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『AM4:00』

ニスの匂いのアトリエ
水彩画デッサン 花瓶の水
クーラーの音あざやか
右目が霞んで 耳鳴り
どうして どうして こう
『AM4:00』作詞:門田匡陽

 芸術の秋到来。私のnoteでは門田匡陽のバンド祭りを続行中だ。

 今日紹介するのはBURGER NUDSの『AM4:00』だ。バーガーの代表曲で、天体観測やリライトのポジションの曲と捉えていただければ問題ない。(他のバンドの曲名を出すのもあんま良くないが、有名な例があった方がわかりやすいと思うので)

 例として上げた2曲と同様、一撃だ。一撃で曲の世界に引き込まれると思う。“カタルシス”という概念を説明する際の模範回答がこれだ。正直言ってこれ以上言うことはない。

 もうやばいよね。私は世界一カッコいい展開をする曲だと思っている。興奮する、夜の街に駆け出したくなる、月に向かって吠えたくなる。

 うおおおおおおおおおお💥🐺

 バーガーのダウナーな世界観と、生粋のヲタクである門田氏(そりゃバンド名にNUDSってつけるぐらいだし)の厨二病的なワードセンスがガッチガチに噛み合った奇跡の産物だと思う。

 記事の冒頭で引用した歌い出しから既にかっこいい。文章をあえて裁断して新たなニュアンスを生み出す”カットアップ”という手法だ、何を表現してるのかは一見ではわからないが不穏で気だるい。間違いなく午前四時。

 そして一度目の“午前4時積み上げた自己嫌悪〜”の部分で一瞬だけ盛り上がる、光を見せる、我々に予習させる。そしてすぐさま暗闇に潜り込む。もう何回も聴いて分かりきってるのに期待してしまう。

 そこを越えれば、この曲はもう限界まで張り詰めた弓のような緊張感を帯びる。ながら聴きをさせてくれない。矢が放たれる瞬間のカタルシスを待つだけ。病みつきになる。

褪せるだけの色で飾りたくはない
積み上げた自己嫌悪
失くすだけの夢を信じたくはない
積み上げた自己嫌悪
哀切る情景 哀切る刹那
(I kill me)Catastrophe in the dark
『AM4:00』作詞:門田匡陽

 クライマックスのこの部分、CDについてるライナーノートで門田氏はこの歌詞は暗い・ネガティブと言われているが、そのつもりはないと言っている。

 失くすだけの夢を信じたくはない。言われてみると全然後ろ向きじゃないね、失わない夢だけを信じていたいんだから。

 (※リンクした動画は非公式のやつなので気に入ったらCD屋へGO)

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