「道端に咲く一輪のたんぽぽ」に感動できる心をいつまでも持ち続けたい。
歳を重ねるにつれて人の心というのは鈍化していくものだ。
幼い頃は公園の草花を見つめては心を動かされ、田んぼの虫を捕まえてはその生命のたくましさに心を動かされた。
自然は心を繊細にしてくれるが、社会というのは心を鈍化させていくシステムなように思う。そしてクリエイターにとって常に心を繊細に保っておくことは非常に大切だ。
繊細だからこそ普通の人が見過ごしてしまうところにひっかかる。繊細だからこそ人とは違う個性が生まれる。
私は「道端に咲く一輪のたんぽぽ」に感動できる繊細な心をいつまでも持ち続けたい。
誰にも気づかれることなく
道端に咲いているたんぽぽ
決して派手ではなく
風景の一部と化して誰も気に留めない
たくましく咲いているそのたんぽぽは
誰にも邪魔されることなくついに綿毛となった
雨の日も風の日も
ただひっそりと忍耐してきた
そして今日飛び立つ日を迎えている
風にその命が舞い上がる瞬間
彼らは何を思うのだろうか
ついに飛び立つその瞬間が嬉しいのだろうか
もう二度と会うことのない
兄妹を恋しく思うのだろうか
それぞれ別々の地で根を張り生きていく
根を張ることなく死んでしまう命もあるだろう
それを過去に体験した父母のことは
覚えているのだろうか
あるいは記憶というのは無く
ただそこに存在するだけなのだろうか
そんなことを考えながら買い出しへ出かけた一日だった。
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