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立春の日、味噌づくりでの出会いと答え合わせ

暦の上では春の始まりを表す立春の日に、味噌づくりワークショップに行ってきました。
買えるものを手作りした初めての記憶は、梅仕事だったような気がします。


ガラスの瓶に詰めていく氷砂糖と青梅のコントラストに感動して、インテリアのように飾って愛でて、毎年作りづけてきました。そこから、梅干し(熟成2年目)を漬け、今回は味噌へ。
昨年も参加する予定で予約していたものの、家族の体調不良が重なったために、お店から材料とレシピをいただいて自宅で作ったのです。
作り方はていねいに書いてありましたが、絶妙な塩梅やさじ加減はワークショップでしか味わえないものですね。
そこがまた、自分だけのお気に入りの具合を見つけて工夫できる楽しみな部分でもあるわけで、正直、これで合っているのか不安な味噌づくりというのが昨年。

今回はその答え合わせ。
・豆の潰し加減はいかほど?
・豆と麹の混ぜ具合は?
・カメに敷き詰めていくうまい方法は?
・熟成中に出会うカビとの付き合い方は?

合っていたんだけれど合っていなかったところや、もっとおおらかに考えてよかったんだと思えるところがあって、作りながらの楽しさやわくわくする気持ちが、出来上がった味噌と共に私のお土産になっています。

途中経過の写真を撮っておくんだったなあと、説得力にかける文章のみのお話になってしまっていますが、ワークショップで改めて感じたのは、手を動かしてモノを生み出す楽しさって生への前向きなエネルギーだなってことでした。

ワークショップにたまたまご一緒した4人の方たちが、素敵な歳の取り方をしていてそのお話に混ぜてもらえた時間があったからそう思ったのかもしれません。

ワークショップをしたお店が、いつか自分たちで少しずつ古民家を住みやすく直して暮らしたいと思っている、そんな憧れの家にとてもとても近い新しくも古めかしい内装だったからかもしれません。

作業前にいただいた、昨年の味噌を大豆の煮汁で溶いただけという汁が思わずため息が出てしまったくらい味わい深くて甘くて、じんわ~りと身に染みていったことが忘れられないからかもしれません。

味噌づくりを教えてもらうというだけではなくて、自宅ではなく、ひとりではないからこそ感じ得たものがあって、食がつなげてくれる輪っておいしさをや手を動かず悦びに向かってシンプルで素敵なんだなあ思っています。

ご一緒した中のお1人は、今後も再会することはないと考えられる私の名前をレシピにメモしてくれ、作業中何回も名前で私を呼んでくれました。一期一会、共同体感覚、今読んでいる本に書いてある言葉を思い出して、こんな大人になりたいなあとしみじみ思いました。

昨年のものと今年のもの2年分の手前みそ。
同じようで全く違う、どちらもうれしい甕。

ワークショップの当日にお店の方から伺って、今日が立春だということを知りました。その瞬間ぱあっと嬉しい気持ちがしたのは、味噌がおいしく熟成発酵していくようにと願いながらその日偶然集まった方たちと囲んだあたたかい時間が、近くまで訪れている春の存在のようにほっとできるものだったからかもしれません。
数年前の自分であればカレンダーの日付こそ気にしていたものの、満月や二十四節気に気持ちが動くことなんてほどんどありませんでしたから、自然の流れにのって暮らしていきたいという願いに少しまた近づけたような気がしています。
最後に味噌づくりの先生が出してくださったお汁粉の染みること。。
あったかい。でした。

最後までお付き合いくださりありがとうございました。

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