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「復興政策を振り返る有識者会議」の3回目が開催されました。(3月8日)

 長いのですが、「東日本大震災の復興政策10年間の振り返りに関する有識者会議」の委員に、昨年10月から就任しています。2月27日、第三回が開かれ、被災3県の3人の市町村長にお越しいただき、この12年間の振り返りの話を伺いました。宮古の山本市長、南三陸の佐藤町長、川内の遠藤村長はいずれも2011年の発災当時からリーダーとして陣頭指揮をとっておられた方。多くの示唆を頂けました。
 皆様の発表資料や当日の議事録は詳細に公開されましたので、関心ある方はぜひ目を通して頂ければと思います。

なお、振り返りの資料は1000頁以上の大部になるのですが、ポイントが16頁でまとまっているので、ぜひ御覧ください。

本文素案の主なポイント(案)
https://www.reconstruction.go.jp/topics/main-cat1/sub-cat1-22/20230227_shiryo06.pdf

 私は委員の末席におりますが、「被災者支援」「非営利組織」「復興を支える仕組み」などの観点で、いくつかのコメントをしました。概要は下記の通りです。

・「復興・創生期間10年」といったフレームは、復興を目標をもって進める上で必要だが、合意形成を急ぎすぎたり、検討不十分な施策も生まれた。スピードと熟議の両立が必要
・被災自治体からビジョンを示すことの難しさがある。国や県から復興の時間軸や方向性を示すことも必要。また、全体最適を考え、実行できる広域組織が復興において必要
・被災前に、復旧復興の方向性や規模を検討する「事前復興」の導入が必要であり、政府が自治体を後押しすべき
・RCFが東北復興を進めるにあたって、当時内閣府に公開されていた阪神大震災の知見が多いに役立った。今回の振り返りもネット上に検索されやすい形で公開すべき
・今回はNPOの活動が単年度で縛られることが多発した。財団運営方式での復興基金の活用など、行政の枠組みを越えて複数年度で支援を行える仕組みが必要
・自治体派遣や、政府からの副首長の派遣などが有効。被災時にマッチングするための仕組みが必要

 ふくしま12市町村移住支援センターを運営していて日々思うのですが、「国と自治体」「民間と行政」「被災者と支援者」「都市と地域」などなど、復興期にはあらゆる二項対立があります。ただ、前に進んでいる地域では、それらが分断も区分もせず、うまくかき混ぜられているんですよね。そうした矛盾と止揚を組み込めるような復興政策を、後世に残せればと思います。

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