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激変の時代、平成。香川に変化は起きたのか?🌉

 平成の後半で香川県内で報道された経済ニュース中で、最も多かったニュースには、「高松空港の民営化」があったのではなかっただろうか。

 高松の街を歩いていて1番感じたことの一つは、「それにしても外国人が多くなったなあ」ということである。

 果たして2000年代、今から10年前まではまさか、こんな状況になることを誰が予測をしたのか。誰も今の姿を思い描くことはできなかった。

平成の最初、瀬戸大橋開通という一大ビッグプロジェクト

これに続く四国観光の“ビッグバン”は案外長くは続かず、その後、2000年代に入り右肩下がりに歯止めが利かなくなっていった。

 世の中はとっくに団体旅行から個人旅行へと、その旅のスタイルを変化させていたにも係わらず、県内の主要観光地は“輝かしかったあの時代よふたたび”とばかりに夢を見続けていたのである。栗林公園に琴平や屋島という香川観光三点セットには旧態依然とした施設や宿泊旅館が次々と閉館していて、あたりは廃墟化してしまうという悪循環に見舞われていた。

 せっかくの風光明媚な場所を訪れても、その道すがら廃業した旅館や飲食店、昔から変わらないであろう売り物を埃がかぶったまま並べてしまっている土産物店の間を歩いていくうちに、初めて来たワクワク感はどこへやら。帰る頃には気分が落ち込み“こんな場所は2度と来ることはないな”と負の観光スポットへと烙印を押されていたこともひとつやふたつではなかったろう。

 長く香川観光は不遇の時代を迎えてしまった。そのイヤな流れ止めるきっかけとなったのは、

「瀬戸内国際芸術祭」という新種のアートフェス登場からと思う。

 2000年代と10年代の大きな違いの一つは、スマートフォンの普及だろう。一人一台のパソコンを常に携帯すると、この端末が人々の消費や行動パターンを激変させることになったのは言うまでもない。

 その頃時代は東京一極集中から「地方創生」へのかけ声が掛けられた。新生なった安倍政権のキャッチフレーズのひとつでしかなかったのだが、確かに地方では人口減少社会が現実のものとなっていて、中央に頼らずに地方自らがその持っている魅力を直接国内外に発信する必要性を認識したことは大事な機会であった。

 平成15年に誕生した香川・愛媛の東京アンテナショップはリニューアルオープンを果たした。売上額も過去二番目に多い約5億2千万円で累計利用者数も700万人を突破。今や東京へ出店した各県アンテナショップの中でも北海道、広島、沖縄県の上位常連組に次ぐグループ内に入ってきており、10番目位の好成績を収めているまでに注目度を高めた。

 また2011年に突如始まった

うどん県、それだけじゃない〜プロジェクト

が進化を重ね、定期的に東京や大阪などの大都市圏で記者会見等のプロモーション活動を行うなど、地方自治体の中でも成功例として挙げられるまでにプロモーション上手になった。

 他県もそれを真似しようとしても、常にその上を行くレベルの高いマーケティング活動を発揮しているのは特筆すべき事である。

うどん県はアート県からスポーツ県へ

 そして今年はもうひとつ大きな動きが。それは懸案となっていた新県立体育館の着工が間近に迫ったことである。県の中心であり、「瀬戸の都高松市」の玄関口であるサンポート高松がやっと陽の目を見ることが出来たことも大きい。白いなだらな丘(山)がうねる風景が誕生する。

 世界的に評価の高いSANAA事務所がコンペで最優秀を獲得したことも特に建築業界では大きな話題となった。

 新進気鋭の建築家が造るゆるやかな造形美と瀬戸内海の穏やかな風景に、高松市街地が新たな街並みを形成。中四国最大の広島グリーンアリーナに勝るとも劣らない規模と設備が兼ね備わる事で、これまで香川県では誘致出来なかった大規模なスポーツ大会、国際大会、見本市やコンサート、イベント誘致に実現する。

 国際観光地を目指す瀬戸内海周辺に、またひとつ名物建築の誕生が待たれる。今後、地方では地域スポーツの存在が更に重要になる中で、この場所がその拠点として使われるであろう。

 多くの利用客が行き来し、宿泊や交通、飲食、土産販売等の波及効果も絶大なものとなると予想される。

 大阪市では2025年に万博が開催される。

大阪市までは海路で結ばれる香川県の立地条件を活かさない手はない。間違いなく東京五輪以上に直接的な経済波及効果が見込まれる。

 髙松空港はいち早く民営化が実現して、利用者目線での改革が進行中で投資を先行して行い、リターンを目指す。

 瀬戸内国際芸術祭は2025年も開催されている。国際芸術祭の傾向が回を重ねる毎に深まっていることも、高松空港の路線網の充実と合わせて追い風になっていくことだろう。

 ソウル、台北、上海、香港の各路線はディリー運航や週5往復など使い勝手も非常に高く、地方都市では突出した運航頻度を誇る。現在はコロナ禍の影響ですべての路線が運休になっているが、回復する時にはまた香川の観光にとって、多大な影響をもたらす救世主として復活をしてくれることだろう。                  

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