インドネシアの友人のこと

インドネシア留学時に仲良くしてくれた友人が先週コロナで亡くなったと知った。インドネシアの医療崩壊のニュースを見て、それに彼はリスクの高そうな体型だし、少し心配はしていたけれど、未だに現実味がない。

日本語に堪能で、日本語を学びたいインドネシア人と、インドネシア語を学びたい日本人を結びつけて、いつも皆の中心にいる人だった。彼と知り合って現地での友達がすごく増えたし、いろいろ連れまわしてくれた。ほんの1年に満たないインドネシア生活だったが、彼がいなければ本当に味気ないものになっていたと思う。

そういえば彼によく「君はいつも忙しいね!」(lo sibuk!)と言われていたことを思い出した。
彼らのノリについていけないときとか、あまり気が乗らないとき、「ちょっと今日は忙しい」とか言って誘いを断ってしまうことがあったのだが(ひどい)、そんなときに「日本人はみんな忙しいとか言うよね~、ま、じゃまた今度」みたいな感じでよく言われた記憶がある。

それから帰国をして、就職して、sibuk, sibuk, sibuk, ・・・と言っているうちに、こういうことになってしまった。
別に忙しくなかったらインドネシアに会いに行ったか?というとそうでもないのだけど、sibukよりもJam karet(ゴム時間;時間にルーズなインドネシア人の性格を表す言葉)、いつも柔軟な気持ちでいないと、失ったり忘れてしまうものがありそうだ。

そんな教訓めいたことはさておき、彼は優秀だったから絶対偉いおじさんになると思っていた(すでに貫禄だけはあった)。10年後、20年後に再会して「偉くなっちゃったね~」なんて言うことができなくなって、ただただ残念です。

インドネシアの厳しい状況はしばらく続きそうで、ほかの友人たちのことも心配している。日本のグラフだけでなく、インドネシアのグラフも日々気にすることになりそうだ。これ以上辛いことが起こらないよう祈るばかり。

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