【半導体製造装置】ASML露光装置のMetrology Frameと共に

すっかり投稿が遅くなりました。徒然技師です。
露光装置は複雑な装置。片田舎のエンジニアが生半可な気持ちで手を出すものではないですね。更新に1ヶ月近くかかりました。

現実

元ネタ等等は見つけたので、分かり次第メモ程度に少しずつ上げていきます。まず最初に手をつけた疑問としては、ステージ関係やフレーム関係です。ここに手をつけないと先に進まない…

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ステージは片側H型構造?片持ちで精度が出るのか??反力による衝撃吸収をするカウンターマスはどこに…?_https://www.asml.com/en/technology/lithography-principles/mechanics-and-mechatronics
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あたりです。これは割と古いReview記事ですが、こちらが参考になるかもしれないです。適当にググったら見つけました。

https://royalsocietypublishing.org/doi/pdf/10.1098/rsta.2011.0054

さらに元ネタを探ると下記本に至りますね。2万円は安月給にはきついので、買ってもらいましょ。サイゼリヤ豪遊しかできない人には無理ずら。

こちらを見た限り、Balance Massはフレーム外に書いてある。これがreticle stageやwafer stageの振動防止に使用されている。なかなかのパワーで止めていますねこれ。

レンズとWSがAir mountで縁切りされているので、WSとレンズは原理的に同一振動をしないはず。
そうなると振動を大きく殺すように設計しているのか、それも振動を制御するように設計しているのか。ただ制御は測定器の測定精度が命、サンプリングレートを考えるなら、〜kHz以上の振動は流石に勘弁、退場願いたい所である。
Air mountは制御も数Hz台になりそうなので、結局低周波数帯って感じもします。この図だけで色々疑問が湧いてきます。

※なんとなくはAir mountは低周波振動縁切り用。WS振動はWSでなんとかしてな。的構造な気もします。再現性でるのだろうか?

上記項目にここの考え方が書いてあるとはおもいます。ただし、Nikonのi線ステッパーでお馴染みskyhookとか新たな用語が出てきて勉強不足を痛感します。
グラフ見てるとH∞制御とか思い出しますが、私は趣味&数学のお遊びでしかやった事ないです。とりあえず下記記事もメモ。

http://www.sl.sc.e.titech.ac.jp/SCHPPUBLIC/lecture/lhinf.pdf

そして、気になったのが、WSスケールを見てみるとレーザー干渉計ではなくGrating scaleを利用しているみたいですね。


確かに干渉計は光の屈折率の変化や、光の波長変化そのものに弱いはず。
計算はダブルパス光学系と波長変化とかのお話は下記文献に任せます。

https://annex.jsap.or.jp/photonics/kogaku/public/22-06-kaisetsu2.pdf

似たような計測系でHeNeレーザーを使用しているUA3Pのスペックシートを見た限り、最終的な絶対位置精度0.01μm以下はかなり厳しいのかもしれない。それなら絶対精度誤差はあっても、位置再現性が存在するGrating Scaleを利用する気持ちはわかります。
結局機械精度だと0.1μm以下は無理やから測定器に頑張らせるしかないし。

Grating Scaleは結局露光機作っているメーカーなので、やろうと思えば内製も、外注も可能でしょうが、こういう系となるとここら辺が思いつくなぁ…
https://www.heidenhain.co.jp
https://www.magnescale.com 
https://www.renishaw.com 
おそらく外注だろうから、上記のどれかかわたしの預かり知らぬメーカーか。

というか熱膨張率の問題はどうするんだろう。フレームは鉄とかだとするなら、Grating Scaleに低熱膨張率材料を使うと、熱伸び量が違うことにつながるため。レンズ中心とWS測定器による中心が変わることになる。これはレンズ面測定でカバー?レーザー干渉系は結局使っているのか?


結局発散して、疑問点しか湧いてこない状態ですが、また2週間後にでも更新します。それではまたよろしくお願い申し上げます。

以上

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