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オレンジ「6」青のシャボン玉編「改正版」

20歳 ぽっかりと穴が空いたように
いつも何かに傷つき生きづらさを感じていた。
そんな時ある雑誌の記事に青いイルカの口から
シャボン玉を出すという伝説の島があると
書いていた。
「行ってみたい」と心が叫んだ。
どこにあるかわからない
でも‥「行ってみたい」と思った。
有休届けを会社に提出し何日か休みをもらい
荷物をカバンに詰めて
バス停に向かった。
いつもと変わらない風景
いつもの道を歩いていると思っていた。
バス停に着きバスを待っていた。
バスが停車し すると「青行き」と書いている
私は、「青行き?」
でも‥私はこのバスが気になった。
まわりは、海に囲まれている。
私が住んでいる町は、漁師町 潮の香りが
風に乗ってやってくる。
バスに乗るとお客さんは私1人だ
席に座ってバスが動きだした。
窓を開けると波の音が聴こえる
青い空波の音まるでBGMのようだ。
私は、ウトウト眠ってしまった。
どのくらいの時間がたったのだろう
「お客さーん着きましたよー」
目をこすりながら目を覚ました。
運転手さんの姿が見えない。
バスを降りると足元は白い砂浜
前は海「気持ちいいー」
砂浜に寝転んだ。
すると ザバーンと海から真っ青なイルカの姿が見える。
とても美しい真っ青なイルカ
突然でびっくりしたが私は「綺麗」と
声に出していた。
イルカが私のほうをチラッと見たような気がした。「まさかね」ふふと笑った。
するとイルカの口からシャボン玉が出てきた。
まるで一枚一枚の写真のように
思い出が蘇ってくる。
私は、涙が溢れて止まらなくなっていた。
辛かった事悲しかった事嬉しかった事
切なかった事楽しかった事
シャボン玉が私に伝えてくれる。
少しずつ少しずつ
心が軽くなっていく。
私は、「この島に来て良かった ありがとう
イルカさん」
自分を愛せるような気持ちになった。
そして人にも優しくなれるような
そんな島に出会えた。
真っ青な美しいイルカに出会えた
「ありがとう」ともう一度
イルカに言うと
こっちを見て微笑んだように見えた。

家に帰ってイルカの話しをしても
誰も信じないだろうなぁとクスッと笑った。


続く


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