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多くの人が気付かない歪みにチャンスがある


私が投資コミュニティと距離を置く理由

 私は各種SNSを用途別に使い分けている節がある。しかし、そのいずれも株式投資に関連するコミュニティとの繋がりを持っていない。投資コミュニティで流れてくる情報は、銘柄選定を行う上でノイズでしかないと考えるからだ。

 投資初心者のうちは、経験豊富な方々から、色々な情報や意見を収集した方が、要領よく資産形成できるとの思惑から、いわゆる株クラ界隈の情報を仕入れている人も、それなりに居るのかも知れないが、そもそも発信者が本当に投資で儲かっているかの真偽を判別することが難しい。

 実態としてはKKO(キモくて金のないオッサン)にも関わらず、投資OLなどを名乗ってインプレッションを稼ぐ、いわゆるネカマがバレて裏庭の焚き火レベルで炎上した件が、少し前に話題となったが、息を吐くように嘘をつく人間が発信する情報の信憑性を、逐一精査するコストはバカにならない。

 ジェンダーバイアスを助長する意図はないものの、書店の経済雑誌コーナーの客層からして、財テク=オッサン・オジサンの先入感は強く、若年女性が日常生活を営む上で、資産運用に興味を持つきっかけがあるようには到底思えず、十中八九ネカマだと思った方が変な期待を持たなくなる。

 そもそも、私の出自が労働者階級の中でも下流であり、上流の景色が異なる可能性も否定はできないが、私のように20代で資産運用ガチ勢(無論、そういう設定だと思って頂いても一向に構わない)で、自分よりもお金の扱い方が上手いと感じる人に、現実世界で会ったことがない。

 それどころか中央値的な20代は、資産運用以前に貯蓄すら儘ならない懐具合なのだから、NISA?ナニソレ?が過半を占める訳で、投資に興味を持ち、実際に行動に移している人など、肌感覚で1〜2割程度だろう。

 実際問題、私のような人間が居たとしても、承認欲求オバケでもない限り、赤裸々に保有資産を公開することにリスクが伴う以上、目立つような真似をしないのは自明の理で、本当に投資で儲けている人が、わざわざ投資コミュニティに参加するメリットが見当たらない。

 投資が上手い人から、何かしら有益な情報を得ようとして、コミュニティに参加する筈だが、本当に投資センスがあって稼いでいる人が居るのか、定かではない以上、投資インフルエンサーが発信している、パッと見では尤もらしい情報はノイズでしかなく、バイアスによる誤った判断を避けるために、距離を置くのが自然だと考えるが、いかがだろうか。

誰もが知っている情報に価値はない

 そもそも、誰かに教えて貰おうとする姿勢そのものが、投資には向いていないのが持論ではある。

 最初は誰もが初心者で、右も左も分からないのは当然だが、少額から始めて、色々なことを経験することで、自身の投資哲学が形成されていく訳で、誰かの意見を鵜呑みにしている時点で、自分の頭で考えることを放棄しているのと同義だと考える。

 投資に限った話ではないが、チャンスというのは往々にして、多くの人が気付いていない「歪み」にある。いわゆる裁定取引の考え方で、この歪みが利鞘の源泉であり、取引量が増えれば増えるほど、本来の市場価格に収斂するため、最終的に利鞘が取れなくなる。

 儲かる情報を他人に教えると、自分の儲けが減ってしまう構造上、儲かる間は誰にも教えず、その歪みに気付いた者の中で独占して、ひたすら儲け続けた方が理に適っている訳で、わざわざ不特定多数のSNSで公言するメリットはない。

 要するにSNSに限らず、経済メディアやマネー雑誌などで「おすすめ銘柄」として紹介されるような銘柄は、誰もが知っている情報であり、既に適正価格まで織り込まれている可能性が高く、その時点での投資妙味はなく、その情報にも価値はないと考えるべきだろう。

 そこで、別途ファンダメンタルズ分析などを用いて、適正価格をそれなりの解像度で推し量れる専門性があれば、短期的には織り込まれて旨みのない株価であっても、長期で見たらまだ利鞘が取れる余地があるか、自分なりに判断して差別化できるが、この手のスキルは他人から教えられる類のものではなく、自分自身の集合知から導き出されるものである。

市場の歪みに気付く能力の有用性

 私はHSPと診断されても不思議ではない程度に感受性が高いことから、長いことそれに悩まされたものの、運用益でダラダラ暮らせている今となっては、普通の人なら気付かない些細な変化に、「俺でなきゃ見逃しちゃうね」と気付いて深掘りしては、相手の意図を読んで先手を打ち、実利につなげられているため、折り合いがついている。(最近は地合いが良いだけの可能性も否めないが…)

 そうした市場の歪みに気付く能力は、投資以外にも応用が効き、最近ではスニーカーがボロくなっていたため、フリマアプリでNewBalanceのUSAモデルを安く買い叩いた。

 マニアであればご存知かも知れないが、NewBalanceのUSAモデルは高価かつ人気商品故に、特にフリマアプリでは正規品以上に贋作が出回っており、正規販売店ではないECサイトから安値で買い、贋作だと知ってか知らずか他者に売っている人が後を絶たない。

 そして、悪貨は良貨を駆逐するでお馴染みの、グレシャムの法則が働き、取引価格は贋作が混在しているリスクを内包する分、安値でしか売れず真作が駆逐されている。

 そこで、マニアの知識量故のエセ真贋鑑定スキルを組み合わせると、真作を驚くほど安い価格で買い叩くことができる訳で、掲載されている写真の状態から、真作の確度が高いものを選んだ格好だ。

 そして、届いた現物をビビり散らかしながら確認したところ、真作の特徴を複数満たしており、私の中ではこれでスーパーコピーだったら参りましたと白旗を上げるレベルのクオリティで、製造コスト的に99%真作と思われ、良い買い物ができたと満足している。

 公式のリペアサービスで、オールソールに出した時の対応の可否で、真贋の真実が分かるが、それは当分先の話になりそうである。

 そもそも状態の良い中古品を底値で買い叩き、インソールだけ自前のものに交換しているため、仮に贋作だったとしても、贋作の適正価格で買っているに過ぎず、既に金銭的なリスクヘッジが出来ている辺りに抜け目のなさが出ていることは否定できない。


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