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#225 休眠口座からラーメンの話になる雑文。

 休眠口座の記帳をするとともに、解約をしている。面倒くさいが、一生持っている訳にもいかないし、口座の放置は銀行に負担をかけることにもなる。

 これは何も、暇だからやっているという訳ではなく、これから行う債務整理の準備として必要なのだ。全財産を開示しなければならない。休眠口座なら、この機会に通帳記帳のうえ解約してゼロ円にした書類を添えて弁護士に引き継ぐ。それをやっている。

 もはや、いつの住所でどの印鑑で契約したものか、あるいは「いま何銀行なのか?」すら分からない地銀の口座を持っている。これの解約は結構時間がかかるようだ。経緯を鑑みれば仕方がないし、この機会にお付き合いを終わらせようと思っている。

 一方、ネット銀行を1社解約したが、そちらは電話一本で完了した。やはりわたしは、金輪際メガバンクの口座を使うことはないだろう。

 今後は、以前の記事(#149)で紹介した「みんなの銀行」の使い勝手が抜群に良いので、この口座を普段使いにして行くつもりだ。また、固定費の口座振替用に別の口座をひとつ残す。最終的には、口座をその2つに絞ることが目標だ。

 「みんなの銀行」が提供しているようなシンプルなサービスは、吸収合併を繰り返して巨大化した組織には提供できない。既存のサービスを大量に引き連れていたり、それによりシステムが複雑化していたり、そもそもシステムの統合が不完全だったりするのだろう。一から立ち上げた、ということでなければ実現できない顧客体験がある。

 こうした、巨大化に伴う顧客体験の低下は、銀行以外にも見られる。大手携帯電話会社(MNO)の料金プランはその代表格だろう。ドコモ・au・ソフトバンクの3社は、高額かつ無駄の多いサービスを提供している。

 そして、そのプランは競争環境の変化や総務省の意向でしょっちゅう変わる。回線使用料と端末代金とオプションサービスが絡まりあって、複雑怪奇で意味不明な計算が必要になるため、お得かどうかもよく分からない。(楽天モバイルもMNOだが、後発なだけあって楽天のプランは明快だ)

 一方で、所謂格安SIM(MVNO)の各社は、シンプルで分かりやすいサービスが提供できている。しかし、格安SIMへの流出を防ぐために、MNO自身もサブブランドを立ち上げている。

 そうしてサービスが乱立することにより、更にまた訳の分からない度合いが強化されている。MNOなのか、サブブランドなのか、MVNOなのか。興味のない人には見分けがつかないし、「要するにどこが安いの?」と言いたくなるだろう。

 正直、エリアに問題がなければ楽天モバイルを、ドコモ・auと同じエリアで使いたいならIIJmioを使えばいいと思う。サブ回線を持ちたいならpovo2.0がいい。スマホはSIMロックフリーの適当なものを一括払いで買えば良い。

 しかし、そうした自分なりの解に辿り着くためには、それなりに各社のサービスや料金を知らなければならない。競争は結構だが、消費者にとっては大混乱。訳がわからんので、高額なMNOのプランを維持し続けるユーザーも多いだろう。訳がわからなすぎて、現状維持を選ぶのだ。

 また、「◯◯ペイ」の類も酷い。ユーザーは決済をしたいだけなのに、どうでもいいミニアプリが画面を埋め尽くしている。とにかく物事を複雑にすることで、ユーザーに混乱を提供する義務でも負っているかのようである。

 行政も乗っかって、地域振興のポイント還元を行ったりしているが、それを活用して得をするのは、電子決済を使いこなせる流行に敏感な人だけである。行政は「◯◯ペイ」を使って、バラマキを手抜きしているのだ。輪をかけて酷い。

 ここから話は飛躍する。昨日の記事では、我が国の行政サービスの使いづらさは、もはやわざとなんじゃないか?と思えてしまう、その怒りを発散させてもらった。

 一方で、今のわたしは精神障害者手帳2級のパワーでアンロックされた行政サービスの恩恵を受けてもいる。特典をひとつひとつ見ていくと、安心というほどではないが、かなり優遇されているな、ということは分かる。そして当然、これらの制度は善意で作られたものだということも、間違いないと感じられる。

 ただし、制度が建て増しであるために、複雑化しすぎているのだ。国、都道府県、市がそれぞれ制度を用意している。マイナンバー制度による電子化も、何故だかうまくいっていない。(役所で障害に関わる各種申請を行った際、身体がストレスで強張り、震える筆致で何枚もの書類に住所氏名を記入せねばならなかった。電子化とは?と思わざるを得ない苦痛であった)

 戦争や革命以外の方法で、この国の制度設計を一気にシンプルにする方法はないものか。そう考えると、ベーシックインカムの導入が最も合理的だが、どうしてやらないのだろう?無用な管理業務から解放された、大量の失業者が出るからだろうか?

 うむ。たぶん想定している「倫理」が違うのかもしれない。既存の労働倫理によれば、雇用は無いよりある方がいい。仕事の内容が無駄であっても、とにかく無いよりはある方がいいのだ。というより、世の中に消滅した方がいい仕事があること自体を認められないのだ。それはもう、GDP至上主義と言ってもいいかもしれない。それに照らせば、仕事に励むことを阻害しかねないベーシックインカムなど悪である。

 しかし、国民のウェルビーイングや地球環境にとっては、「なくて済むものなら、無い方がむしろ良い」というスタンスの方が正しい。それがなぜ正しいのかは簡単で、現在の気候危機は、GDP至上主義によるものだからだ。生物の大量絶滅と、人類の居住可能地域の減少。そうしたことを無視するほどの、極めて強いイデオロギーだ。

 例えばこれが、「幸福度至上主義」ならば、街の風景はいろいろと違ったことだろう。寝る間を惜しんで電力やガソリンを消費したり、農地を潰して駐車場にすることが優先される訳がないのだから。

豚骨(塩)アブラ少なめ、味薄め。

 そしてこれは、神奈川県が誇るジャンク系ラーメンの、「家系ラーメン」である。久しぶりにがっつりしたものが食べたかったのだ。わたしはこれを食べるとき、アブラを減らして味も薄めにした方が「豚骨プラス塩」というスープ本来の調和が良く味わえるのではないかと思っている。

 もちろん、その逆を行き、全てを「マシ」にしたうえニンニクもどっさり追加した方が、中毒性は高まる。味が濃すぎても構わない。ライスは食べ放題なのだから。しかし明らかに、やればやるほど料理としての自然な調和は乱れていく。

 とにかく、わたしは疲れている。調和の乱れたジャンクな社会に身を置くことに。楽しくもなんともないことに、貴重な気力体力が奪われて行くことに。

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