三重県南部って何があるの?

皆さんは「三重県の南部」という場所にどのようなイメージを持つだろうか。世界遺産にも登録された「伊勢神宮」あるいは「熊野古道」といった歴史を辿る旅もいいし、昨今話題となっている志摩スペイン村で遊ぶのもいいだろう。
 しかしここではあえてそういった観光地ではない「ただの港町」を紹介する。これらの港町はリアス海岸沿いに発達した漁師町がほとんどで、万人ウケする場所とは言いがたい。魚や海の香りが苦手だったらあまり楽しめないだろうし、高いところが苦手だったら展望台巡りは厳しい。

南伊勢町

 県外から三重県南部に行く場合、多くの人は近鉄特急あるいはJR特急を使う。しかし南伊勢町は近鉄も JRも通っていない。あるのは三重交通バスのみである。
 南伊勢町は東部の旧南勢町(中心地:五ヶ所)、西部の旧南島町(中心地:神前)に分かれる。それぞれの中心地までは伊勢市駅からバスで1時間。かなり不便な場所ではある。 

鵜倉園地

 南伊勢町を東西に走る国道260号。その途中に東宮というまちがある。そこから曲がりくねった道を登ること30分、すれ違いも難しいような道を走った先に、風光明媚な展望台がある。いくつかの展望台が集まる鵜倉園地である。
 駐車場のすぐ前にあるのがたちばな展望台。ここは「青夏 君に恋した30日」という映画のロケ地になっている。他にもかさらぎ展望台、見江島展望台、あけぼの展望台などいくつか展望台があり、恋人の聖地に指定されている。

展望台から見えるかさらぎ池がハート型に見えることから恋人の聖地に指定されている。

紀北町

 南伊勢町からさらに西に進むと、大紀町錦を通って紀北町長島に至る。ここにあるのが「長島ショッピー」というスーパーである。
 ただのスーパーと侮ることなかれ、ここは魚に関しては東海圏で一番といっても過言ではないほどの品揃えで、遠く名古屋からも多くの人が買い付けにくるほどである。ただ他の品物はお世辞にも品揃えが良いとは言えないので、天候不良などにより水揚げが少ないと買うものがなくなってしまう。

長島ショッピー

 また長島の南部には江ノ浦橋、江ノ浦大橋という2本の橋がある。江ノ浦橋は昇降橋で、現在は車両は通れない。車両は江ノ浦大橋というループ橋を通る。


江ノ浦橋

 紀北町は北部の旧長島町と南部の旧海山町が合併してできた町である。海山町には銚子川峡谷がある。銚子川にはダムがなく、上流部は生活排水の流入もないため、水が非常に澄んでいる。

銚子川峡谷

 さて、先ほど長島ショッピーの紹介をしたが、紀北町は漁業が盛んである。そのため、町内の旅館に泊まればほぼ確実に魚料理が出てくる。
 その中でおすすめのものをいくつか紹介する。

古里温泉 松島荘

 紀北町には宿泊施設が少ないが、紀伊長島の南にある古里地区には温泉が湧いているので温泉旅館が数軒ある。私が泊まったのは松島荘という宿で、しかも到着が遅かったので朝食のみだったが、干物の焼き魚が出てきた。

料理旅館 ささき

 南部の旧海山町にある旅館である。料理旅館とつくとおり旅館業とともに仕出なども行っているようで、夕食には刺身・焼き魚が両方でてきたし、朝食にもサンマと思しき魚が出てきた。

 今回は、一般的に旅行先として選べれづらい三重県南部の沿岸地域を紹介した。隠れた魅力がたくさんある南伊勢・東紀州を是非一度旅行してみてはいかかだろうか。

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