高級車一台分の「自己投資」を経て気づいたこと
「自己探求」「人間探求」が大好きで、かつてはそれが私の一番の趣味だった。
最初はただただ楽しくて、好奇心から学んでいた。
学ぶことが喜びだった。
でも、いつからか、「学ぶこと」は、私の不足感を埋めるためのものになっていった。
自分の自信のなさを補完してくれる、「魔法のツール」を探す旅に出てしまった。
自分では「好奇心から学んでる」と思い込んでいたし、そう思い込ませようとしていたけど、完全に、「中毒」になっていた。
「魔法のツール探し」の中毒だ。
最初はただただ楽しかった
昔から、心理学に興味があった。人に興味があった。人と話すことが好きだったし、人の話を聞くことも好きだった。
2011年に、私は、「いつかカウンセラーになりたい」という自分の夢に
気づき、産業カウンセラーの講座に通いだした。
とてつもなく楽しかった。
自分を知ることも、他者を知ることも、心の仕組みを知る事も、楽しかった。もちろん、自分の見たくない内面に向き合うことは苦しい部分もたくさんあるけれども、それでも、私は喜んでいた。
「自分の人生をかけて夢中になれそうなものに出会えたぞ!」
と心弾ませていた。
そこから私は、自己探求、人間探求の面白さに目覚め、収入のほとんどをこれらの学びに投資していった。
コーチング、キャリアコンサルティング、セラピー、NLP、ヒーリング、西洋占星術、数秘術、等々・・・。
アカデミックなものから、スピリチュアルなものまで幅広く、出会うもの出会うものに興味を持ち、本を読み、講座を受け、セミナーに参加し、クライアント体験を積み、どんどん投資をしていった。
この頃は楽しかった。
雇用されて仕事もしていたので、定期収入もあったので、お財布の紐もかなり緩かった。
この時は、「カウンセリングとかコーチング等の分野の仕事をいつかしたいな~」とは薄々思っていたけれども、自分でビジネスをすることは遠い遠い未来だと思っていたので、ただただ自分の趣味で学んでいた。
独立してから、何かが変わった
2019年に、勤めていた組織を退職し、キャリアコンサルタントとして独立。
「なんとかなるだろう」と思って独立したものの、そう甘くはなかった。
週3日派遣社員で働き、それ以外の時間でキャリアコンサルタントとして業務委託の仕事をしながら生計を立てていく予定だったが、派遣社員の仕事は書類もなかなか通らない。数か月間、就職活動をするも、決まらない。
派遣の仕事は諦め、キャリアコンサルタントの仕事のみでなんとか頑張ろうと思ったが、それでもなかなか現実は厳しい。
元々学んでいたコーチングの上位資格を取得しようと決め、CTIジャパンの上級コースにエントリー。
初めて、自分自身で有料でお客さんに対してコーチングセッションをするという体験がここから始まる。
元々人の話を聞くのは好きだし、コーチングは得意だと思っていたが、蓋を開けてみると、上手くいかないことも色々あった。
コーチングスキルを学んでも、実践の場では思うようにいかないこともたくさんあった。
クライアントさんと連絡が取れなくなることもあった。
上級コース中は、何度もスランプがあり、その度に仲間に支えてもらい、自分自身でも努力を重ねながら、実践を積んでいった。
そうして、少しずつ、自分らしいコーチングができるようになっていった。
と言いたいところだが、
有料セッションを提供し始めてからも、実は、「これが私らしいコーチング」と自信を持って言えるようにはなかなかならず。
・クライアントさんに満足してもらえていないかもしれない。
・体験セッションからなかなか継続のご契約につながらない。
・そもそも新規の体験セッションの依頼もなかなか入らない。
そんな状況がしばらく続いた。
「私のコーチングには何かが足りない」
そう感じ、自信を失っていった。
元々は、純粋に人の話を聞くのが好きで、人との関わり合いの中で目の前の方がより自分らしく輝いていかれる姿を見るのが大好きだった。
その純粋な動機が、いつからから、「コーチングが上手くなる。もっと価値提供できる自分になる」ということに変わっていった。
そして、「もっとコーチングが上手くなるための良い手法はないのか?」そう感じて、他の学びも求めるようになっていった。
クライアントさんに関わる時に有効そうな関わり方を色々学びたくなった。
それ自体はとても大切な事で、コーチとしてクライアントさんに対してより良い関わりができるように学び続けることはとても大切だと思う。
ただ、この時の私は、焦っていた。
元々、自己探求、人間探求が大好きで、好奇心から学んでいた時とは質感が変わっていた。
不足感から学ぼうとしてた。
「自己研鑽」とも違う質感だった。
自信の無さを埋めるために、必死だった。
そして、学びだけではなく、その学びで出会った人達との交際費もかなり増えていった。
この辺りから、自分の収入が、追い付かなくなっていった。
人が「いいよ」というものは全て学んでみたくなった。オススメされた本を全部読まなければと思うようになった。
この、「不足感の吸引力」はあまりに強く、私は冷静な取捨選択ができなくなっていった。
※ちなみに、このプロセスの中で、本当に良い学びだったと思う学びにも出会えている(ヒプノセラピーの学びは本当に良かった)ので、全ての学びを否定しているわけでもないです。
どんどん減っていく貯金・・・
自己探求系・対人支援系(自己啓発系)の学びって、金額の桁数が他とはちょっと違う。
それで人生が大きく変わる人もたくさんいるから、それなりの金額がするのは私も納得している。
けれども、そのような分野の学びばかりしていたら、さすがにいくら頑張って働いていても、貯金は減っていく。
いよいよ、やばい、自転車操業状態・・・となり始めた時があった。
お金がなくなっていく不安って、生存本能にダイレクトに影響する。
実際は、お金がなくなっても、死ぬわけではないのに、
「私、このまま死んじゃうかもしれない」
と脳が危機感を感じるようになったのか
「本当に何かを変えないと、このままだとまずい!!」
となった私。
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そこから、数か月かけて、自分のこれまでの経験・知識・強み・価値観などを徹底的に棚卸していった。
もう、新しく何かを学ぶ、加える金銭的余裕は今の私にはない。
であれば、今持っているものを使っていくしかない。
「じゃあ、私が持っているものって何??」
ひたすら、それを見つけていく作業をしていった。
そして、気づいたのは
「何を持っているのか」
が一番大切なことではないということ。
「私は私でいいのだ」
と、心から、心から、それを自分に思ってあげることが、実は一番大切だということ。
「私には何かが足りない。だから、今あるものを活用していこう」
という意識は、結局、
「自分は足りない」
と思っていることと同じ。
「今の自分で丸ごとOKだよ」
それを本当の意味で心から思えた時に、自分のこれまでの経験・知識に光が当たり、それが使えるようになるのだ。
「だめだ、だめだ」
という意識が強いままだと、せっかくの経験・知識の光の出力も落ちる。
「大丈夫だよ!わたしはわたしでいいんだよ!」
という、最大限の自己受容が、私に一番必要だったこと。
それに、ようやく、ようやく気付いた。
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それに気づかせてくれたのは、家族、仲間、友人、そしてクライアントさん。
「まだまだだな、私」
と思っていた時だって、応援してくれた。見守っていてくれた。近くにいてくれた。私のセッションを必要としてくれた。喜んでくれた。
たくさんいたじゃないか。
もう十分、そういう人達がたくさんいるじゃないか。
「上手くいかなかった」と思うことも確かにあったけれども、それ以上に、「上手くいった」ことも山ほどあったじゃないか。
それに気がついた時、何かが変わった。身体が緩んだ。心がホッとした。
ないものねだりよ、サヨウナラ
そう、私がやっていたのは、
「足りないところばかりを見る」
ということ。
「足りないところを見る」のは脳の癖だから、ある意味仕方ない部分もあるけれども、本当に厄介。
その意識でいる限り、どんなに学んでも、努力しても、結果はついてこない。
私は、自分の経験でそれを実証してしまった。
「もう既に持っている。わたしはわたしで十分素晴らしい。」
それを、心から信じられるようになったタイミングで、驚くようなことが起きた。
何も外側の事象は変えていないのに、新規の依頼がたくさん入るようになった。紹介が増えた。体験セッションの継続率がぐっと上がった。
「あぁ、これが自信なんだ」
とようやく気付いた。
自信とは、自己信頼。
「わたしはわたしでいいのだ」
そう心から思えていることが、自信。
・すごいことができるから自信があるのではなく
・学歴や経歴が素晴らしいから自信があるのではなく
・人から賞賛される、必要とされるから自信があるのではなく
・SNSでたくさんフォロワーがいていいねがたくさんつくから自信があるのではない
外側の事象で得られる自信はいとも簡単に崩れる。
もちろん、有料で大切なクライアントさんの人生に伴走させていただくお仕事なので、スキルアップや経験を重ねることはすごく大切。めちゃくちゃ大切。ここをおろそかにしてはいけない。
けれども、それに重ねてすごく大切なのは、自分の「光」の部分だけではなく、「影」の部分でさえも、自分でOKを出せること。
「ありのままの自分でOKなんだよ」
と思えること。
それが、私にとっての、自信。
この自信の感覚を安定的に持てるようになってからは、自分が本当に学びたいものを選べるようになった。
不足感からではなく、好奇心から選べる私に戻ったのだ。
自分の大切なお金とエネルギーと時間を使って、何を学びたいか、誰から学びたいかを、冷静に選べる自分になった。
本当に良かった。
エラそうに語ったけど、すぐにグラつくから
と、なんだかエラそうに語ったけど、
結構すぐにグラつく私。
すぐ不安になる。
自信を失う。
また、何かを取りに行こうとしようとしてしまう。
つい最近も、またこのループにハマってしまっていた。
でも、
「まぁ、それでもいいや。そんな時もあるよね~」
って軽く笑い飛ばしながら
「私は私で大丈夫」
って思える自分に戻ってこれるといいよね。
***
先日、2月のとある日、信頼するコーチ仲間のケイちゃんとあっちゃんが主催する、「心震える人生を送るための、歌詞作りワークショップ」に参加してきた。
これが、本当に良くってね。本当に心震えてね。
だから、眠い目をこすりながら、夜中にこんなnote書きだしちゃったわけ。
このワークショップでは、決められたメロディーに対して、参加者それぞれが自分だけの歌詞を書いて、みんなの前で歌うというもの。
最初は、なかなかナイスな感じの歌詞を書いていて。
「人生って素晴らしい。みんなありがとう。」
的な。
本心でそう思ってるし、今日の私はほんと心からそれを思えている私だったから、このままこの感じの歌詞で完成させようと思っていた。
そうしたら、ランチタイムに、とある参加者の方が、「いつも綺麗なことばかり言うよねって昨日言われたんだよね」と話していて。
なんか、これを聞いて、心がざわざわして。
「あ、これ、私もあるやつだ」
って思って。
もっと私の中に、予定調和じゃない、ドロっとしたやつあるよなって。
気づいてしまってね。
それで、ちょっと躊躇もしながら、もぞもぞしながら、完成させた歌詞がこちら。
結果ね、この歌詞にして本当に良かった。
何かが成仏された感じ。
高級車一台分(どんな高級車なのか、いくらくらいなのかはご想像にお任せします)のお金を使って、色々学んできた過去。ないものねだりしていた過去。
あんまり、人様の前で声高らかに伝えられるような立派な歌詞じゃない。
いや、むしろ、こんな事言ってしまうの、すごい恥ずかしいし、なさけないし、穴があったら入りたい・・・。
さらけだしすぎやろ、私。
って自分で突っ込みいれてしまう。
でも、それも私。
それがあるからこそ、それで痛い目にあったからこそ、
「光も影もぜんぶ 解き放っていこう!」
って清々しく歌えた。
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そして、また、未来の自分が、同じことを繰り返しそうになったら、この時の歌詞・歌を思い出したいと思う。
一生の宝物・お守りになった。
主催者のお2人、そして、場を共にしてくれた参加者の皆さんに、心から、心からありがとうを伝えたい。
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