平等、平等権を規定している条文)


そして、それぞれについて、今の法律の状態(戸籍上異性のカップルは結婚できるけど、同性のカップルは結婚ができない)が、①②③に違反しているかどうかを説明してくれました。


(事前に「裁判の判決って難しい言葉が多いから、素人は判決聞いても結論がすぐにはよくわからないらしい」と聞いていたのですが、今回の判決は超わかりやすく明確な内容だったので、素人でもわかりました!)


判決の内容としては、

双方の主張と、昨今の日本や諸外国での状況を踏まえて、以下のような理由を述べ、

同性カップルは、自然生殖の可能性が存しないという点を除けば、
異性カップルと何ら異なるところはなく、
性的指向及び性自認は、
医学心理学上、人生の初期又は出生前に決定されており、
自らの意思や精神医学的な療法によって変更されるものではない
とされているにもかかわらず、
これを草受できない状態に陥っており、
同性カップルと異性カップルとの間に、
著しい乖離が生じている。
同性カップルの関係性について、
家族の問題として検討することは十分に可能なはず
近年家族の多様化が指摘されており、
伝統的な家族観が、唯一絶対のものである
というわけではなくなっている。
現行の法律婚制度が制定されて既に70年以上が経過している。

個々の同性カップルが被る不利益が重大なものである上、
その総体としての規模も期間も相当なものであるから、
同性カップルに対する保護がなされない影響は
深刻なものである。
同性カップルが国の制度によって公証されたとしても、
国民が彼る具体的な不利益は想定し難い。

現に、地方自治体においては、
登録パートナーシップ制度の導入が増加の一途を辿っているが、
これにより弊害が生じたという証拠はなく、
伝統的な家族観を重視する国民との間でも、
共存する道を探ることはできるはずである。

最終的に、

①憲法24条1項 に違反してるとまでは言えない

②憲法24条2項 に違反している

③憲法14条1項 に違反している


と判決を下しました。

なんと、憲法24条2項と憲法14条1項の2項目について

超明確に「憲法に違反している!」と判決が出た

んです!!!
これ、日本の歴史においても結構すごいことなんです!!!

※ 画期的な違憲判断がなされた、名古屋地裁判決文はコチラから

「訴訟資料」タブをクリックして、
下へスクロールすると以下のタイトルがあります。
ご一読ください。
🌈️【愛知】判決要旨
🌈【愛知】判決全文


裁判長の話を聞いて「これは違憲判決だ!」と分かるにつれて、傍聴席の中からどんどん嬉し泣きを始める人が多数。

原告側の席に座る原告さんも弁護士さんも、涙をゔゔゔと堪えながら話を聞いていました。

そして、裁判長が判決を読み終え、裁判の終わりを告げて退廷した瞬間には、自然と部屋の中に響きわたる大きな拍手が起き、傍聴人同士で泣きながら喜びのハグが発生しました!!!

あの瞬間の涙と大きな拍手の様子は忘れられません。

W杯でいま私たちは優勝したんじゃないかくらいの狂喜乱舞という感じでした。

明確な違憲判決を出した裁判長の勇気に感謝します。

そのあとみんなで裁判所を出て、すぐ外で待っていたみなさんにご報告。

そして、これがよくニュース映像とかで見る、旗出しの瞬間です!!


同性婚を認めないことは憲法に違反する

その言葉を、やっと地元・名古屋の地で聞けたことをとても嬉しく思います。

原告も弁護団もみんなお疲れ様です!
高裁もこの調子で!

裁判所の前には100人近くの報道陣が!
カメラの量もすごいです
弁護団の皆さんと裁判を応援しにきた皆さん


当日は夜まで皆さん、報告会の設営や取材対応などお疲れ様でした!
私も少しですが、お手伝いできて良かったです。

そして、何より、

初回を傍聴して応援してきたこの裁判の(一旦の)最終回を、みんなと一緒に迎えることができて、大変嬉しかったです!

原告さんも、弁護士さんたちも、その他裏方として手伝っていた皆さんも、お疲れ様でした!!!

1日でも早く、名古屋で、
そして日本中で、
結婚の自由がすべての人に
実現されることを
願っています。


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