見出し画像

投資で地合いが悪い時の乗り越え方。


ガチャガチャ弄らないのが基本姿勢。

 2023年の上半期過ぎた辺りまでの、日本株の特にこれといった材料がある訳でもない中での急騰具合が凄まじかったこともあり、ここ最近の株式市場の頭打ち感が嘆かれ始めているように感じる。

 月末には配当落ちがあるため、一概に言えない部分はあるものの、7月、8月、9月と日経平均株価の月次パフォーマンスはマイナスとなっており、10月も伸びそうな気配がないことから、上半期ほど地合いが良くないのは定性的な肌感覚としても、定量的な数値としても頷けるだろう。

 そんな地合いが悪い時に狼狽売りせず、株式市場から退場することなく、長期投資による複利の恩恵を受け取るための、心構えであったり、個人的に〇〇ショックが起きて、含み損に塗れた際、どのようにして乗り越えたのかを備忘録を兼ねて記したいと思う。

 因みに現在20代で、アベノミクス相場となってから参入していることもあり、バブル崩壊もリーマンショックも経験していない。

 チャイナショックとコロナショックは経験しているものの、リーマン級の長期低迷期を乗り越えている訳ではないため、どこまで参考になるかは分からず、所詮、青二才の戯言の域は出ないだろう。

 まず投資方針が長期目線、バリュー、インカム狙いなのもあって、ガチャガチャ弄らないことを基本姿勢としている。純粋に手数料や機会損失がもったいないからだ。

 今でこそ売買手数料無料化の動きが活発だが、投資信託は今でも売却時にのみ発生するコストがあり、同じ銘柄を売って買い戻す場合、リターンは不確実だが、コストは確実に掛かる。

 時に損切りは大切ではあるものの、どうせ同じ銘柄を保有するなら、生涯で見たときに確実に抑えられるコストを、極力発生させないのが考え方の基礎となっている。

 AからBにポジションを入れ替えるということは、Bが値上がりして、Aが値下がりする未来に賭けている訳で、Aを選ばないことにより、得られたかも知れない機会を捨てているとも捉えられる。

 結果論ではあるが、どうせ手放すことになるなら、最初から保有せず、その資金を他の銘柄に投資すれば、資金効率的には無駄がなかった訳で、無駄な売買を繰り返さないためには、ある種の鑑識眼が重要となってくる。

資産推移を振り返り、過去より今が良いことを実感する。

 今でこそ日商簿記とFPの2級が取得できるレベルの、会計や金融の知識が身に付いているが、当初はPBRすら分かっていなかったことからも、これらの知識は一朝一夕にして得られる類のものでもない。

 そのため、地合いが悪くなってから至らなさを感じて学び始めたところで、即座に状況が好転する訳ではないが、相場から意識を逸らす意味では悪くない選択のように思う。

 退場して今後の人生で投資は一切やらないとかでもない限り、活かされる局面にどこかで出会す筈だから、余命が長ければ長いほど、簿記やFPの知識を身に付けるための自己投資は、元が取れる可能性が高い。

 それに加えて、5年前くらいの自身の資産状況を思い返し、今の状況と照らし合わせることをお勧めする。5年くらい長期、分散、積立の鉄則が守れていると、それなりの利益は得られる筈で、多くの場合、含み益が減っているに過ぎないからだ。

 目先の下げ相場は確かに心理的に来るものがあってキツイかも知れないが、5年前の状況に比べたら、名目値が増えてるだけ全然マシだと思える筈だ。

 また、日頃から保有資産の期待リターンをざっくり把握しておくことで、2023年のような期待値を超える収益率は、振り子ではないが、どこかで振り戻しからの期待値付近まで下げて来る局面が起こり得る前提で、最初から期待リターン以上の含み益は幻だと思えば、下落局面で握力が弱まる可能性は大分低くなる筈だ。

 例えば全世界株式の期待リターンは、今後10〜15年単位で、年率8.5%程度ではないかと、JPモルガンが予測している。

 それにも関わらず、短期間に年率換算で10%とか20%も上昇している場合、8.5%を超えた分は調整の下げが来ると、初めから運用額×1.085の数値が本来の価値だと思えば、上昇相場で浮かれてリスクを取り過ぎることはなくなるだろう。

値動きが気になる場合はロットを減らす。

 それでも日中に株価で頭がいっぱいになって、他のことに手が付かない的な、日常生活に支障が出るレベルで値動きが気になっている場合は、リスクを取り過ぎている証拠だ。

 この場合、多少のコストが掛かっても、気にならない程度の金額に落ち着くまでロットを減らした方が、精神衛生的にも良いと思われる。

 目先のリターンを最大化しようとして、リスクを取り過ぎて一発退場する可能性があるくらいなら、最初は少し物足りない程度に留めておいて、慣れてきたら徐々にロットを増やして長期で運用した方が、100日後に死ぬワニでもない限り長期投資の醍醐味である複利の恩恵に預かれる可能性は高い。

 駆け出しの頃は5,000円変動するだけでも、そのお金があればできたことを想像して落胆していたが、今となっては、1日で社畜時代の月給どころか、ボーナスよりも大きい金額が動くこともザラで、日々の資産総額の増減には無頓着となった。

 根底にはそれなりの期間、運用して学んだからこそ、そもそもお金だけで完全に企業価値を表すことに、土台無理があるのだから、株価は変動して当然だと、腹落ちして慣れた側面。

 そもそも運用している額が大き過ぎて、もはや給与で損失を補填することが不可能となり、諦めの境地的側面のハイブリッドで無頓着となっている。

 値嵩株を保有するために、100万円近い金額を工面しているかと思えば、日頃の金銭感覚や生活レベルは、「お前が終わってんだよ!」の手取り13万円時代から何ら変わっていないか、むしろシビアになっている。

 今はロットが小さくて、思ったよりも増えないと焦らなくとも、長期、分散、積立を愚直に継続していけば、良い意味で生活と投資の金銭感覚が、連動せず切り分けて考えられる時が来る。ロットを増やすのはその時になってからでも決して遅くはない。

 だからこそ不安になったら潔く減らして、下落局面を乗り越えるのが賢しい選択だと考える。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?