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星野富弘さんを偲んで:カーネギーホールでのコンサート

星野富弘さんが亡くなられました。事故でからだの自由を失いながらも口に絵筆をくわえて絵画や詩の創作活動を続けておられました。星野さんの作品は私も大好きで、逆境にもめげないその生き方に元気づけられました。30年以上前に群馬県みどり市にある「富弘美術館」を訪れたことがきっかけで星野さんの歌をニューヨークのカーネギーホールで歌うことができたのも貴重な経験でした。

そのことを書いた以前の記事をリライトして星野さんを偲びたいと思います。

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私がニューヨークのカーネギーホールで歌ったのは1994年の9月12日でした。「花の詩画集」で知られる星野富弘さんの詩画展がニューヨークで開催されるのを記念して行われた合唱コンサートに参加したのです。きっかけは群馬県にある「富弘美術館」を訪れたとき、ニューヨークコンサートの団員を公募するパンフレットを手にしたことです。私のような素人がカーネギーホールで歌えるチャンスなどまずありえないと思い参加することにしました。

演奏するのは星野さんの詩に作曲家の杉本龍之さんが曲を付けた合唱組曲「一粒の種のように」と「故郷の道」です。指揮も杉本氏が行いました。「鈴の鳴る道コンサート」と呼ばれた企画には全国からの公募で集まった一般参加者とプロのソリストおよび現地の合唱団が参加し総勢100人以上が集まりました。日本では事前に数回の練習を行いました。

コンサートは1回限りです。ツアーには星野さんも同行する予定でしたがは体調を崩されて奥様だけが行かれました。コンサートは大盛況でした。会場は満席で演奏後は万雷の拍手をもらいました。歌い終わった時は感動で私は思わず泣いてしまいました。学生時代から合唱をやっていた私ですがステージの上で泣いたのは初めてです。

貴重な体験をすることができたのは星野さんのお陰です。
謹んで星野さんのご冥福をお祈りいたします。


コンサート当日


余談ですが、コンサートの前日(9月11日)世界貿易センタービルを訪れました。7年後の同じ日にあんな事件が起きるなど想像すらしませんでした。同時多発テロで亡くなった方々のご冥福も心からお祈りいたします。

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