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ブッチ
2021年1月21日 19:05
ある春の日のこと。今はもういないボクのばあちゃんが、遠い北海道からやってきていた。とても素敵な人だった。すごく小さくて、笑っても怒ってもかわいい人だった。父が運転する車の後部座席で、ボクは大好きなばあちゃんと座って、車窓を流れる景色を二人で眺めていた。寒くて縮こまるような冬のエネルギーから解放された花々が、陽の光を浴びてのびのびと、でも控えめに咲いていた。「綺麗だねぇ」ばあちゃんは言った。