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Agile Japan2023に登壇して思った事をツラツラと

 アジャイルジャパン2023に登壇してきました。今回のイベントは色々考える機会になった為、散文ですが、記しておこうと思います。自分のために書いているので、中身のぐちゃぐちゃ感はご容赦下さい。


クロージングキーノートでの衝撃

 クロージングノートは、アヴィさんとJJサザーランドさんの講演でしたが、衝撃を受けました。

 震災の際の日本人の動きはすごかった。他の国では政府が動いてくれるのを待つところ、当事者やボランティアの方々協力して、自発的に動いていた。そういった他者をリスペクトして自己組織的に自ら動ける民族はほとんどいない。ただ、そういった民族が仕事においては、自分から動かずにビジネス上凋落していくのはなぜだか分からない。

 皆さんはなぜだと思うか?

日本でScrum.inc作った時に、「日本は変えられるか?」と聞かれたがその答えは分からない。ただ、チャレンジすることはできる。それだけだ。
 なぜ、自ら動かないのか?動くのは今しかない。

クロージングキーノートより

 今回この記事を書こうと思ったのは、このクロージングノートの話を聞いたからです。
 私は実名でブログやっており、会社も調べればわかってしまう状態なので、意図的に強い想いや意見は、そんなに書かないようにしているのですが、今現在、組織作ってちょうど1.5年で、勝手に任期で置いている3年ジャーニーの折り返しということもあり、今考えている事をフラットに書き残しておきます。

「なぜだと思うか?」

という問いに対して、自分が現時点で出した答えとしては、「挑戦できてないのでは?」という点と「仲間とのコラボレーションができていないのでは?(リスペクトができていない?)」という点です。
 この「挑戦について」・「仲間とのコラボレーション/リスペクトについて」思った事を書いていきます。

挑戦について

①.挑戦するための知識

 会社入って20年程度たちますが、その都度その都度で目の前に問題があり、自然と挑戦し続けていた気がしています。私はわりと大きなプロジェクトを担当することが多かったので、数年単位でプロジェクトをクリアしてはまた新しい部署でプロジェクトを進めるといった形で今に至っています。システムスキルだったり、業務スキルだったり、PMBOKやCMMIだったり、MBA系の知識だったり、その時々に必要なスキルを身につけながら業務を進めていました。

 ここ数年はクラウドやアジャイル、デザイン思考や仮説検証といった知識を学んでいますが、VUCAと言われる時代やソフトウェアが経営のコアになる時代になり、昔より、必要とされるスキルが変わってきて、業務だけやっていては中々歯が立たない形になったと感じています。

 「挑戦」と言うとメンタリティが重要なイメージがありますが、一定部分は知識やスキル自体がメンタリティを形作ると感じている所があり、『知識不足が挑戦不足と近似する』ということがあると考えています。
 現代のビジネスのコアとなっている「ソフトウェアやプロダクトに関する知識に関して、そういった知識が強い領域は挑戦している領域、知識がない領域が挑戦できていないと見えているだけでは?」と考えています。いわゆるJTCと言われる企業ではソフトウェア領域は割とヒエラルキーの下に見られている所が多く、それらの知識がJTCでは相対的に低いのでは?と感じています。
 JTCでしっかりやっていけている人は本当に頭の良い人が多いですし、現状は方向性が合致していなそうですが、勉強自体はとても勤勉な方が多いので、このリスキリングの波の中でどこかでキャッチアップしてくれないか?と祈っていますし、そうなるように働きかけていければJTCも大きく盛り返していくのでは?と願っています。

②.OUTPUTや登壇について

 デザイン思考、仮説検証、アジャイル、DevOps等、必要なスキルが変わってきている事については、知識をINPUTしてOUTPUTするといった活動がますます重要になっていると考えています。(そういう活動をしている方が上手くいっていそうに見える) そのため、今年は色々と発信活動をしてきました。その中で感じたことをツラツラと書いていきます。

<ブログについて>
 一時期、コミュニティ等の情報をもとにブログを書きまくっていたことがありました。最近、ブログの量が減ってますが、INPUTやOUTPUTするためには一定の集中が必要となりますが、その集中力が減っている事が大きな原因です。登壇がひっきりなしである事と、業務も増えてきた事が集中力を奪う要因になってました。
 ただ、登壇や業務が忙しいというわけでなく『その時、作業するわけではないのに、頭の中に何となくいることで気になってしまい集中を奪っていた』と感じています。目の前のイベントよりも未来の事象が気になって目の前のことに集中できていませんでした。これは無駄だなと感じています。逆に目の前のことに強制的に集中することが、よりリズムを作れるのではないか?とも思っていて、また少しブログの量を増やしたり、頭で浮かんできたことを脇に置いておけるように、個人のタスク管理をもう少し考えてみようと思いました。(最近AsanaでのDaily管理をサボっていた・・・)

<アジャイルジャパン登壇について>

 今回のアジャイルジャパンでは登壇の後、嬉しいことに何名かの初対面の方から「とても良かった」という感想を直に言っていただくことが出来ました。ありがとうございます。

 資料のP43に今回の登壇に向けた仮説キャンバスを書いていますが、大企業で苦戦している人に向けての共感に寄せて発表したためだと思ってます。一定狙い通りではあったものの、moriyuyaさんや市谷さんのような深みのある「問い」を出せている訳でないため、砥いでいきたいですし、学習を重ねたいと感じました。
 今回は、私自身の「想い」ベースで、無理やり押し切ったことも有り、発表が、ものすごく疲れました・・・。ただ、想いを伝える発表がちょっとでも出来たことは良い経験でした。

 今回は、市谷さんの登壇の直後だったのもあり、市谷さんの内容とコンテキストがかぶっている部分が伝わりが良かったのではないか?といったラッキーもあったと感じています。
 キャンバスについて、安易な整合で終わらせずに、もう少し立体的に整合させることを目指せるとより良い発表ができるのではと考えています。(きっとプロダクト開発がうまくなる事にもつながる)

 ただ、市谷さんから、次の世代として後押ししてもらった事や発表の後、隣に座っていた小林さん(2017年Agile Japan登壇)から久しぶりにAgile Japanに来てみたら、次の世代が育っていて嬉しいといった声をかけてもらったのは大変うれしく、、それを糧に更なる挑戦をしたいと思いました。

③.その他の挑戦

 この記事をここまで書いて感じたのは、私がしたい挑戦は「知識やスキル」に根差しているということでした。

 具体的にはSECIモデルの回転を意図的に起こし、更に、フラクタルに起こしたいんだと思いました。

 会社では私の活動は、ほとんど認知されていないのが現状ですが、「チームでのSECIモデルの回転」と「会社SECIモデルの回転」、「会社を超えた社外コミュニティとしてのSECIモデルの回転」を組み合わせることで、何らか変革が出来ないか画策していきたいというのが現在やりたいテーマであり、挑戦だなと改めて感じました。

仲間とのコラボレーション/リスペクトについてついて

①.アジャイルジャパンでの出会いで感じたこと

 今年はAgileや技術の学習のため、色々なイベントに参加したり、スクラムフェスや社外研修に参加したり登壇したりして、色々な方に出会うことが出来ました。そうなると、良く出会う人は重複していくのですが、Agile Japanでは普段のコミュニティではあまり接することが出来ないいわゆるJTCミドル層(自分と同じ層)に多く出会うことが出来たと感じました。

 ただ、この事には違和感を感じていて、同じアジャイルでも参加者の断絶があるのは何故か?ということが気になっています。

 最初の問いに戻ると、JTC的な企業とAgileなスタートアップが混じり合って、『異なる他者をリスペクトして自己組織的に動ける』という雰囲気が生まれたら日本も良くなるなーと思っていて、そんな世界をJTC側から働きかけていけるといいなーと思っています。
 

②.コミュニティとの関り

 社内・社外のコミュニティについては、非常に可能性を感じています。
 コミュニティは会社では得られないスキルや知識を学ぶ媒体としてとても良いと思いますし、仮想的な「組織」としても色々体験できるので、ここでの色々な組織体験は必ず、上記良い世界観につながると確信しています。ただ、上記した通り、意外に社外コミュニティ同士の中でも、断絶が発生しているなとも感じています。

Ⅰ.Agile界隈のコミュニティ
 RSGTや地方スクラムフェスを中心にそういった参加者の常連を中心に学習するコミュニティがいくつかあります。Agileに興味が強いゾーンに学習意欲が高い方が多い事も重なり、コアなコミュニティから裾野がかなり広がっています。

Ⅱ.先進企業中心の技術コミュニティ
 スタートアップやWeb企業中心に学習や採用、宣伝等を兼ねて技術を中心としたコミュニティが多くあり、日々勉強会等が開かれています。Web系の技術が好きな人が独自で開いているコミュニティも多数あります。

Ⅲ.大企業のユーザー会や企業連合のコミュニティ
 比較的JTCっぽい企業を中心とした、コミュニティが開かれています。企業の育成/宣伝の取り組みとして実施しており、歴史のあるコミュニティが多く、過去から脈々と受け継がれています。

 上記コミュニティで参加者はかなり違っています。特にNoⅢのゾーンのメンバーがⅠ,Ⅱに参加する量は割と少ないと感じています。Agile Japanに出て驚いたのは、NoⅢのゾーンの方々も一定数見られた点でした。ただ、本気のAgile勢については少ないとも感じました。
 私の会社でも社外コミュニティと聞くとⅢのゾーンを思いつく方がほとんどだと思いますが、ⅠやⅡのゾーンの学びの量はすごいので、我々JTCメンバーが、各々社外コミュニティに関わりながら、関係の輪・学習の輪を広げていく事も私の中では重要なテーマになっています。

 ちなみに、Agile Japanと同日に実施している「アジャイルコーチとスクラムマスターの集い」というリトリートイベントがあったのですが、今回はAgile Japanを優先させて欠席したのですが、aki.mさんのブログを読んで、学びがハンパないなと、非常に羨ましく感じました。


コミュニティの居心地
 コミュニティを学習の場と考えた際には、コミュニティに対しては居心地の良さも悪さも大事ではないかと考えています。コアメンバーでコミュニティの方向性が合って、リラックスしやすい事も大事ですし、異質なメンバーがいることで、場に緊張と学習が生まれることも大事だと思っています。
 また、コミュニティについては、家族等のプライベート、会社の業務より優先すべきでないと思っており、複数の参加者が薄く関わりながら、コミュニティとしても変化し続け、創発を楽しむことが大事だと思っており、良い創発を産むうえでも異質な方へのリスペクトは重要だなと感じています。

 この辺のコミュニティに対する考えは、現時点の考えであり、これからどのように変わっていくかはわかりませんが、現時点の想いはなんとなく残しておきたいなと思ってツラツラ書いてみました。

②.仲間へのリスペクト

 上記コミュニティの事例からも、リスペクトが大事だし重要なキーになると感じています。
 ただ、自社の事になると自分との同質性(アジャイルに対する価値観等 )を求めてしまい、異なる相手に対してリスペクトできず、対立構造を産んでしまうなともいつも反省しています。
 これは、自社についてはより同じ方向を向いていたいという自身の想いが強い事から発生していると思います。

『異質な意見も上手く取り入れながら、良い庭造りをしたい』という想いは有りつつも、実際はイラっとすることが多く、いつも悩んでいます。

  • プロダクトマネジメントを極めれば、組織をプロダクトと見立てて上記矛盾を解決するキャンバスを書いて、うまく進めていけるようになるのか?

  • コミュニティでの先駆者の意見や、コミュニティ自体の仮想組織の経験から、うまく進める方法が見出せるのか?

  • NVCやマインドフルネス、コーチング等を学べばこの想いをうまく扱っていけるのか?

この辺がヒントになるかなと思っているのですが、答えはもう少し模索していきたいと思っています。


おわりに

結局、何が言いたいのか分からない文章ですみませんが、書いていて何となく整理できたことも有るので、自分としては良かったです。。。どうもありがとうございました。


ちなみに上記書いた契機になったAgileJapanの記事はコチラです。


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