わたなべ瑛士

セグメント別損益の専門家|財務・経理・経営企画の実務30年超|売上高25億円から50億…

わたなべ瑛士

セグメント別損益の専門家|財務・経理・経営企画の実務30年超|売上高25億円から50億円に出店戦略で2倍にした経験|週間業績管理で8年連続前年比アップ|不採算部門から撤退で黒字化へ|資金調達額累計40億超|上場準備経験2社|事業再生経験3社|中小企業財務コンサル契約30社|

最近の記事

【振り返り】

株式上場の夢が叶わなかったことが明らかになると、私はその場で立ち直れないほどのショックを受けました。しかし、その後、様々な職場で働く中で、新たな経験を積むことができました。 特にS社での仕事では、教育に時間を費やすことが多かったです。優れた社長のもとで働きながらも、部下のレベルが追いつかず、日々教育に励むことが求められました。同様の課題はレンタル財務部長としてのコンサル業務でも見られ、下の世代や部下たちのスキルアップが日本の生産性低下の一因となっているように感じられました。

    • 【みたび、挑戦】

      脳出血で退職した後、次の仕事を探していました。 名古屋でも新規上場企業が増えているため、IPO案件の転職情報を見ていました。何社か応募しましたが、なかなか面接まで進めませんでした。数社は面接まで進みましたが、最終的に不採用になり、諦めかけていました。 そんな時、ある人材紹介会社の担当者から、ある社長との出会いを紹介されました。その社長は私の経験を評価してくれて、最高財務責任者として採用してくれることになりました。私もその社長に魅力を感じたので、就職を決めました。 建設業

      • 【社内ベンチャーを始める】

        上場ができなかったため、私は未完成のままでしたが、社長の提案もあり、社内ベンチャーを始めることになりました。それが「レンタル財務部長」事業です。 T社は、業績が良い時も悪い時も、銀行に報告して信頼関係を築いてきました。その結果、銀行から6000万円の融資を受けることができました。銀行は私たちのビジネスパートナーです。 特に中小企業は、銀行からの融資が必要不可欠です。銀行の信頼を勝ち得るためには、会社の状況を試算表で説明する必要があります。また、書面だけでなく、社長自らが数

        • 【悪夢ふたたび】

          T社が運営する会社は4つあり、店舗数は40に増えました。これらの業績を管理するため、仕組みを整えました。 月次管理では対策が遅いという課題から、T社に在籍中に「週間業績管理」という手法を導入しました。週ごとに現場から情報を収集し、業績を迅速に振り返り、対策を打つことができるようにしました。この取り組みにより、8年連続で業績を伸ばすことができました。 しかし、DVD事業には問題がありました。合併時に扱ったDVD販売業がアダルト向けだったため、上場にふさわしくないと判断されま

          【上場企業への道】

          私は再びサラリーマンに戻ることを考えていました。そんな時、銀行の知人が「地元で上場したい会社があるんだ」と転職の話を持ってきてくれました。 上場に関わることができる喜びと、経験を買われて年収も上がるというメリットから、私は紹介されたT社という会社に入社することを決めました。管理本部長兼経理・財務グループ部長として入社し、2人の部下(派遣社員)を持つことになりました。 最初には株式公開を前提として、内部の管理体制の整備に取り組みました。経理、給与、財務、販売、購買管理の仕組

          【上場企業への道】

          【独立への挑戦と教訓】

          N社時代、顧問先の会長から「独立しないか」と提案され、私は「独立かぁ」と考えました。 これまで自分の考えで行動してきた私にとって、「独立」という言葉はぴったりだと感じました。 驚くべきことに、この会長は出資金を提供してくれました。簡単にお金が手に入ったものの、後に資金に困ることになりましたが、それでも独立のための資金を手に入れ、個人事務所を設立しました。 N社を離れた後、飲食店や土木建設企業などに対し、コンサルティング業務を行いました。 飲食店チェーン企業では、人事評

          【独立への挑戦と教訓】

          【対話から学ぶ喜び】

          コンサルティングという仕事は、対話が欠かせません。中小企業の経営者や従業員と直接話し合い、私がアドバイスする立場にある中で、逆に多くのことを学びました。 対話を通じて多くの気づきもありました。お客様との共通の目標を達成し、喜びを共有したいという思いが重要だと感じました。 以前は、会社のために努力し、成功を追求することを考えていましたが、コンサルティングの仕事を始めて初めて、「喜びを共有する」体験をし、「他者のために行動する」充実感を感じるようになりました。 N社の株主が

          【対話から学ぶ喜び】

          【コンサルティングの広がり】

          前の仕事で、会社経営の全体像をつかむことができました。その経験から、一人の社長に迎合するよりも、多くの社長に会社の仕組みを伝える方が向いていると感じるようになりました。 そこで、銀行出身の人が立ち上げたコンサル会社と縁があり、私はN社に転職することになりました。私がA社で増資に関する資料を作成したことを彼が知っていたことには驚きました。 N社では、ベンチャー企業の事業計画書の作成や資金調達のサポートを主に行っていました。私は前職の経験から、株式公開を前提とした会社の担当に

          【コンサルティングの広がり】

          【振り返りから見えた新たな道】

          A社では、上場に向けて情熱を注いできましたが、ある日突然、工場の管理部に異動することになりました。私にとっては驚きで、何が起こっているのか全くわかりませんでした。 専務から聞いたところによると、異動の理由は私の言葉遣いの悪さだったそうです。過去にも生意気だと言われたり、叱られたりしたことはありましたが、その時はただ会社のために努力していたつもりでした。 しかし、その理由を聞いた時はとても悔しく、自宅で泣き崩れました。自分なりに頑張ってきたのに、会社のために尽くしてきたのに

          【振り返りから見えた新たな道】

          【資本政策と投資家向けのプレゼン】

          会社が株式市場に上場する際には、資本政策が重要です。株式の保有割合が決定要因となります。保有割合が多いほど、多数決の原理によって影響力が増します。 中小企業では、社長が一人で経営することが一般的ですが、資本政策の失敗は、会社の存続に影響を及ぼす可能性があります。この問題は非常に慎重に扱われ、資金調達にも大きな影響を与えます。 さらに、第三者割当増資は資金調達や会社の持続的成長に貢献する方法であることがわかりました。 私はこの知識をもとに、投資家向けのプレゼン資料を作成し

          【資本政策と投資家向けのプレゼン】

          【上場準備の一環】

          私は基幹系システムの構築を指示され、そのプロジェクトのリーダーを任されました。このシステムは、販売管理、購買管理、在庫管理、原価計算、財務会計などの業務をすべて一元管理するものでした。 業務設計書の作成だけで4,500万円、ハードウェアも含めると2億円以上の投資が必要でした。プロジェクトに投資するなら、現場で役立つシステムでなければ意味がありません。そのため、経理業務を再編成し、伝票の形式や業務の流れを変えて、迅速な月次決算を可能にしました。 20年前は10営業日で行って

          【上場準備の一環】

          【原価計算から監査法人のコンペまで】

          メーカーが株式市場に上場するためには、原価計算が必要です。そのためにはシステムを構築する必要がありました。 私は大学で「直接原価計算」を専攻していたため、その知識と経験を活かして、手作業で品目グループごとの原価計算を行い、評価額を算出しました。特に仕掛品の評価額を算出するのに苦労しましたが、進捗率の調整で数字を変えることができたのです。この経験から、システムを導入する必要性を感じました。 上司からは、「月次決算は上場するための受験票だ」と言われました。中小企業では月次決算

          【原価計算から監査法人のコンペまで】

          【転職と成長:A社での経験】

          入院中に仙骨分離症で苦しむ中、新しい仕事を探しました。そして、A社という会社を見つけました。 A社の年商は20億円で、T社の10分の1ほどでした。しかし、A社が上場準備を進めているということ、そして私がリーダーシップを発揮したいと考えていたため、私にとってはぴったりの場所でした。 入院中に面接を受け、採用の通知を受けたので、T社を退職することで、新しい道を進むことにしました。後に上司から話を聞くと、私が一番生意気だったために気に入ってもらえたそうです。 A社でも経営企画

          【転職と成長:A社での経験】

          【健康問題からの転職】

          私は株式上場作業が終わった後も、経営企画室で働いていました。仕事は楽しく、やりがいもあり、充実感もありました。 ただ、昇給や昇進のためには販売士の資格を取らなければなりませんでした。そして、マネジャーに昇進するためには合宿研修に参加しなければなりませんでした。私は昇進を目指して、合宿に参加することにしました。 その合宿は箱根の小涌園で行われました。だから、毎年箱根駅伝を見るたびに、その合宿の思い出がよみがえります。 合宿ではテストがあり、マネジャーに昇進するためには合格

          【健康問題からの転職】

          【小売業における原則と組織文化】

          私がT社で働いていたとき、イトーヨーカドー出身の方が役員として見えました。彼からは、商品管理の考え方である「単品管理」と「部門別管理」を学びました。 基本的な考え方は、「利益を得る人が費用を負担する」というもので、これは会計原則である費用収益対応の原則と同じです。当たり前のことですが、実際に実行するのは難しいことがよく分かりました。 以前は、週単位で業績を管理していました。小売業では週単位がPDCA(計画・実施・評価・改善)サイクルとなっていますが、商品カテゴリーや顧客層

          【小売業における原則と組織文化】

          【経営企画室での挑戦】

          T社は株式上場に向けて人員を増やすために採用活動を行っていましたが、それは単に上場の準備だけではありませんでした。 私も上場に関わる業務を担当しましたが、通常の経営企画室の仕事もありました。具体的には、中期経営計画の策定や年次の予算編成、部門ごとの予算作成を行いました。 ここで重要なのは会計の知識とそれを実践するスキルです。会計は数字を計算するだけではなく、知識や経験が必要な分野です。資格も多く存在しますが、持っているだけでは役に立たないこともあります。 経営者の中には

          【経営企画室での挑戦】