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#223 やらなきゃいけないこと、やりたいこと、なりたいもの。

 まず、わたしはいま「やらなきゃいけないこと」に押しつぶされている。ひとつひとつの用事は些細なことなので、必要な作業に分解して、その日の調子に合わせて行えるように負担の軽いものと、そうではないものを予め整理しておけばいい。わたしが正常なら、そうしている。

 でもダメ。ダメったらダメ。「やらなきゃいけないこと」には大きな塊としてしか向き合えない。率直に言って頭が悪くなっているというか、冷静さに欠くというか、これはたぶんうつ病のせいにしていいと思うので、「できるときにやる」しかない。巨大な塊でも、削り続けるうちに細かくなる。

 ただ、「まだやってないの…」というプレッシャーが日々重くなっていくのに、ある日突然元気になって「できるとき」が訪れるとは思えない。入浴と洗濯、という外面を保つために必要なギリギリのラインはかろうじて保っている。ただもう、それ以外に使えるエネルギーは少なく、しかもごく簡単に挫かれる。

 「やらなきゃいけないこと」に、ほんのちょっとした追加が生じただけで心が折れる。以前なら「面倒くさい」と思う程度のことが、今なら致命傷だと感じるくらいにダメージが深い。追加や変更があると、限られた活力の配分をし直すことができない。まあ、要するに無理なんだ。なんでもかんでも無理。

 こんなときのために「夢」や「希望」って、必要なのかな?と思うけど、もしそれが挫かれたらヤバない?という気もするので、ほどほどにしておいた方が良いのかもしれない。

 では、ほどほどの範囲内で「やりたいこと」を考えよう。紙の本を出したい。ジャンルはエッセイ。「は?わたしは電子書籍派だし、エッセイなんてほとんど読んだことないじゃんか?」と、自分で自分にツッコめてしまうのですが、やっぱりね、残るのはアナログですよ。電子で残り続けるものって、一定の権威があるものだけです。そうした文を原語で、各国語で、現代語で、と残し続けないといけないし、それに値する名著は山ほどあるんですよ。アマチュア作家の電子書籍なんて、絶対に残らない。だからわたしの目標にはなり得ない。すっごい稼げますよ!って言われたら心が揺らぐけど、きっとそんなことはない。Amazonの読み放題に居並ぶ名だたる作品を押しのけることなど、とてもじゃないが考えられない。

 あ、この話は商業を全く意識していない、むしろ反商業的な営みについての想像ですよ。「労働とあそびの間」にある話です。商業に乗っかりたいなら、公募に応募しまくるとか、自営業的に稼ぐならKindle出版とかが良いと思います。でも、どちらにしても、その人が持つ面白度の100パーセントは出せないと思うんですよね。なんか下手でも良いから、面白度100パーセントを出し切る方がいいと思うんですよ。それで、部数は少なくてもいいから、とにかく発行する。完全プライベート出版で、10部とかでもいい。家族友人に配るだけ。それでもいい。というより、面白度100パーセントの仕事ができたなら、自分がほくそ笑むためだけの1冊あれば足りるかもしれない。

 そういうアマチュアイズムには、商業出版には無い面白さがあるからコミケを始めとした同人イベントがある訳で、別に変な話でもなんでも無いと思うんですよ。同人作家になりたい訳じゃ無いけど。

 じゃああんた、結局何になりたいんだよ!と言うとですよ。「なりたい」って案外無いですね。だからいいや。やりたいことができていたら、自ずと人間変わっていくでしょ。それでいい。

 それと、noterさんで一人だけ、(神様のお導きがあるならレベルで控えめに…)生きているうちに会って話してみたい人がいますね。ストーカーみたいになりたくないし、こんな病み中年があんま絡んだらイカンので自重するけど、その人の文章が好きなんだよな。書き言葉と話し言葉と、詩とエッセイの中間地点。憧れるなあ。

 とまあ、こんなこと書いて、今日も「やらなきゃいけないこと」はスルーなのです。もうちょっと頑張れよわたし。

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