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「スペイン語ゼロ」から1年4か月後

エクアドルに来てから1年4か月経った。以前、3か月後に「数字や食べ物の名前は憶えた」と書いたけど、今回は今のスペイン語力を自己点検しようと思う。(前回の記事のリンクはこちら↓)

タイプの違う二人のスペイン語講師
私は週2回、オンラインレッスンをそれぞれ別の先生から受けている。ひとりはスペイン在住、ベテランのイネス先生。そして、もうひとりはエクアドル人大学生のパートタイム講師マリアちゃんだ。イネスは教授歴14年のベテランでフォローアップがまめ。説明も分かりやすい。マリアちゃんは、ピンクのウサギの耳付きヘッドフォンをつけてレッスンをするが、授業中に大あくびをする。たまに文法の説明が面倒くさいのか、早口で話し続ける。自由奔放。この間、あくび問題と理解度を考慮しない授業進行に対して苦情を言ったら、大あくびは中あくび位になり、授業もちょっと丁寧になった。イネスとは文法と会話、マリアちゃんとはDALEの勉強をしている。どちらの授業も長さは45分位で宿題もないので負担は少ない。

レッスンのおかげで、日常生活の不便は感じない
短時間でもスペイン語に集中する時間があるせいか、買い物やレストランでの注文は問題ないし、タクシーの運転手と流暢ではないけど簡単な会話もできる。私の日常生活に欠かせない人となった家政婦のマリセラさんや廃品回収のマルシア、ネイルサロンの従業員とも簡単な話はできる。わからない時は、大体ボディーランゲージで解決できる。あまり外出もしないし、毎日のルーティーンが決まっているので、今のレベルで大きな不便を感じることはない。1年前に比べると、買い物に必要な会話以外にも地元の人と簡単な日常会話はできるようになったと思う。

想定外の出来事には対応できない
それでも、想定外の事が起きた時は「もっと頑張らないと・・」と思い知らされる。この間、夫のスーツを近所のクリーニング屋さんに出したら、ズボン紛失で返ってきた。今まで何度も利用していて、対応も丁寧でそんな事は一度もなかったし、毎回きれいに仕上げてくれるので、すっかり安心しきっていて受け取りの時にちゃんと確認をしなかった。数日後に、夫に「ズボンがないよ」と言われて気が付いた。責任を感じた私はクリーニング屋さんに出向いて、「ズボン残ってないですか?」「もしクリーニング工場に残されてないか確認して、あったら連絡してくれませんか?」とお願いしに行った。言いたいことは伝わったようだが、相手が言っていることがサッパリわからなかった。その時はとても落ち込んだ。当然、ズボンはまだ見つからない。ごめん、夫。ズボンは未だ行方不明のままだ。

大人になってからの、第3外国語習得の難しさ

多少の苦労はあっても、スペイン語学習は楽しい。でも、大人になってからの語学習得の難しさも実感している。私の場合は、いつの間にか英語の発音が悪くなってしまったような気がする。

スペイン語では、英語のように「舌の動き」とか「音の微妙な出し方」みたいなややこしいことはなく、ほぼアイウエオの母音のような発音の仕方で通じる(気がする)。英語の発音が苦手な日本人には習得しやすい言語だと思う。例えば、英語のChefは「シェフ」と発音するが、スペイン語では同じスペルでも「チェフ」。単語をローマ字読みするような感じだ。

しかし、いつのまにか夫と英語で話すとき、日本語やスペイン語のようなローマ字読みみたいな発音をするようになり、簡単な単語が通じなくなってきた。私の英語は大人になってから苦労して取得したもので、育ってきた過程で自然に身に着いたものではない。スキルの維持には努力が必要なのだと気が付いた。夫なら適当な発音でもわかってくれるだろうという気軽さもあり、今まで英語を話すときに心がけていた、「意図を正確に伝えよう」という程よい緊張感が薄れてしまったのも原因かもしれない。

以前、多言語話者は、脳内にそれぞれの言語のスイッチがあり、話すときはそのスイッチが切り替わると聞いたことがある。私の場合はスペイン語を勉強し始めたことで、その回路が混乱し、切り替えがうまくできなくて、せっかく覚えた英語まで下手になったかもしれない。これを読んでいる方の中で、大人になってから英語とその他外国語を中上級まで習得できたという人がいたら、コツを教えていただきたい。

スペイン語が話せる外国人が、たまらなく羨ましい
当初は雑音として処理していたスペイン語にも大分耳が慣れて、最近はむしろ「リズムが心地よい」と思うようになってきた。スペイン語をテンポよく自由自在に話している外国人をみると羨ましくて仕方ない。いまの目標は彼らのように脳内にスペイン語の回路を作って、切り替えをスムーズにし、日常会話を難なくこなすようになれることだ。

エクアドルでなら上達しそうな気がする
何度も言うようだが、エクアドル人のおおらかさには感心する。前出のクリーニング屋さんもそうだが、大体の人は、私がポンコツなスペイン語を話している間も言葉を挟まず、じっと最後まで聞いて返事してくれるし、ぼったくりをしようとしたタクシー運転手でさえ、私が滅茶苦茶なスペイン語で「そんな金額払わない」と言ったら、「じゃあ、いくらならいいんだ!」と交渉を始めて、最終的に値段を下げてくれた。私のスペイン語の未熟さを逆手にとって、嫌な思いをさせようとする人には未だに会ったことがない。もちろん、私にとってはエクアドルが初めてのスペイン語圏で、他の国には行ったことはないが、エクアドルのような環境でなら、もっとアウトプットを増やせば上達しそうな気がする。帰国までにどれだけ、ゼロから上達できるか?これから一年後の自分の成長が楽しみだ。

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