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修士課程から博士課程へ

【修士課程編の続編を書いていきます。すべて個人の体験です】

修士課程を修了した私はそのまま博士課程に進学しました。
修士課程に入学したときは博士課程への進学はまったく考えていませんでした。大学院生活がどのようなものになるかわかりませんでしたし、修士課程だって無事に修了できるかどうかわからなかったからです。

でも、修論を無事に提出できたとき私は博士課程に進学しようと決意しました。修論を完成させた私は大きな充足感を味わっていました。達成感もありました。2年間研究を続けてきてその面白さを存分に味わいました。こんなに面白いことをここで終わらせてはもったいないというのが正直な気持ちです。だから博士課程に進もうと決めました。あれほど苦痛だった文献講読もそのときは楽しく感じるようになっていました。

私は指導教授に博士課程に進学したいと伝えました。教授は「いいですよ。頑張ってください」と言ってすんなり了承してくれました。出願締め切りは3週間後に迫っていました。入試までの期間もほとんどありません。私はさっそく入試要項を事務所でもらい、必要書類を集め始めました。

試験は修士課程と同じく筆記と面接で行われます。修士の時のように入学センターで過去問をコピーしてきました。筆記試験には英語と資料解読がありますが、資料解読は修士課程で培った力が発揮できます。「任せて!」という気持ちでした。

過去問は入手しましたが、試験まで時間がなかったこともあり入試に向けた勉強はほとんどしませんでした。何となく「落ちる」気がしなかったのです。指導教授が「オーケー」を出したらそれは落ちないということなのだと勝手に思っていました。

試験は2月に行われました。午前中は筆記試験、午後は口述試験(面接)です。当日はとても寒い日でした。試験会場の教室には十数名の人がすでに座席についていました。同じゼミからも同期の若い男性が一人受験していました。彼とは席が離れていたので、軽く言葉を交わしただけで自分の席に着き試験開始を待ちました。ゼミでは気軽に話をする仲ですが試験会場はそういう雰囲気ではありませんでした。

筆記試験は英語の読解と資料の解読です。英語の読解は400語ほどの英文を要約する問題が1問と、600語ほどの英文を読んで問いに答える問題の2題でした。それほど長い英文でもないし難解でもありません。

資料解読は教育に関する短い英文を日本語に訳す問題が1問と、比較的長めの英文を読んで指摘された部分を日本語に訳す問題および英文に出てくる「学習形態」について日本語で論じる問いの2問が設定されていました。いずれの問題にも自分の知識を総動員して答えました。まずまずのできだったと思います。

筆記試験はもっと手ごわい問題を覚悟していたのでいささか拍子抜けがしました。

午後の口述試験は指導教授を含めて3人の先生が面接することになっていましたが、部屋に入ると2人しかいません。指導教授と修士の時からお世話になっている他の研究室の教授です。もう一人はどうされたのかなと思いましたが面接はそのまま行われました。面接というより雑談のような雰囲気でした。終わって部屋を出るとき女性教授が足早に駆け込んできました。もう一人の面接官だったようです。厳しい指導で知られるお局様的な教授です。彼女のような先生でも遅刻することを知り何だかほっとした気分になったことを記憶しています。

合格発表は翌日でした。あまりにスピーディなので驚きましたが無事に合格しました。ちゃんと採点されているのかなと思ってしまいましたが、不合格者もいたので行われてたのでしょう。受験する人が少なので翌日の発表も可能なのだと思いました。

入学式は4月1日の午前中に行われましたが欠席しました。修士課程の時とほとんど同じだろうと思ったからです。修士の時は保護者と間違えられた私です。今回も参加していたらまた保護者扱いされていたと思います。何しろ前回より2歳年を重ねているのですから。入学式は欠席しましたが午後のガイダンスは参加しました。

こうして私の博士課程の日々がスタートしました。

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