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割とみんな絶賛しているポカリのCMを見てちょっと違和感を感じた話

twitterのタイムラインで絶賛されていたポカリのCMを見てみた。

“家に出られない” この状況を逆手にとって(と言うべきか)生んだ構想力は多くの人が真似できないものだと思う。でも率直に言って、どのあたりが絶賛するポイントなのかを理解できていない自分もいる。

多分これはCM動画引いては広告制作経験が自分にないことが1つの理由だろうけど、1人の一般人としても「ああ、いつものポカリCMって感じ。でも、いつものものよりも“今”を象徴しているな」と思った程度か。

それでも、製作サイドの人たちがSNSで称賛するコメントを投稿することと自分みたいな一般人がなんとなくタイムラインに流れてたこの動画を反射的に再生して「ポカリっぽいな〜」と思わせること。この2つがあった時点で広告の勝利なのかもしれない。

ただ、「ポカリっぽい」という感想より先に生じた違和感があった。

それは「これ、究極のスクールカーストだな」ということ。

クラスの中心で体育祭のチアではリーダーをやります、部活は野球・サッカー・バスケの主要3球技もしくは軽音かダンス部ですみたいな男子高校生と女子高生がインカメに向かって1人でノリノリで時折ラップが入った曲を歌う。みんな笑顔で、1人1人のこの全力独唱が集まって完成する作品を楽しみにしている感じ。

いわゆるカースト中位以下くらいの人たちからしたら非日常の極みだし、こういう層で生徒時代を過ごした人間からは全く共感は生まれないどころか「高校生活ってこんなキラキラなものだったのか…もう戻れない…」と消えたくなる気持ちにさせるかもしれない。

ウェイ系とは離れて地味に過ごしていた高校生は絶対共感しないだろう。自分がその立場だったら超絶冷めた目で見ると思う。「自撮り棒なんて持ってねーよ」みたいな。

とはいえ改めて思うと今回に限らずポカリのCMはこんな感じである。でも、今回のCMを見て改めて「決してキラキラした高校生活を送ってない人から見たら暗い気持ちになるんだろうな」と思ったし、これまででもそう感じた人は一定数いるんだろうと確信した。

余談だがこの曲にラップが入っていない、ただのアップテンポな曲だったらこのひねくれた感想は少しばかり和らいだと思う。

ちなみに自分はこのCMが死ぬほど大好きで毎回泣きそうになります。

ただ今回の文脈で言ったら「集団競技の部活をしてこなかった人には響かないのかもな」とも感じたし、CMなんて往々にしてそんなもんなのかな、と思う次第です。

CMなんて“ある層”にウケれば良いわけで。だから3年前のサントリーが出した動画が「下品だ」って叩かれることもある。

難しいですね、CMって。


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