新社会人になって思い出す広島の海と旅の思い出
都会に生きて行くことになんの疑いもなかったはずなのに、
社会人になってからあの日の海が恋しくて仕方ない。
地下鉄の景色もない、人の背中が並んでいるだけの場所。それに乗って毎日、目先の絶望と少し先の希望にくらくらしながら、憂鬱な職場に向かっている。僕は社会人になった。就職活動をしてる間、あんなに望んでいた「社会人」という肩書きが、今はずっと重くのしかかっている。電車が止まって、またぞろぞろ人が乗り込んでくる。灰色の箱には、人のぬるい空気と整髪料の匂いが立ち込めていた。そんな