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神近さんが2人の女師匠から学んだこと

1 月 9 日。
今日もポジティンチャンネル始めていきたいと思います。

今日は私の一言はなしにして、神近さんの教えを紹介します。

二人の女師匠

私には女師匠が二人いる。

一人は料亭一条の女将、室谷英であり、もう一人は純文学の小説家で着物のデザイナー宇野千代である。室谷は陸軍中将の妻として終戦を迎え、靴磨きから永田町の裏舞台、料亭一条の経営者になった女傑である。

室谷は「一人は一個の個体だから、良いところも悪いところも汚いところも正直なところもずるいところも持っている。修行を積んで悟りを開いた人は別だが、名誉欲や金銭欲や独占欲の強い人を落とすのは簡単だあ。また、わずかでも持っていれば落とす方法がある」というのが持論だった。

人間は一個の個体であるから、すべての人があらゆる性格を持っているが、育っていく過程や環境で価値観が形成され、その価値観に基づく打算や損得、好き嫌いなどが正確となって。その人の人物像を作っている。

厳しい修行を積んだ人や地獄のような苦しみを乗り越えてきた人は別だが、地位が高く力のある人間ほど自信過剰で権力欲が強い。

綺麗ごとを言う一方で、金を欲しがり、性欲を満たそうとするので、好きだらけだいうのである。人間は一個の個体だから、美しいところも汚いところも誰もが持っているので、神にも悪魔にもなることができるとの言葉は、私の人を見る目を根本的に変えた。

宇野千代は天風会に入っていたらしく、ことあるごとに中村天風氏の精神力の強さを話していた。哲人、中村天風の薫陶を受けた日本人は 100 万人を超えると言われ、その門下生には松下幸之助や稲盛和夫などがいる。

中村天風はインド洋画を体得して日本に広めたことでも知られる。また、日本古来の柔術から加納千五郎による合気道が生まれた。中村天賦は合気道創始者上芝氏の精神的支柱となり、木の確立という本を強調している。 中村天風の心神統一法は、思考が人生を作り、感情が運命を左右する。

思考を積極化することが人生を作り変えることに通じ、感情を統制することが自らの運命を自らの手で開くことになると説いている。心には、日常現れている顕在意識と表面に現れない潜在意識がある。

通常力を使っている顕在意識よりも、脳の機能からして潜在意識の方がはるかに大きな力を持っており、富士山に例えるならば、雪をかぶっている部分が顕在意識であり、それ以外が潜在意識と言ってよいう。 潜在意識の中にある能力や機能について、科学的にはほとんど解明されていないが、人の身に起こることで不思議な力とも呼ぶべきものが潜在意識の中に隠されているのは確かである。自己暗示をかけることで、潜在意識にアプローチできる。

自分の希望や憧れや夢などを潜在意識に語りかけ、口に出して自己暗示をかけ続けることで、いつのまにか実現できる。ふと漏らした言葉が無意識のうちに自己暗示となって実現されていた経験を持っている人は少なくない。 うん、人間は明るく朗らかに、生き生きと勇ましく生きることが大切である。特に言葉に注意しなさい。消極的な言葉を使ってはいけない。苦しい時に苦しい、きつい時にきついと言葉に出せば、それが潜在意識に残り、悪影響を与えてしまう。

一日中夜遅くまで働いて自分の家に帰るとき、「疲れた」と口に出せば、マイナス思考となって体の芯まで疲れてくる。これを、「今日は充実した一日だった、明日も頑張るぞ」と言葉にしたら疲れなんか吹っ飛んでしまう。

人間の潜在意識には自己暗示のかけ方次第で心身の疲れをエネルギーに変えてしまうほどの力がある。

人は理性で本心、両親をごまかすし、感情のままに本心・良心を無視した行動をとることがある。積極的な行動とは、本心・良心に反しない思考と行動である。自分の命に喜びを与えるもの以外は、どんな他の面で価値があるように見えても真実なものではない。自分の心に喜びを感じたとき、本当の幸福を感じる。楽しいと思えば苦しみは消え去り、苦しいと感じれば楽しみはなくなる。

どんな状況下にあっても、楽しみを見つけることができれば耐えることができる。理解して行動するのではない。行動して理解するのである。

ある時、宇野千代が私の両手に割り箸の両端を持たせ、はがきで割り箸を真っ二つにするという、そんなことができるはずがないと思っていた私の目の前で奇跡が起こった。齢八十歳を超えた老婆が振り下ろしたハガキは、見事に割り箸を真っ二つにしたのである。あんな非力の人ができるのだから、私にもできるはずだと、後で何回も挑戦したが、割り箸に傷一つつけることができなかった。

常識的に考えれば、振り下ろすハガキのスピードが速ければ、割り箸を折れるはずだが、何度やっても無理だった。中村天風はこよりで割り箸を折ってみせたというから、人間技ではない。この頃の私は木について何も意識していなかったので、織ることができなかったのかもしれない。

女師匠二人の口癖は、やる気のない人間はダメ。諦めやすく根気のない人間はダメ。過ぎたことを愚かだ愚かだという人はダメであり、この三原則をもとに人人の値打ちを決めて、付き合っていた。

今日のお話は以上です。皆さんいかがでしたか。

まとめ


マネジメント研究会(神近塾)では、この原稿を神近塾長が直接ご自身で読み上げながら、時折補足を挟みながらお話をしてくださいました。

2024 年に入ってから、世の中的にも個人的にもちょっとしんどいことが多くありました。なんでこんな目に、というようなことも起きました。

そんな中で、今日、この原稿と再び巡り合ったのは、私にとってすごく意味があることだったと思います。

人生、生きていればいいことばっかりではありませんよね。

でも、明日もいい日だと思って過ごしていきたいと思います。それではまた明日。

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