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息子、お誕生日おめでとう

4月某日、無事に息子が誕生した。
予定帝王切開での誕生だったので、もうかなり前から誕生日は決まっていたのだけど、なんのトラブルもなく当日を迎えられてホッとした。
それまでに破水したーとか陣痛がーとか、可能性としては全然あったもんね。

ホッとしたのも束の間、手術前日から入院していたのだが、いろいろ準備し終えて安心したのか、今度は翌日に控えた手術に対する不安や怖さが押し寄せてきた。
帝王切開。ようするにハラキリ。
そして何を隠そう健康優良体で生きてきた私にとって人生初の入院&手術。
直前になっていきなりビビり始めた。
ビビってももう出産から逃げることはできなくて、あとはもう流れに身を任せるしかない。

はちゃめちゃにビビりながら手術室に到着、麻酔を打たれていよいよ逃げられない。
夫が立ち会ってくれて(日本では帝王切開の立ち会いってない?)、手を握ってもらったあたりから私は「こわいよー!」と連呼していた。言ってもどうにもならないけど、言わないともっと怖いんだもの。

そんな怖がる私をよそに手術は進み始めた。先生は随時「コワクナイヨー」とやや訛りのある日本語で応えてくれた。日本語少し話せる先生でよかった。こんな場面で耳に入ってくる日本語、少しホッとする。それでもまだ引き続きビビってるんだけども。

ビビりつつも夫にいまなに?どうしてる?なんて聞いたりしていると、あっという間に息子が生まれたようだった。産声をあげて、さっと綺麗に流してもらった息子が到着。「うまれたよー!」とそのまま私の顔面に息子の顔面がくっつけられた後(ファーストキス奪ってしまった。ごめんよ息子)、「ビッグスマイル!」と声をかけられ、家族3人で写真を撮ってもらった。開腹したまま写真撮るってうわさ、本当だった。

そのあとは麻酔で眠らせてもらい、その間にいろいろ処置を済ませてもらったらしい。麻酔を刺した時以降はほぼ痛みはなかったけど、とりあえず怖かった…。
そして終わった後も、引き続き痛み止めを打ってもらってるのでまだそれほど痛みは出ていなかった。先生たちの腕がよかったのかも。

まだぼーっとしてる中で数時間ぶりに息子と再会。すぐに息子を体に乗っけられて、抱っこタイムが設けられた。なんだかぼーっとしてしまって、感動するとかどうとかじゃなくて、おお、赤ちゃんだ…といったなんか不思議な感覚だった。人間0日目ってこんなかんじなのか。

人間0日目って本当になんもできない。
授乳ひとつとっても、おっぱいを上手く咥えられなかったりして、ごはんすらままならないんだな〜と思った。

そんなこともあって正直なところ、生まれて、退院もして、もう何日も経過したけど、手放しにうわあ!かわいい!とはならなかった。でもなんかこれが私の子どもなのか〜という、漠然とした特別感はある。
噂には聞いていたけど、ほんとにおっぱい3時間おき、とかきっちりやってたらほぼ一日中おっぱいあげて終わる。そしてやっぱり上手く飲めなかったりするので、各授乳の時間帯は結構戦いな感じがする。そりゃ思い詰めたらキツくなるよ。いまは産後ケアに滞在してるのですが、不安が溢れて号泣しちゃったりもしました。

そんななか、夫は「かわいいねぇ、かわいいねぇ」と息子を愛でてくれる。小さな息子が頑張っておっぱいをのんで、そして夫がそうやって言って笑顔になってくれるのを見ると、こうして涙を流しながらも産んでよかったと思うし、手放しでかわいいと思えるその日までなんとか息子を育てていきたいと思う。おっぱいとオムツと睡眠さえ確保したらとりあえず生き抜けるだろう、とハードルを低く低く設定して無理せず少しずつ母になっていきたいと思う所存でした。

とりとめのない出産体験記でした。
これからもがんばらず、私なりにやっていきます。

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