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自らの手を動かす

人手の必要な実験があって、何人かで行っていた。最初は見に行くだけのつもりだったけど、何やら忙しそうだったので、結局手を貸すことにした。4人でやっていて、2人は午前からずっとやっていて、しかもそのうちの1人は午後の途中で帰らねばならない。今日のノルマを達成するためにも、人数を掛けられるところは掛けないといけなかった。

午前中は2人でやっていたということだが、やはり2人では効率が落ちる。人数を増やせば、当然1人あたりでやることが減るので、その分、その作業に集中できる。何をやるにも適切な人数というのはあるものだ。

冒頭で見学だけのつもりだったと書いたが、やはり自分にはそれはできなかった。"やはり"というのは昔、こんなことがあった。冬寒い時期に数人で外で作業をしていたことがあって、凍えながら水を扱っていたのだが、そこに2人ほど見に来た。その2人は手を出す様子もなく、傍で談笑している。何のために来たのだろう?と思ったが、年上の人たちだったので、特に何も言わなかった。周りの人たちも特に何かを言うわけでなく、作業を続けていた。自分が手を出せる状態なのに、見学だけするのができないのは、どうもあの時の記憶があるからに違いない。冷やかしに来るくらいならば、来ないほうがマシじゃないか…と。

自分でやってみなければわからないこともある。この作業の、ここが律速となって全体の作業が進まない。そういう場所も自分で作業をやってみてこそわかるものである。Excelなどで、スケジュールを引いているだけでは決して見えてこない点だ。やってわかったことを担当者にフィードバックすることも重要だ。この作業をこれだけのスピードでやるなら、少なくともこれくらいの人数が要る。人数が掛けられないのであれば、その分スピードは落ちるけれども、それは了承できるか。それらの話も、自分でやってみてのことならば説得力がある。だから、やれるのであれば、実作業を体験するのは絶対に行うべきことのように思える。

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