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呪いの言葉

私にとって呪いの言葉となったものは
「デブ」と「ブス」でした。


姉からずっとそう言われていた。


小さい頃、確かに多少ぽちゃっとはしていたけれど「デブ」と言うほどでもなかった。身長もわりと早めに伸びたので余計にそう見えなかったのもあるかもしれない。


小学生で163センチ、体重は51キロくらいだったような気がする。身長はそこで止まった。


それ以降も50キロ前後が多く、一時格闘技をやっていた都合で60キロ近くなったこともあったけれど、標準体重範囲内におさまっていた。


もちろんそれは今でも継続中だけれど、脂肪で体格が良いというよりは骨の都合。我ながら立派な骨をしているし、フレームもガッチリ。肩幅も広いし首も太め。でも太っているとかデブとかの類いではない。


洋服もMやLを普通に着れる範囲内にずっといるし、着れなくて困るとかもない。


対して姉はずっと太っている。


出産の兼ね合いで一時的に痩せた姿は見たけれど、数年前親族の葬儀で喪服が入らず苦戦し慌てて購入に走ったほど。サイズは賛否両論あると思うので伏せるが、私よりも3サイズ上が入らなかったくらいの状態。


なのに、彼女の目には未だに私は「デブ」として写っている。そこまでハッキリとサイズが違うとわかってもなお、自分はスレンダーで私はデブと言うほどのある意味特種な目をもつ人。


ブスに関しては各自違う審美眼があるので何とも言えないけれど、少なくともそう異性から言われたこともなければお付き合いを申し込まれたことがないとかいうわけでもない。


多分、それなり。
少なくともそれなりに小綺麗にはしてる。


でもそれも、自称「絶世の美女」の姉からすると私はめっちゃブスらしい。 


ある意味物凄い都合のいいフィルターがあるのだろうけど、そこまで自尊心が高いことは凄いと純粋に思う。


自分を某美人俳優に似ていると言っていたけれど、種族がメスとか目が2つあるとかくらいしか私には共通項は見つけられなかった。



しかし、この姉の呪いの言葉と言うのはなかなか頑固に染み付いていた。本当にようやく。最近。やっとそれが抜けたかなとは思える。それくらい物凄くしつこかった。


刷り込み教育みたいなものですよね。
ずーっとそう言われていたから、深層心理的にも自分はそうなんだと思い込んでいた。


あれ?違う?と気づけたのは娘を生んでから。娘に可愛い可愛いと言い続け、娘もママ可愛いよって言うようになってきてからかもしれない。


もちろん我が子の言葉なので真正面から受け取っているつもりはないけれど、それでも娘の言葉が自己肯定感をあげてくれたのは間違いない。


息子も可愛い可愛いと言い続けたら


俺は男の子だからカッコいいがいいの!
母ちゃん女の子だから可愛いよ。


と言うようになった。今は言ってくれないけれど、それでも「まぁキレイな方なんじゃない」ってぶっきらぼうには言ってくれる。これまた爆上がりする。


今でこそ、そんな言葉を気にせずもっと自由になれば良かったのにとは思える。それでも刷り込みの影響は非常に強い。


小さい頃に傷ついた言葉は本当に残りやすい。身近な存在が言っていたのであればなおのこと。


私は末っ子なので、どうしても上2人の言葉は強く感じてしまいます。今となれば彼らは年齢が上なだけであって、人間としての経験値は私の方があると自信を持って言えるのだけれど。


呪いの言葉は、解けるのに時間がかかります。ずっとそんな言葉に縛られるような、そんな生活はしたくないと今なら思える。


ある意味それがあったからこそ努力して体型を維持したり、化粧や身なりを整えたりすることができたのかもしれないけれど。


もっともっと自分に自信が持てていたら、もっと違う経験もできたのかもしれないなと思います。

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