年298万円の認知症薬が保険適用…
露骨なシルバー民主主義の賜物。
患者の費用負担を軽減した分は誰が負担するんだよ。レカネマブとか言う、マブダチなのか金ヅルなのか、ちょっと何言ってるかわからない認知症薬が保険適用になることを知って憤った。
後期高齢者であれば、ほとんどが1割負担の範疇であり、患者負担は年30万円ほど。月換算で2.5万円だ。仮に2割〜3割負担だとしても、保険適用の場合は高額療養費制度で事実上の天井が決まっているようなもので、所得がなければ実質的な負担は1割の時と似たような形となるだろう。
認知症になると資産が凍結される盲点があることから、当事者からすれば、そのリスクを月2.5万円で軽減できるなら迷わず使うだろう。しかし、本人が負担していない差額の270万円は、一体誰が負担するのだろうか。
一時的には国が負担する形となるが、やれ議員がプライマリーバランスとか言い出せば、ゆくゆくは税金を納める現役世代に転嫁されるのだから、露骨なシルバー民主主義の賜物以外の何者でもない。
そもそも賦課方式でありながら、少子高齢化で健康保険税を支払う人の数が減り、受益者が増加の一途を辿っているのだから、まずはバケツの穴を塞ぐことが重要だ。
そのための歳出抑制や、削減のためのドラスティックな制度改革が必要な筈だが、票田欲しさに生命に関わることだと線引きの議論を避け、現役世代並びに将来世代に重い負担を丸投げしているのが、これまでの失われた30年の日本社会ではないだろうか。
健康保険にも費用対効果の概念は必要。
そもそも、年間300万円の認知症治療薬然り、胃瘻も典型だが、これらを相互扶助の範疇として、保険制度を適用すべきなのか疑問である。
お互いに助け合うのが相互扶助だとすれば、現役世代が高齢者を支える構図ではなく、お金に余裕のある人が、懐事情が厳しく自費では先進医療を受けられない人に、社会復帰に必要な治療を3割負担で受けられる程度の線引きは必要だと考える。
煎じ詰めれば、助けられた後に、助ける側にまわる。つまり再び健康保険税を納める見込みのある人であれば、保険適用で治療するだけの費用対効果があるが、数年延命したところで既に現役を退いており、あとは寿命を全うするだけの、健康保険税を納める見込みがない人に、公金というコストを掛けてまで保険適用にしたところで、どんな費用対効果が見込めるのだろうか。
こんな極論を展開すれば、世知辛い世の中だと思うかも知れないが、現状の財政で椀飯振る舞いできるような余裕はない。むしろ、30年以上もの間、問題を先送りし続けたツケを、今になって、その頃に生まれていない世代が支払わされている。
逆に30年間、選挙権を有していたにも関わらず、現状維持で何もしなかった層が、このまま抜け抜けと逃げ切ろうとしていることの方がよっぽど世知辛いだろう。
シンプルに長生きしたかったり、資産凍結されたくなければ、自費で治療を受ければ良いだけの話ではないだろうか。単なる我儘に対して保険適用で湯水の如く公金を食い散らかせば、歳出と社会保険税は増加の一途を辿り、ますます現役世代の可処分所得が減少して、少子化以前に非婚化が加速するのが目に見えている。
若者は既に冷酷な自己責任社会の渦中。
そんな極論が言えるのは、若くて病気とは無縁だからだ。的な反論がそろそろ出て来そうな頃合いだと思うが、私は20代半ばで死亡確率40%〜70%の大病を患い、入院と手術でひと月に100万円近い医療費を掛けて一命を取り留めたが、3割負担で30万円。
高額療養費制度で10万円程度の費用負担となり、その場は非常に助けられた。無論、高卒で社会に出て、これまで支払って来た保険税額の方が遥かに多額だが。
とはいえ、今でも後遺症に悩まされている意味で、20代でありながら健康体を失っている身だと言えるが、それでも日本の将来世代の負担を考えると、治療後に健康保険税を納める見込みの有無で、保険適用の線引きを行うべきであり、私みたいな社会復帰も儘ならない奴の治療は、保険適用外の自費で良いと正直思う。
みんな大好き自己責任論を若者だけでなく、全世代に適用するだけの話で、それが解せないと思うのなら、現状のひたすら社会から虐げられている若者及び就職氷河期世代は、急な病気や失業で生活が詰んだ際に、大抵の場合は何ら社会的支援を受けられずに徐々に悪化していき、潰れて再起不能になるまで放置されている現状の方がよっぽど冷酷ではないだろうか。
若者からすれば、年功序列で晩年に回収できるほど、今の会社の懐に余裕ありません。でも低賃金で馬車馬よりも酷使します。終身雇用が守れるか分かりません。病気や失業は自己責任。
重税で高齢者を支えてるけど、自分たちが支えられる側になる頃の年金はアテにならないから、老後資金は各自で運用して形成しろと、生まれてこの方この社会から厳しい仕打ちを受けているのだから、自己責任論など当然のものと捉えていて、今更医療費の保険適用の線引きをされたくらいでは驚かない。
むしろ、線引きの話題くらいで怒りを露わにするような層は、それだけこれまでヌクヌクとぬるま湯に浸かって、よっぽど甘く生きて来たのだと心の底から軽蔑する自信すらある。
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