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レシピから自由になる為のレシピ。その3 「料理は慣れ。」

料理は解ってしまえばシンプルです。いくらでも難しくもできるけど、日常的な料理はシンプルが1番。
ボクの世代の幼少期って家庭でポークチャップやらグラタン、ハンバーグ、カレー、コロッケやら、今考えると日本的洋食が家庭にドッと押し寄せてた時代なんじゃないかと思われます。パスタなんて言ってなかったですね。スパゲッティ。家庭ではナポリタンかミートソース。いまではコンビニでも色んなパスタが冷凍食品でも弁当でも並んでいます。
家でも色んな料理を食べるようになりました。でも、ばあちゃんの家にたまに招かれて食べる食事は本当にシンプルだった。ごはんに味噌汁、煮物と漬物。ハンバーグやポークチャップに慣れていたその頃のボクは、ばあちゃんの家の夕食に行くのは嫌だったけど、今思えばそこには日本の食卓がまだ残っていて、実に地に足がついた生きた食事だったんだなぁと思う。

料理は慣れ。

という訳で今回は料理なんて慣れですよという事について書いていきたいと思います。

ボクが最初に入った料理屋はわりと大きい店でした。地元の魚を使った魚介専門の料理屋でしたが、惣菜事業もやっていて地魚では賄いきれず結局他からも大量に仕入れていました。冷蔵庫も大きなプレハブ建てが2つほどありました。それほど大きな店だと魚をおろす専門のパートさんもたくさんいました。職人さんも10数人ほどいましたが、毎日数百匹と魚をおろしてばかりいるパートさんのほうが、比較にならないほど早く正確に魚をおろしていました。パートさんのほうが圧倒的に慣れていた訳です。数をこなしたもん勝ちです。イタリアンのお店の人はパスタを何百何千と作っているのでパスタを作るのが断然上手いです。つまり料理がうまい人は料理をバカみたいに何時間もやってきた人です。

味見をして、軽量せずに味付けをするのも慣れです。やっていれば絶対にわかってきます。慣れるまでは難しいかもしれないけど、ただ時間と経験を重ねていけば出来るようなります。料理に限った話じゃないですね。なんでもやった数が多い人ほど出来るようになるはずです。釘打ちは大工さんに勝てないし、庭木を整えるのは植木屋さんには敵わない。だからやるだけ。料理の数をこなすだけで料理は出来るようになれます。逆にいえば、どんなに勉強したって経験数を重ねた人には敵わないという訳です。

10000万時間の法則というのを聞いたことがありますか?10000時間一つのことをやれば100人に1人の人材になれるという法則。100人に1人くらいの料理名人にまでならなくてもいいと思いますが、何をやるにしても時間は必要であるという事。食べることは一生ついて回りますから、自分の世話ができる(男性も料理のスキルくらいは持ちましょう)くらいはやってみませんか?ただやってれば出来るようになるんですから。

誰かのせい?

先日Twitterで「カブはいい塩で塩もみしただけで美味しいと聞いて、友達にもらったいい岩塩があるのを思い出してやってみたけど、塩の粒が大きくて溶けない。料理下手もいるんだからそういう事もちゃんと伝えて欲しい」というツイートを見ました。ミル(胡椒などを挽く道具)に入れて使うほどの粒の大きな岩塩をそのまま入れてしまったようです。でも、考えてみてくださいよ。次はもう同じ間違いはしませんよね?失敗は経験値をさらにジャンプアップさせてくれます。だったら良かったじゃないですか。人が言っていたのを鵜呑みにして、自分ではまるっきり考えず、料理下手もいるんだからって、、そんなこと言ってたら何をやってもうまくいきません。やりましょう!何でもやり続けることで上手になります。
味見して、軽量せずに料理することに慣れてきた頃アナタは自分の料理を手にすると同時に、生きる自信と誇りを手にしていることでしょう。

さて、次回は料理本からレシピを抜き出して、レシピの行間にある美味しくするためのコツや秘密を掘りおこしてみたいと思います。

皆さま良いお年を。



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