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心のバンドエイド③ 〜心配性な子がケガをしたら〜

どのクラスにも、心配性な子が何人か入るはずです。

すぐ先生の近くに来る。
用もないのに保健室に行きたがる。
よく頭が痛くなる。
特定の友達といつも一緒じゃないと不安。
授業中に頻繁にトイレに行く。
説明が伝わっているはずなのに、何度も確認してくる。

普段からこんな様子が見られたら。
心配のサインです。

どこか、普段の生活に不安やストレスを抱えていることが考えられます。
心のバンドエイドが必要です。

心のバンドエイドについては下の記事にもまとめました。ぜひ読んでいただけたらと思います。


普段から不安を抱えているので、ケガをしたら痛いし心配だし、さらに不安定になります。

そこで今日は、転んでケガをした時にほめることで安心してもらう方法について考えていきます。


転んでケガをして、凹む。低学年から中学年までによくあります。今回は、中学年を想定して話を進めていきます。

結論は、「ケガをしたのにほめる」です。気持ちを受け止めながら、とにかくほめます。それが、痛いという負の気持ちや不安な気持ちを和らげていきます。

ケガをして心も体もマイナスな状態なのにほめる!??一体どうやって?
では順に見ていきましょう!


泣かなかったことをほめる

S:先生〜、転んでケガした〜。
T:あらあら、痛かったね〜。
S:痛かった〜。
T:え!でも、泣いてないじゃん。
S:だってもう3年生だもん。(ちょっと誇らしげに)
T:さすが、3年生!

痛かったら泣いてもらって全然いいんですよ。でも、こうやって、確かに成長しているという小さな芽を見つけて手渡していくことが、自己肯定感の向上や安心感に繋がっていきます。


上手に転んだことをほめる

T:手はつけたかな?
S:ついたと思うけど・・・。
T:見してごらん。ケガはしてないけど、左手にすった跡があるね。ちゃんと手がつけたんだね。だからひざはこれくらい軽い擦り傷で済んだんだね。上手に転んだね。
S:えへへ。

ケガをしてまさかほめられるなんて思っていなかった子は、面食らって喜びます。ユーモアを使った声かけ「上手に転んだね」おすすめです。


傷口が洗えたことをほめる

①すでに洗っていた場合

T:傷口は洗ったかな?
S:うん洗ったよ。
T:言われる前に自分でできたなんてえらい!

②洗っていなかった場合

T:傷口は洗ったかな?
S:まだだよ。
T:バイキンが入らないように水洗いしておいで、痛いけどがんばってね。
S:うん!
(洗いに行く)
T:お、土や砂が全然残ってない。先生が洗ったみたいにきれいに洗えたね!

どちらの場合も、ほめるポイントがあります。小さなほめポイントを探しましょう。


心のバンドエイドをはる

バンドエイドを貼る場面については下の心のバンドエイド①に詳しく書きましたのでぜひ併せてお読みください。低学年・中学年には必須の考え方だと思います。もちろん高学年も喜びます。


ケガを報告ができたことをほめる

T:ちゃんとケガをしたことを教えてくれてありがとう。教えてくれたおかげでちゃんと手当てができて安心したよこれからも、ケガしたら教えてね。
S:うん。

「こんなこと言ったら、毎日のように報告に来るんじゃないの?だってあの子普段から頭痛い頭痛いって保健室に行ってばかりいるんだから」こんな心配をされる方もいるかもしれませんが、そんな事はありません。

初めは、高頻度で報告に来ます。その度にちゃんと受け止めて対応していれば、だんだん、いつでもちゃんと受け止めてもらえるんだということが伝わり、頻度が減っていきます。

S:先生、ノートで指切っちゃった〜
T:そりゃ痛いやつだね〜。見してごらん。
S:だいじょうぶ〜

次第に、こんな反応になっていきます。

まとめ

①泣かなかったことをほめる
②上手に転んだことをほめる
③傷口が洗えたことをほめる
④心のバンドエイドを貼る
⑤ケガの報告ができたことをほめる

ポイントは、マイナスの時こそ、その中からプラスの芽を見つけて伝えていくという姿勢です。教師がそんな姿勢でいれば、子どもたちはどんな場面でも安心してチャレンジし、失敗することができます。

学習場面で、ケンカトラブルの場面でこの考え方を転用していただけたらと思います。不安を抱える子どもたちが、少しでも安心して過ごせますように。



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