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大学院の入試当日

筆記試験は9月22日(土)に行われました。試験は10時から。集合は15分前の9時45分までです。朝6時に目覚ましをセットしておいたのですが、なぜか鳴りません。気がついて飛び起きたら時計の針は7時25分を指しています。7時前に家を出ていないと試験には間に合いません。「まずい、遅刻だ!」と思いましたが、選りによって何でこんな大事な日に目覚ましが鳴らないのでしょう。恨めしくなりました。

でも、そこでもう一度時計を見ました。なんと5時35分でした。文字盤式の時計だったので長針と短針を見間違えていたのです。朝から大失敗。ほっとすると同時に試験は大丈夫かとちょっと不安になりました。それに飛び起きたときにサイドテーブルで頭をぶつけてしまい縁起の悪さも感じました。

午前の試験は外国語で10時から11時半だったと思います。私が試験会場の教室に入るとすでに何人かの受験者が席についていました。一般受験なので学部卒の人が多いですが、私と同じくらいの年齢の人もいます。みんな問題集などを眺めています。私は「今さらやっても」と思い、目をつぶって心を落ち着けていました。

試験が始まりました。ところどころ空席があります。受験を辞退する人もいるようです。問題用紙を見ると予想通り昨年と同じ形式の読解問題が出題されています。英語の長文問題が2題出ています。やはり内容は教育に関するものです。まずまずの出来だったと思います。

午後は専門科目の試験です。13時から始まりました。こちらも昨年と同様に論述問題と用語の解説問題です。全専攻共通の問題と教育学専攻向けの問題があります。半年間の集中学習で覚えたものが多数出ています。思わず「やった!」と思いました。それぞれの問題には自分が知るうる限りのことを書きました。こうして筆記試験は無事に終わりました。

結果発表は3日後の25日です。掲示版に受験番号が発表されます。大丈夫だとは思いながらも掲示板に近づくにつれて不安な気持ちも出てきました。結果は合格でした。抜けている番号があったので不合格の人もいたようですがそれほど多くありませんでした。やはり学部の入試とは異なるようです。

2次試験の面接は5日後の10月1日(火)に行われました。私の面接は9時30分に設定されていましたので9時過ぎに行きました。前の人が終わるまで廊下で待っていましたが、部屋の中から声が漏れ聞こえてきます。

私の番がきました。部屋に入ると正面に先生が3人座っています。男性が二人、女性が一人でした。男性一人は私が専門分野として選んだ比較教育学の先生です。同年度で定年退職されることになっており、他の大学から後任の先生が来られます。私は暮れにその先生の大学を訪問しお会いしていました。

面接では大学院で研究したいこと、同大学院を選んだ理由、それまでの経験、教員をしてきて感じたことなどごく一般的なことを聞かれました。難しい質問もなく私はリラックスして答えることができました。お一人からの質問が印象に残っています。それは英語の論文をどれくらいの速さで読めるかという質問でした。「15分で10ページくらい読めますか?」と聞かれたように記憶しています。私はすぐに「はい読めます」と答えました。もちろんその時の私はとてもそんな速さでは読めません。先生たちが私の返答を信じたかどうかはわかりませんが、私は大学院では英語の論文をそれくらいの速さで読めなくてはいけないということを知りました。

面接は20分ほどで終わりました。帰り道ふと自分が生徒たちに面接指導をしていたときのことを思い出しました。あのとき生徒たちにアドバイスしていたことをその日は自分が実践する立場でした。

結果は翌日に発表され、私は掲示板に自分の受験番号を無事見つけることができました。事務所で合格通知書を受け取った時は「やっと終わった」とほっとしました。その年は息子も大学受験でした。息子には一足先に受け取った合格通知を見せびらかしたことを覚えています。


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