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レシピから自由になる為のレシピ。その1 「味見をする。」

「料理はてーげー」。沖縄の言葉で適当という意味らしいです。いかにも沖縄らしい言葉ですよね。沖縄のオバァが言ってくれたらホッとして癒されそうです。でも本当にそうだと思います。きっちり軽量してやるものじゃない。もちろん初めてやるときに急にそんなこといわれても困りますが、いつまでもレシピに頼ってるとなかなか料理ができるようにはならないですよね。
カーナビを頼りにばかりしていると、道が覚えられないのと一緒。このnoteでレシピ作りに挑戦してみてきましたが、ずっとこのことが芯にあって料理をうまく伝えられないジレンマがありました。ここで一丁レシピに頼らずに料理するにはどうすればいいのか、について書いていってみようと思ってます。
レシピから自由になると冷蔵庫の残り物で美味しいものがヒョヒョイっと作れるようになります。少しくらいの失敗でも軌道修正ができます。レシピは参考程度、アイデアをもらう程度のものとなり、アレンジも自由自在。そして、アナタの料理が手に入ります。アナタの味を、もっといえばアナタ自身に出会えます。
ともかく書いてみます。まとまらない危険性も大です。すいません。書いてみて後でまとめるという方法でやってみます。お付き合い頂けたら幸いです。

料理を始めた頃のズタボロblues。

ボクの料理歴はズタボロの傷だらけ。はじめは高校生男子あるあるのチャーハン作りからスタート。何度も何度も作っては食べた。やってれば納得いくような味にはなるもので、中華炒めやら、なんやら色々作り始め、そのうち実家を出て自炊でも色々試しながら料理をしてました。もちろん本やテレビの料理番組をかじりつくように観て作ってましたが、まったくやった事のない料理はやはり上手くはいかなかった。とくにフランス料理の本は全然ダメだったのを覚えています。ただただなんとなく憧れだけで買ったレシピ本。食べた事もない料理が作れるはずもありません。とはいえ好奇心旺盛なボクはきっちりレシピのお世話になりながら、毎日毎日スタコラセッセと料理に励むのでした。すっかり料理に魅せられたボクは料理人の道を夢見てある店の門を叩きます。ただただ憧れだけで歩きだした料理の道。そこにあったのはレシピ無き世界でした。わりと大きな店でそれぞれ焼場、煮場、揚場、刺し場というように分業制になっており、いわゆる小僧であるボクはまず焼場に。しかし、料理人をたくさん抱えたその店は、特に焼き専門という人が決まっているわけではなく、毎日のように師匠が変わり、決まったレシピがある訳でもなかったのでその日その日でやり方が違い、パニクったボクは毎日の緊張のあまり味見しても味がわからないというパニックぶりでございました。えぇ。
そんな毎日の味見の味がよみがえった日のことを書いた記事。一番いいねをいただいた記事。よかったらお読みくださいませ。

最初はレシピが必要です。

ということで、皆さんも最初はレシピもしくは教えてくれる人が必要ですよね。
まず、本当に始めたばかりの方と2段階目に入った方と分けて考えることが必要です。初心者の方はレシピをみて、とにかくやってみましょう。失敗をしてください。失敗した料理を食べることも後に振り返ると楽しいものです。料理は慣れですから、とにかくやることが大事です。失敗したときにどこがダメだったのか、それを踏まえて次はどうするのかを考えてもう一度チャレンジしましょう。
次の段階に入った方に向けて、レシピに頼らないなら何に頼るか、ふだんボクが自分に言い聞かせていることを箇条書きにしてみます。

1. 味見をする
2. 軽量をせずに毎回勘を磨くこと
3.料理は慣れ
4. 基準を決める
5.塩や火は入れすぎると戻せない
6. 火を見るな鍋を見ろ
7.自分の舌を信じる

今思いつくままに書いてみると7箇条ですね。一つひとつあたってみましょう。

1. 味見をする。

なんせ味見は大事です。とにかく味見しないことには美味しいかどうかもわかりません。最後の味見だけじゃないですよ。料理によっては途中途中つど味見をして進みます。
例えばパスタ。パスタを茹でるお湯も味見して、ソースを作ったら味見して、茹であがってソースと合わせて味見する。まずはアルデンテなんて気にせず味見しましょう。茹で湯はおすましより少し濃いくらいの塩加減。それを基準にしましょう。いつも味見します。パスタはおすましちょいくらいの塩加減で茹でて、ソースはこれくらいの塩加減だと上手くいくという事がだんだんわかってきます。パスタの場合茹であがったパスタとソースを合わせた時点でも味見ができるのでソースの段階では少し塩を抑えめにしておきましょう。
なにもプロじゃないんだから一発で塩を決めようとしなくてもいい。プロは毎日毎日何回も何十回もパスタを作るんです。つまり慣れてます。料理は慣れです。シェフは料理はできても釘は打てないかもしれません。大工さんは釘打ちに慣れてます。プロは慣れてるんだから当たり前なんです。
お湯1Lに対して塩何gというレシピもありますが、味見しましょう。体得することが大事です。体得してしまえば、いちいち計ったり、何グラムだっけ?と本を引っ張り出したりしなくていいので、楽です。そしてわかってくると自信がついてきます。自信がつくと「他の料理もやってみよかい」となってきて、さらに料理上手になっていきます。

例えば昆布鰹出汁で煮物でもしましょうか。大根とがんもとキノコでも。(出汁の取り方はコチラ↓↓)

あっさり煮るなら出汁と薄口しょうゆと酒11:1:0.5くらいで試してみてください。こっくり煮るなら濃口醤油で酒をみりんに変えて9:1:1くらいで(ちなみにどちらもサッと煮の割りです)。これを基準に食べてみて塩っぱかったらしょうゆの割りを減らせばいいし、足りなかったら足せばいい。この煮汁を作るときも味見です。これくらいの味の煮汁で煮るとこうなるとわかります。必ず毎度味見しているとこれくらいの味で11:1くらいかなとか、8:1:1くらいだなとわかってきます。そうなればもう自由です。味見しながら作ればいいだけです。
チャーハンでも炒め物でも味見しながら作ればいいんです。最初は上手くいかないかもしれませんが、絶対に感覚がわかってきます。
逆に言えば味見するチャンスがある
んです。味見ができない料理もあります。かたまりのお肉や魚に塩をして焼くような料理は味見ができません。味見をするチャンスのある料理は味見をどんどんしましょう!

味見こそがアナタの味を見つける為の道しるべ。


美味しいか美味しくないか、何かが足りないとしたら何を足したらもっと美味しくなるか、全て味見したその味の中に情報が詰まってます。そしてそれは、他の誰かの舌でなく、自分の味覚、自分自身との会話です。三つ星シェフが作ろうとアナタが美味しくないと思ったら、それは美味しくないんです。頭で情報を処理するのではなく、身体で感じながらアナタ自身を信じて料理をしましょう。レシピから離れると自分と出会えるんです。その為の第一歩は味見をすること。というお話でした。

次回は『計量せずに毎回勘を磨くこと』を書いてみようと思います。

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