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【読書会感想】やさしさって何だろう

 今月のテーマは「やさしさって何だろう」で、やさしさについて思い巡らせたところ、今の自分にしっくりくるのは、弱さや失敗や間違いを許すことではないかと思いました。

雨宮処凛『生きのびるための「失敗」入門』

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 今日もSNSでは、たった一度の失敗で誰かが大勢から「許せない」と叩かれている。
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 雨宮さんと7人(グループ含む)の大人が、失敗について語っている。この本を手に取ったきっかけは、私の好きな角幡雄介さんがそのうちの一人だったからだが、そのほかの方々もとても魅力的だった。劇団雌猫は、面白い文章を書く方だな!とブログで知っていて、私には、公私ともにベリーハードモードだった頃に、睡眠時間をさらに削ってあるマンガに逃げ込んでいた時期があり、その記憶とともに彼女たちのことも懐かしく覚えていた。東畑開人さんは『聞く技術聞いてもらう技術』著者の臨床心理士で、この日、数名の参加者がこの本を読んでいた。
 読書会ではあまり細部の紹介はできなかったが、私には第1章のあさのあつこさんの章が一番心に刺さっている。中学時代のエピソードや息子の言葉を書き著す、この人は本当に作家なんだと思う。

 今回のテーマの「やさしさ」から、相手を思い遣る、優しい人が損しているように見えることがある、相手を自分以上に思う献身、すぐ伝わる優しさと後から気づく優しさ、優しいふるまいのパターン化、といった言葉が参加者の方から出てきました。
 私は、この読書会では自分が学習支援のボランティアをしていることを毎回自己紹介で語っていて、自分のそういう面を前面に押し出して参加しているところがある。それもあって、やさしさを考えるとき、「支援」という言葉が脳裏をチラつく。『「止まない雨はない」より先にその傘をくれよ』という歌詞は、同じくボランティアをしている女性が教えてくれた。しばし自分の傘をさしかけることは出来ても、いつか腕が疲れてしまう。一緒に濡れても、どちらの体温も奪われる。凌げる屋根をみんなで作ってみんなで修繕しながら使うことは出来ないか。

 あまり詳細をここでは語れないけど、自分が追い詰められて手が出た話をいつの間にかしていて、そのことに後悔しているが自分が暴力加害の側に回ることがあることを知り、暴力する側の追い詰められ具合がわかった経験でもあった、とか自分が言ってて、安心して聞いてもらえる場だといろいろ言えていいなあと思った。

 という訳で、次回のテーマは「後悔」になりました。手が出たこともだし、ベリーハードモードだった頃にもいろいろ後悔がある。また自分はあの頃と同じ間違いを犯して同じことを後悔するのでは、といった呪いのようなものに閉じ込められて動けなくなったこともあります。次回はどんな本を選ぼうかな。

こちら、にしじまさんの記事です。