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Vo.長谷川育美さんのステージングに感動した 【結束バンドLIVE-恒星-】

少し時間が経ってしまったんですけど、5月21日に行われたアニメ『ぼっち・ざ・ろっく!』のライブイベント「結束バンドLIVE-恒星-」について、どうしてもあることについて書きたいことがあったので、ざっくばらんですけどまとめたいと思いました。

私がどうしても書きたかったことは、今回ヴォーカルを務めた長谷川育美さんのステージングについてです。
配信でライブを観ましたが、彼女の歌唱ももちろん素晴らしかったですが、個人的にはそれと同じくらい彼女のステージングも素晴らしいと思いました。

◉アニメ『ぼっち・ざ・ろっく!』について

確か昨年9月の『ぼっち・ざ・ろっく!』の放送前、ホームページのトップに使われているビジュアルをSNSで見かけた時に、その雰囲気のある全体のビジュアルに惹かれ、これは面白そうなアニメだと思いました。
ちょうど1話が放送された段階では、自分は仕事で海外にいたので、1話がすぐに観られず、代わりに先行配信されていた「青春コンプレックス」を聴いてみたら神曲。帰りの飛行機の中で鬼リピートしていました。
そして帰国後、早速『ぼっち・ざ・ろっく!』を観てみたら、めっっっっっっちゃ面白い!!!!!!
ストーリーや演技うんぬんよりも、まず画面が面白いか、画面が視聴者を惹きつけてくれるのか。
個人的にはそれが何か映像作品を観るときに、気になってしまう部分ではあるんですけど、『ぼっち・ざ・ろっく!』は1話からフルスロットルで期待に応えてくれました。
写実的な背景とデフォルメ化されたアニメチックなキャラデザインのマッチングも、公園でひとりと虹夏が出会った時のカメラのアングルも、ライブハウスでの魚眼レンズ越しのようなレイアウトも。とりあえず普通の女子高生たちの描写を如何に全力で楽しませるか。それにとことんこだわった作品だと、1話で確信しました。

◉『ぼっち・ざ・ろっく!』の音楽

あまり本題とは関係ない部分が長くなりましたが、この『ぼっち・ざ・ろっく!』は女子高生バンドの物語です。
つまり、映像化するにあたっては「音楽」がとても大事な要素になるわけですが、この点においてもアニメ『ぼっち・ざ・ろっく!』は完璧でした。
音楽を専門的には書けませんが、主人公・後藤ひとりの少し鬱屈とした歌詞を多彩なバンドサウンドで表現した彼らの楽曲はどれも必聴です。
アニメ放送後に全14曲のアルバム「結束バンド」と5月22日にシングル「光の中へ」が発売されています。

「結束バンド」は正直言って個人的には2022年のベストアルバムでした。
一番好きな曲は…、かなり迷いますが明るい曲が好きなので「忘れてやらない」か「Distortion」です。ライブを観たら余計この二曲が好きになりました。
「光の中へ」はかなりスルメ曲で、これもライブ以降毎日聴いていて、聴くたびに好きになっています。

◉「結束バンドLIVE-恒星-」

作品の質と視聴者の盛り上がり。
それを掛け合わせた指標を正義とするなら、そこまで多くのアニメをチェックしているわけではないのですが、2022年のNo.1テレビアニメ作品は『ぼっち・ざ・ろっく!』と言ってもいいのではないでしょうか。

当然、二期の期待が出てきます。
原作は5巻が発売されていますが、アニメで消化されたのは二巻の途中まで。
じゃあすぐにでも二期をやってくれ!と思いますが、あれだけのクオリティ(作画・音楽両方とも)を成し遂げるのには、相当な準備段階、制作期間が必要だと思います。
なのでまだ、二期の制作決定すらも発表されていません。

じゃあ私たちのこの『ぼっち・ざ・ろっく!』への思いは、この熱はどうすればいいんだ?と思っていたところに、発表されたのがリアルライブイベント「結束バンドLIVE-恒星-」です。

ようやくライブ本編の話です。

◉長谷川育美さんのステージングに感動した

各メディアでも、このライブのレポが上がっていますが、ここでは自分なりに思ったことを書いていきます。

実はこのライブの1ヶ月前にアニメのスペシャルイベント「ぼっち・ざ・ろっく!です。」でも、ミニライブが行われていたようですが、自分はそれは観ていませんでした。
それはトークイベントがメインであったと思うのですが、今回は正真正銘のライブ。

結束バンドのVo.喜多郁代役の長谷川育美さんがメインボーカルとしてステージに立ち続けます。
Youtubeでスタジオライブの映像が二曲上がっているので、その映像を見るに生歌唱でも長谷川さんは間違いなく上手いんだろうなとは思っていました。(ただ、やはりリアルでお客さんを目の前にずっと一発本番のステージで歌いつづけるのは、本職が声優の方には難しいのではないか……、とも少し思っていました)

また、長谷川さんが“どう”歌うかが個人的にはすごく気になっていました。
つまり「ステージング」です。(ようやくここまできた…)
作中では喜多ちゃんは初心者ながらもギターを猛練習して、ギターボーカルとしてステージに立っていますが、長谷川さんはそうはいかない。つまり今回彼女が担うのはボーカルオンリー。握るものはマイクしかないんです。

喜多ちゃん本人が作中で言っています。

「私もボーカル専門だったら楽だけど 間奏中とかやる事なくてカッコ悪いわよね…」

『ぼっち・ざ・ろっく!』1巻

これはかなり難しい問題だと私は考えます。
単にマイクを握って歌えばいいものでは決してないと思うんです。
まず、マイクの握り方。
そしてマイクを持っている手の方の脇の締め方。
マイクを持っていない方の手の動かし方、置き方。
立ち方。足の開き方。
姿勢。
ステージをどこまで移動するか。どうやって移動するか。
表情。
などなど…
これら全てを統一して、その曲に、それを聴く観客に、そして自分のテンションに最も合ったステージングを行う。
センスも問われますし、自分がどう見えているのかをしっかり把握できる人間ではないとこれらは行えません。
多分相当練り込んでいかなければと思うのです。

ちなみに、自分はあまり音楽には詳しくありませんが、一番好きなステージングはMr.Childrenの桜井さんです。「マイクを持ちながら歌う」という行為が、なんだか自然でありながらもかっこよく、しかも大観衆とコミュニケーションをとろうと、盛り上げようと工夫しているところまで持って行けているのが本当にすごいと思います。さすがPOPSAURUSです。

なので、声優である長谷川さんが(しかもソロ歌唱での本格的なライブはおそらく初めて)、どれだけ観るものに違和感なく自分の歌う姿をコントロールするのかが自分にとっての注目ポイントでした。

ただ、まあとにかく、彼女のステージングは素晴らしかったです。

以下、特に個人的に印象に残ったステージングを挙げていきます。

1曲目:ひとりぼっち東京
ステージセンターにはスタンドマイク。
何を歌うのかと思ったときに、イントロなしで始まるこの曲が一曲目にきたことにまず感動しました。
ボーカルオンリーの人がスタンドマイクで歌う時ってなんとなくバラードなイメージがあるんですが、「ひとりぼっち東京」は疾走感のあるナンバー。しかしながらずっと寂寞な雰囲気が漂うこの曲をスタンドマイクで歌い上げるのは非常にツボを突いていると思いました。
個人的に長谷川さんの立ち姿がとてもいいなと思ったのですが、つまり足の開き幅がよかったんです。
閉じすぎず、広すぎず。ひとりぼっちだけど、揺らがない感じが。

3曲目:ラブソングが歌えない
「ラブソングなんてもう〜」
の時の体の揺らし方、リズムの取り方。かっけえ。

4曲目:Distortion!
Distortion!は楽しい歌ですが、こういった曲こそステージングが問われるものだと思います。
「わたしを覗いてよ」指で丸を作ってそれを覗く。
「飲み込まれそうで」ギターと体を揺らしながら歌う。
など、この曲ではステージ上を移動し、歌詞や音に合わせて楽しそうに動きを加えていたのが印象的でした。

5曲目:ひみつ基地
「ダメ、絶対」でしっかりやってくれたのはもちろんですが、その前の「夜ふかしお寝坊」のところからその布石を打っています。

8曲目:小さな海
もうこれを書いている時点で配信ライブの視聴期限が切れてしまっているので確認できませんが、
一番は両足を閉じてまっすぐ立ちながら歌っています。そして最後また穏やかな曲調になったときも両足閉じてます。
それまでは両足を閉じて歌うことはなかったと思いますが、この曲ではそれを採用。曲の持つイメージに合わせて、立ち方からしっかり考えているんだなと。

11曲目:忘れてやらない
最高でしたね。
明るくアップテンポな曲だけど、青春のはかなさも感じられるこの曲が大好きです。
Distortion!と同じく、歌詞に合わせた動きをいくつか入れていましたが、個人的には「予定調和のシナリオ踏み抜いて」でキックをする長谷川さんを見て、めちゃくちゃ盛り上がりました。そのすぐ後のサビにつながる動きもとてもスムーズで、この人はすごい、マジのパフォーマーだと思いました。

12曲目:星座になれたら
個人的には一番長谷川さんという人に合った曲なのではないかと思いました。
というのは、一番自然に歌っているように見えたからです。
基本的にマイクを持っていない左手の使い方がずーっと上手い、というか溶け込んでいるなと思って見ていたのですが、この曲では手から立ち姿からリズムの取り方まで、何もかもが音楽と一体となっているように感じました。

以上、いくつかピックアップしてみました。
余談ですが、「あのバンド」の最初のバンド演奏だけのライブアレンジは、ミスチルの「DISCOVERY」をなぜか感じました。めちゃくちゃかっこよかったです。

あとは長谷川さん、本当に歌が上手い。声優さんて歌う機会も多いと思いますけど、ここまで上手いとは。13曲長谷川さんがボーカルを務めて、最後までずっと上手かったです。しかも、彼女は長谷川育美として歌うのではなくて、喜多郁代の声で歌うんですよね。喜多ちゃん自身も普段の声とライブの時の声では変えていますけど、長谷川さんの地声と喜多ちゃんの声は結構違うので、それを維持し続けてなおかつ歌うっていうのをライブでやるっていうのはとてつもないことだと思います。

いやあ……、本当改めてすごかった!!!!!次の機会があれば現地でライブを見てみたいです。
ほんと、自分は観てるだけなのに、こんなに自分の中に熱を感じられるなんてビックリです。
この作品に出会えて本当によかったです。
原作もすごく面白いですし、アニメも二期は発表されていませんが来春に総集編の映画も公開されるようで、「ぼっち・ざ・ろっく!」がまだまだ続いていくことが本当に嬉しいです。

Thank you!


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