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【阿賀北ノベルジャム】 阿賀北の魅力 市島酒造様 かれん インタビュー編

新潟県新発田市で日本酒を作り続けて約200年。創業は寛政2年の市島酒造の「かれん」という日本酒の銘柄。今年の春行われた、御伽噺のヒロインを決める総選挙で見事ヒロインの座を掴み取った彼女の名前と同じで、彼女のプロデューサーさんの中には、「かれん」で勝利の美酒を堪能した人もいるかもしれませんね。今回は市島酒造の「かれん」について蔵人の澤村彰さん、総務部の小野美憲さんにお話しを伺いました。(取材担当=涼鶴プロデューサー)
涼鶴: 「かれん」の誕生経緯を教えて下さい
蔵人澤村(以下敬称略):キッカケは20年前程前から、日本酒が飲まれなくなってきたことです。一般的な日本酒のイメージは淡麗辛口、他のお酒と比べアルコール度数が高い傾向にあります。これらは日本酒の特徴でありますが、若い世代、特に20代から敬遠されてきていたのもまた事実です。このまま正統派日本酒を作り続けても少子高齢化社会で日本酒の需要も先細るばかり。そのような状況下で若い世代にも飲んで貰えるような日本酒を作ろう。というのが「かれん」誕生の経緯です。
涼鶴:「かれん」シリーズ全体の特徴を教えて下さい。
総務小野(以下敬称略):若い世代に飲んで貰えるような日本酒をコンセプトに生まれた「かれん」ですが、現在5種類が販売されています。写真右から発売された順に、「かれん」、「かれんsilk」、「かれんプラム」、「かれん柚子酒」、「かれん純米甘口女子限定」となっています。シリーズ全体を通しての特徴として挙げられるのが、低アルコールというところです。日本酒の平均度数は15%近くあるのですが、「かれん」シリーズは10%前後と他の日本酒と比べ5%低く、軽く、飲みやすいのです。

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涼鶴:「かれん」各種類の特徴を教えて下さい。
蔵人澤村 :「かれん」 最初に発売された長女ということもあり、下の妹達に比べると日本酒色を仄かに感じることできます。甘口と少しの酸味が口の中からすーと消えていくのが特徴です。
「かれんsilk」 長女に比べ甘みを重視しています。お腹に優しいオリゴ糖を精製する、酵母を使用しています。
「かれんプラム」 梅酒なので日本酒ではなくリキュール酒にカテゴリーされます。一般の家庭で梅酒を漬ける際にベースとなるのは焼酎ですが、「かれんプラム」ではベースに次女の「かれんsilk」を使用しています。ベースに日本酒を使用できる酒蔵ならではお酒です。市島酒造の持ち味である、ふわぁっと香り、すぅーと消える感じを味わうことができます。
「かれん柚子酒」 一般的な柚子酒に比べ、柚子の味わいを感じることができ、柚子の香りも味わえます。薄い柚子酒より、柚子ジュースのようなイメージ。ベースは「かれんプラム」同様、「かれんsilk」です。
「かれん純米女子限定」味が濃く、甘口の白ワインを想像します。新潟酒の陣では2日間で3千本用意していたのですが好評で1日目で完売しました。

涼鶴:今後の展開について教えて下さい。
総務小野:若い世代に飲んでもらえる日本酒というコンセプトで開発された「かれん」シリーズでありますが、「かれん」という名前に惹かれて購入してみた若いプロデューサーの中には実際に飲んでみて「日本酒らしい日本酒だがこれならいける」、「軽くてすらすら飲める」など、発売から20年経って当初のコンセプトの反響がでできています。しかし、「かれん」シリーズは日本酒への入り口なのです。今回「かれん」を飲んで日本酒もいけるのではと気づいてもらえたので入り口としては成功したと言えます。しかし、これが続かなければ意味がありません。今回縁あって「かれん」を手にとった若い世代の人達が10年後、市島酒造の他の日本酒を飲んで見ようかなと思ったとき本当の意味での成功と言えると思います。

阿賀北ノベルジャムへの期待
総務小野:かつては各地にその地方の個性ある文化が花開いていました。地酒をはじめ今もかすかに残る地方文化を『阿賀北ノベルジャム』の参加者がすくい取り、新たな光を当ててくれることを期待します。


今回は淡麗辛口で定評のある新潟県から創業200年という老舗が生み出した、若い世代向けの日本酒「かれん」をお届けしました。「かれん」をご存知のプロデューサーさんも、初めて知ったプロデューサーさんも、夏のイベントのお供には是非「かれん」を。遅くなりましたが、総選挙1位おめでとうございます。私は今回勝利の美酒を彼女と分かち合うことはできませんでしたが、来年こそは綺麗な月を見ながら、勝利の美酒を味わいたいと思っています。
取材日 6月某日
取材 涼鶴 ・おぐら
撮影 中野裕貴



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