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レシピから自由になる為のレシピ。その10「切る」。

みなさん見過ごしがちかと思いますが、「切る」も立派な調理のひとつです。当たり前ですよね?でも、料理の作り方を聞かれる時、どう切るのか聞かれたことがない。実はとっても大切です。今日は「切る」の解像度を上げてみようと思います。

包丁は動かすのです。

まずは包丁の使い方から。
研いでますか?なかなか研がないですよね?
包丁って細かーいノコギリのようになっていて、動かさないと切れません。押し切りでも分断はできますけど、切ってはないんですね。
動かしても研いでなければやっぱり切れないんです。グッとクローズアップしてみると「潰す」だったり、「ちぎる」というような状態になっていると思います。動かして切るということを少し意識してみてください。「切る」と「潰す」の違いは出来上がりに影響します。

と、いきなり細かい話になってしまいました。

包丁の大きさについても少し。包丁のサイズは切るものの大きさによります。大きいキャベツのようなものを切るときは大きい包丁。小さなプチトマトやイチゴのようなものを切るときは小さくて小回りのきく包丁が切りやすいですよ。


出来上がりのイメージをいつも心に。

切るから料理は始まります。とても大事な最初のステップ。どう切るかで歯触りや食感が変わります。
人参を千切りにするのと、さいの目(サイコロのように切る切り方)に切るのと、乱切りにするのとでは、まるで食感が違うのは想像できます。千切りでもマッチ棒くらいと針のように細く切るのとでは違うし、さいの目でも5mm角と1cm角では歯触りがまるで違いますね。どう調理して、どんな風に食べるのか、がイメージできてないと切るのは難しいです。
生で食べるのか、炒めるのか、煮るのか、どれくらい火を通すのか、他の食材との兼ね合いもあります。切るには理由があるんです。難しいですか?難しいですよね。

んじゃどうすりゃいいの?

では何から始めればいいかと言いますと、大体同じ大きさに切るという事から始めるといいと思います。
なぜかと言うと火を入れるのだったら、同じ大きさじゃないと火の通り加減がバラバラになってしまうからです。大きく切れたものはまだ生で、薄く切れたものはトロトロになんて事にもなってしまいます。火を入れないで食べるものも、食感がバラバラだと具合が悪いです。まずは包丁を動かして、大体同じ大きさに切る事から始めるといいかと思います。

ボクらはお箸を使うのだ。

ボクらの国の料理は、お箸で食べるのを前提にして料理が成り立っています。例えばお肉を塊で焼いても切ってから盛り付けになります。どう切ったら食べる人が食べやすいか、美味しいか、を考えるんです。素敵な考え方だと思いません?
料理は食べる人のことを考えて作るんです。
たとえば幼い子や、年老いて歯が弱くなったお年寄りには柔らかく料理します。もちろん自分自身にも、その心遣いは向いてます。
「料理は愛情!」と昔、料理家の結城先生がよく言っていましたが、こうゆう事なんだと思います。

お箸で食べるものは基本的に、一口大以上に大きいサイズには切らないです。だいたい3cmくらいでしょうか。
おでんの大根なんて大きく切ってありますが、お箸で簡単に割れるくらいに柔らかく煮るのが前提になってます。

「切る」をテーマに書き出したら、まだまだ書いておきたい事が色々出てきました。長くなりそうなので次回にします!どうぞお付き合いくださいませ。

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