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【世田谷の保存樹木が伐採②】近隣の声を聞きながら署名を集め、再検討を起案

代替わりのため保存樹木登録を知らぬ間に解除され、マンション建設によって伐採されようとしている大けやきの木(詳細はこちら)。近隣の方々はどのように思っているのか、同じような思いのある方がいらっしゃれば、その声はまとめて届けるしかない。とにかく急いで隣接区域・関係区域の方々を中心に、伐採翌日に意見を聞いて回りはじめました。

「え、あんな大きな木切られてしまうんですか?」

自分ではじめるのは初めてで、手探りではじめた署名活動でしたが「声を聞きたい」一心でとにかく動くことに。「樹木伐採の見直し、及び、住民説明会を求める署名」として署名用紙を急いで作り、夕方から回れるだけ回り始めました。顔見知りのご近所さんはほんの数件、ほとんどが初めてお話しさせてもらう方々ばかりでした。
「裏のマンション建設の件で、保存樹木が切られ始めたのですがご存知でしたか?」とインターホン越しに話しかけると、皆さん快く出てきてくれました。

隣接区域(10m)の方々はディベロッパーからの説明義務があるので、伐採については尋ねないと教えてくれないとか。「今日切られ始めてびっくりしちゃって」「保存樹木だから残されるのかと思ってました」と私同様、驚いた方も多くいらっしゃいました。

声の中には「長年、落葉で悩まされていました」という声を聞くことができました。これまで恩恵を受けてきた住民として「何も知らずに申し訳ありませんでした。知っていれば落ち葉集めなど、ご負担を少しでも軽くするためのお手伝いすることもできたのに、すみません」と、自分の配慮が足りなかったことをも後悔しました。

また、古くからお住まいの方は「小さい頃から当たり前にあった木なのになくなってしまうのは本当に寂しい」と残念な気持ちを吐露。また、「昔は小学校に入学すると苗木をもらって、みんなそれを庭に埋めたんですよ。だから桜の木が多いでしょう」など、とこれまで知らなかった町のエピソードもたくさん聞くことができたのも嬉しい収穫でした。

ストリートビューに残された伐採される前のけやきの姿。25mぐらいはあるだろうか。

4階建てマンションが建つことさえ知らない人も

関係区域(それ以外、わが家もここに入る)に至っては、知らない人がほとんど。3月初旬に「ご挨拶」と書かれた書面がポストインされていて、その中には「新築工事」のお知らせと簡単な平面図と完成予定図のみ。

解体工事も始まっているため何かが建設されることはご存じでしたが「え?4階建てマンションが建つんですか?」「建売住宅が建つのかと!」と、保存樹木が解体されることなんて知っている人は誰ひとりいませんでした。「知らせてくれてありがとう」「お力になれることがあれば」とみなさん、協力的に署名して下さいました。

こんな大きな樹木で、古くから街を見守ってきてくれた存在なのに、町の人が知らされないで第三者の手によって伐採が進められたことに憤りを感じてなりません。

保存、最低でも移設へと、計画の見直しを起案

とにかく急がなければ。その日に集まった署名だけでも夜中に、起案書と共に署名をメールで送り、翌日FAXを送りました。近隣住民に説明もせず、周知もされず。早くに知っていたら声をあげることができたのにいきなり伐採するなんて。

確認した担当者からは翌日の夜メールで「樹木の撤去を行わず、事業をすすめることが困難であるとの結論に至っておりますので、解体工事の進捗に合わせて順次撤去作業を行います。(中略)ご意向に沿えない結果となり恐縮ではございますが、ご理解賜りますようお願い申し上げます」との回答。

説明会の開催もしないつもりなのでしょうか。「世田谷区中高層建築物の建築に係る紛争の予防と調整に関する条例」には、「関係住民からの申し出があった時は説明会を開催しないといけない」と記載されています。これは条例違反だし、保存樹木だけのことではなく、マンション全体の建築に関わる説明をしてほしい。また、保存樹木に対してもどこまで検討したのか。検討したのであれば、困難であるに至った経緯の具体的エビデンスを見せて欲しい。伐採せざるを得ない材料を持ってきて欲しい。なんとか、今からでもできることをつくして、攻防を続けていきたいと思います。

とにかく切られてしまっては遅いので、その日中に送った起案書と署名用紙






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