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大人の視点、子どもの世界

先日、会社で掃除をした時のこと、床面に一匹の虫がいた。一瞬、驚いたが、外に近いところだったので、いてもおかしくはなかった。無駄な殺生をするのもなぁ……ということで、近くのシャッターを開けて箒で外に追い出してやることにした。

「虫も殺さぬ」というほど大人しい人間だとは思わない(そもそもこの表現自体はあまりいい表現では用いられない)が、やはり頭のどこかで(虫がいたら)嫌だなと思うのは正直なところである。防衛本能なのか周囲の環境からなのか、思えばそんなふうに育ってきてしまった。

一方で、このニュースを読んで、そういえば自分も夏休みに祖父母の家の庭で、蟻の巣をひたすら埋めていたことがあったかもしれない――、と思った。ただ、ただ、穴を埋めていく作業が楽しかったのだ。それも一つの残酷な行為といえるが、それを咎められたこともなかった。自分の周りの大人も見てみぬふりをしていたのだろう。

あれもダメ、これもダメと強制していると、いつしか興味の幅が薄れていくかもしれない。大人の視点だけで物事を捉えて、それを子どもに強制するのは――。自分が子どもの頃のことを、ちょっとだけ思い出してみてからでも遅くはないだろう。

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