為石梨笑子

為石梨笑子

最近の記事

むすこのはなし

私には、3歳と2歳と6ヶ月の男三兄弟がいる。 昔からよく男兄弟とか言ったりすると、元気そうとか、母親が逞しくなりそう。とか、悪く言うとうるさそう、とか。イメージは一定している。 でも、彼らはそんな事はなく、比較的大人しい。 長男は非常に母親に懐いており、生まれたての時は私が離れるとぐずってしまっていた。 次男と三男は赤ちゃんでもずっと大人しい。 夫との会議で、長男を甘やかした方が全員バランス良くグレずに済むんじゃ無いか。と言う話になった。 あの子らが育つ過程で、子供は

    • 母と娘

      私には、専業主婦の母と、最近定年退職直前に会社を辞めて、昼夜逆転した生活をしたくないからとアルバイトをしている父がいる。 今回は、母について話そうと思う。 父の方の話も聞きたい、という人は多いだろうが、母の方が情報量が多いので。 母は、自分以外の苦労を苦労と思わず、自分のことに関しての悪いことにのみ、すごく悲観的になるタイプだ。 だから、まあ、私だけでなく母もひとりっ子なのだけど、私がひとりっ子という理由でいじめられていたとき、思い切って話してみても、 「ふーん。まあ、

      • むかしの話

        とあるニュース記事で読んだことがある。 むかし苛めに遭っていた人は、大人になってもその記憶が消えず、過去のことを事細かに思い出しては震えが止まらなくなる、不安になる。などの症状があり、記事ではそれを病気の一種である。と、書いていた。 私は小さい頃、まあ、苛めにも程度は色々あるし、私の方が。おれの方が痛い思いをしただの、まだマシな方だったなどと、無駄に競うことはあるかもしれないが、小さい頃私はよく男子たちに苛められていた。行動を起こされるというよりは、あだ名をつけられたりなど

        • 現し世

          絵描き。この言葉の価値が下がらないのはどうしてでしょう。ヨーロッパの広場なんかで集まって絵を描いている姿を見ると、風情なんでしょうね。と、感心するのだ。 絵ってファンタジー?って言う人はいる。 そう聞かれた時は、こう答えようと思う。 いいえ、この世そのものがファンタジーなのです。 絵は、それを映す鏡。 この世界の不思議も、人間の生涯も、ひとつの絵であり、芸術だ。 生きることは、絵を描くことと似ているかもしれない。わたしたちは、知らず知らずのうちに筆を手にし、何かに意欲

          クリスマスとわたし

          クリスマスの時期を楽しめなかったことなんて、わたしにはなかった気がする。 恋人がいなかった時でも、実家でパーティーを開いてくれる両親がいたので、クリスマスは恋人との日。と言われていてもそんなに嫌な感じはしなかった。 今年のクリスマス、誰かと一緒の人もおひとり様も、いま一度クリスマスの楽しみ方を考えてみては如何だろうか。 例えば、部屋の中を温かくして、飾り付けをしてみるのはいいかもしれない。子供じゃないんだからって笑わないでください。これ楽しいんです。 物って、人に寄り

          クリスマスとわたし

          ニットと重ね着

          幼い頃、あるアニメで女の子が男の子のためにマフラーを編んでいたのを観て、私も編み物をしたいと思った。確か、、、『とっとこハム太郎』だったと思う。笑 誰かのために。なんていう想いは当時は無かったけれど、母からかぎ針編みを学び、近くの手芸屋さんに行って毛糸を買ったときは胸が弾んだ。 初めて試行錯誤を重ねて作ったものは、ぼこぼこしていて、なんだこれ?って感じだったけれど、首に巻くとあったかかった。あまりに見た目が不恰好だから、学校になんて巻いては行けないけれど、家で大事に保管し

          ニットと重ね着

          女と男と酒のつまみ

          結婚してから、早いもので2年が経つのだが、彼氏を作ることを渋っていた私に、夫が恋人になることを申し込むとき、こんな風にプロポーズされた。 「生涯共にするつもりで付き合って。ちなみに、老後話し相手居ないとボケるよ。」 それはやばいかも。と思って私はそのプロポーズを引き受け、現在に至るわけである。 喧嘩しても、己自身に「ボケていいのか。」と問いて、結局踏みとどまるケースもある。 夫曰く、恋愛に大事なのは何事もまず会話すること。それからしか始まらない。 言葉以上に大切なものが

          女と男と酒のつまみ

          孤独ということ、愛するということ

          昔、こんな事を言っている女の子がいた。 「ひとりでいて良い人なんていない。みんな誰かを求めている。1人でいたい。という人は、強がっている。」と。 本気で言っているんだろう、という事は分かっていたが、中学生当時の私はその言葉に、いまいち納得できなかった。 私は常に一人でいるわけでもなく、気の合う少数の友達とだけ付き合っていた。だが、ひとりでいる時間も必要だった。 ひとりでいたくない。と、駄々をこねているひとは、いったいいつまで誰かと一緒でいる気なのだろうか? まず、親は死ぬ。

          孤独ということ、愛するということ

          やどかり

          一時期、夫が私とやたら都内旅行をしたがった時があった。 「なんで?」 と問うても、「なんでも。」と言うばかりだ。 宿泊するホテルを探す役割は私。いくつか宿をピックアップして資料を夫に見せる。 「これとこれとこれ。のうちのどれか。」 また、高いところを…。と思いつつ、1番安い宿を選ぶ。宿泊する。  一ヶ月後…また出かけたいと言うので前とは別のところを選ぶ…宿泊する。 それを何回か繰り返す内に気づいた。 まず、1回目の宿泊で気づいたこと。 眠れないからその間の飲み物と

          ブラジャー

          あいみょんの曲でね、「おっぱい」っていう曲あるでしょ? あれ聴くと、私毎回泣いちゃうんだけどね。 あれは、成長していく女の子が身体が変わっていくことに対してとまどいを感じている歌だと思っているんだけれどね。 私、その曲を聴く度に、小学校高学年の頃に心が引き戻されるんだよなぁ。 スポーツブラから、女子はブラジャー始めするんだけれど、それするのが嫌で嫌で。 透けるのがとにかく嫌だった。だって、男子にも女子にも「ああ、あいつブラしてるんだな」ってバレるでしょ。それが物凄く怖か

          ラジオ

          ラジオは、ここ2、3年のワタシのルーティンである。 こんなこと言うと、「年寄り!」と後ろ指差されるかも。だけど、ラジオってね、人と会話できんの。 ラジオを通じて、色んな人と交流してる気分になれる。 DJの愚痴や呟きに、そうそう!って頷いたり、投書の人達の意見に、そんなことあるかよ!って、本当に声出してツッこんでいるんです。 おはよう!またね!とか、あいさつがあるのも良いなって思ってる。 私は投書はしないけれど、朝近所の人とあいさつするように。朝ラジオ聴かないとすっき

          食と私

          食べることは、生きることに於いて全てを繋ぐもの。 これは、わたしの生き方そのものな気がします。 言葉だけ聞くと、「生きるためには必要だからね。当然だと思うよ」と言う人もいるかも知れないけれど、色々な意味とか、餓死しないようにとか、全ての生きることに関して必要なものな気がします。 単純に欲を満たす為にわたしは食べています。 文化をつなぐものじゃないのか?と思った方も、健康のためだろう。と予想された方もいらっしゃるんじゃないでしょうか。 でも、私の食べることの意義は、ほ

          ネイルを塗る。

          わたしにとって、ネイルを塗ることは、心を整えること。 昔から絵を描くことが好きで、高校も大学も美術学校だったのだが、その時から、色を集中して塗っているときは、すごく集中するし、邪念を取り払える。 絵画教室に通っていたときのおばあちゃん先生曰く、絵を描くことはボケ防止になるらしい(笑) そんな冗談みたいな言葉も、私は凄く信じていて、絵を描いているご老人の方は、趣味といえど、とても深みのある顔をしている。 ここでまたネイルの話に戻るのだが、色を塗ることは、今までの話からし

          ネイルを塗る。

          かみをきる。

          映画「ココ・アヴァン・シャネル」で、こんな台詞がある。 "女が髪を切ったときは、人生が変わるときだ。" 私は、25歳を一つの人生の転換期にしたいと思って、長かった髪をベリーショート にした。 今みたいなベリーベリーショートとまではいかないが、ローマの休日の、オードリーヘップバーンくらいには短くした。 彼女は、当時珍しい髪型だった、というのもあるかもしれないが、短い自分の髪を鏡越しに見て、少し泣きそうな顔にも見えた。私も、ベリーショート になった自分の姿を見て、泣きそうな

          かみをきる。

          おんがくとひと

          コロナ禍に入ったばかりの時期のこと。 音楽が必要とされているのに見捨てられかけた時期があった。 コロナ禍に入って、世界のどこかしこも「家から出るな。」と言われて、皆それに当然のように従い、家でできる事。音楽に没頭していった。 ところが、にもかかわらずである。音楽業界はひっ迫していた。 ライブができる場所が無くなったからだ。 これは、当時大きなニュースとして取り上げられ、コロナ禍を象徴する出来事のひとつであった。 坂本龍一氏は、そのとき日本の音楽業界についてこう語ってい

          おんがくとひと

          朝、わたしのルーティン

          朝は、昨晩眠れても眠れてなくても、私にとって人生の大事な部分を司る時間帯だ。 朝早く。日が昇るか昇らないかの時間にそれは始まる。まず、ストレッチをする。 これは、夜起きていた状態からの場合は特にそうなのだが、頭がキーンとしていてふらふらする。(これは寝過ぎた翌朝にもありえる。) だから、ラジオ体操やヨガ、体力が有り余っているときには走ったりする。 それからやっと朝ごはん。 作る前にラジオをつけてから、それをBGMに調理をはじめる。簡単なものだけど、パンだからっていうよく

          朝、わたしのルーティン