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卒業制作で土偶を作った話 日記編①


だいぶ遅れてしまいましたが、卒業制作および卒業制作展が無事に終わりました。

力及ばす……!というところは時間が経つにつれてポツポツと増えていくけれど、それでも、自分の作品がちゃんと好きになれたのだなと思います。

自分のための備忘録的にこの1年間考えたことなどを公開してみようかなと思い、久しぶりにPCに向かっております。

いやいやそんなことより、一体お前はどんな土偶を作ったんだい!という方、インスタグラムに詳しい説明と写真がありますのでよろしければご覧ください。

簡単にいうと、有名な美術品(ムンクの叫び・見返り美人図)を土偶にしています。

4月~6月あたりの日記

モチーフは決まっていました。「土偶」です。

東京国立博物館蔵 遮光器土偶

大学二年生から作品に土偶を登場させ続けていた私は、どんどん「土偶の人」としてさまざまな人に認知されるようになり、私自身も土偶オモロ!もっと知りて〜と思っていたため、他のモチーフを選択するという考えはありませんでした。


ちなみになんで土器じゃなくて土偶?と聞かれることがあるのですが、私は、土器は「ものがたり」の側面が強いように感じていて、土偶は一種の生命体、つまり「キャラクター性」の側面が強いなと思っています。
私はキャクターが大好きなんですね!なので土偶の方に惹かれます。
もちろん土器のこともだ〜〜〜〜〜いすきです♡
それに、土偶と土器は切っても切り離せない関係にあり、土器についても知っておく必要があると思っておりますので、土器知識も付けながら頑張っていました。



土偶をモチーフに制作する上で、一つ越えなくてはいけない壁があるなあと思っていました。
ま〜〜〜〜〜〜懲りずに三年生の時も土偶・土器の制作をしていたのですが、そこでぶち当たった壁は「土偶を土偶のまま表現したものは、デザインなのか?」
ということです。
今出土している土偶を描く、作る、といった行為を否定したいわけではありません。私も趣味で土偶のイラストを描いていますし、そういった作品も、新しい鑑賞の視点をくれたりして、私はすごく好きです。
ただ、それを大学という所謂研究の場で、しかもデザイン学科に所属している私が続けていっても良いのか?という疑問です。
そのある種のコンプレックスを抱えたまま四年生になった私は、このコンプレックスをなんとかしたいぜ!というのが一番の目標でした。

土偶の造形を観察し、「令和の土偶」を再構成する

「既存の土偶造形を観察して、土偶のことを全く知らない人でも楽しめる作品を作ること」をひとまずの目標とし、前期はどうしようね〜とモチャモチャと作っていました。

スタディたち

「土偶の造形を人体として再構築する」これをしたら、鑑賞者が土偶の造形と自分の身体の造形を重ね合わせられるのでは?と思った。
「エッ・・・?私って土偶!?」を生み出したかったわけですね。

どこから土偶で、どこから土偶に見えない?を知るために色々描いていました。
赤:誇張表現 青:身体の基盤となる部分 黄:頭部 
色分けをしてどこがどれくらい土偶のプロポーションを占めているのか視覚的にわかりやすくしました。
描いた土偶同士の中間地点を作り、さらにそこから人間の造形に近づけていく。
土偶造形を人体造形の流れを作ることで双方の共通点や、鑑賞者に共感性を与えるヒントが得られるのではないかと思った。
立体にしてみた

その他

縄文のビーナスからミロのビーナスになっていくアニメーション。
どこからが土偶でどこからが人間?をアニメーションでやった。

7月になったけど、結局どうしよう〜迷走期1〜


どうしよう。無駄に手は動いているけれど、結局自分が何を作りたいのかわからない期。
「土偶の良さ」と「鑑賞者の共感性」を同時に表現するなんて、私にはできるのか?と散々悩みました。

そこで、ふと「今私がやっている研究(とは言えないけれど)を考古学の専門家が見たらどう思うのだろう」と思い・・・

考古学を研究してらっしゃるとあるお二方に取材のアポをとりました。
お忙しい中、本当に・・・ありがとうございます・・・・・・・・・・・!
(展示とは違い、個人で勝手に書いているブログにすぎませんので、お名前の掲載は控えさせていただきます。)

そこで色々お話を聞く中で、当たり前ではありますが自分の無知さを改めて知り、悔しく思いながらも、すごく面白い話が聞けて超楽しかったです(小学生の感想?)
そんな中、自分のしている研究の説明と意見を求めた際、お二人にだいたい同じご意見をいただきました。

「う〜ん・・・でも、土偶って人のような形はしているけれど、人間かと言われると・・・どうなんでしょうね・・・」

えっ

土偶って人間じゃないの・・・????????

すっかり土偶=妊婦・シャーマンなどのモデルがいたりして、依代だとしても、誰かのことを思って、似せて作っているんじゃないかな〜と潜在的に思ってしまっていた私。
まあ、確かにいろんな説があるし、結局何者か分かってないし・・・

というか、私、土偶のことなんっにも知らなくないか?

今まで調べてなかったわけじゃないです。実際に考古博物館に足を運んだりもしているし、なんとなくだけど土偶のことわかってるつもりだった。

「つもり」だったのですね〜

じゃあこの夏休みに土偶って結局なんだったのか、自分なりに結論を出してやろうと決意した7月某日でした。

おまけ

谷中ジンジャーさんにて制作した土偶。
めちゃ楽しかった〜〜〜〜焼き上がりも大切に飾っているのですが、綺麗な写真がないので焼く前の写真で失礼します・・・

谷中ジンジャーさんHP
インスタグラム

次回:夏休み〜ラストスパート日記

長くなるので、分けます。
ここまで読んでくださった方にBIG・感謝
オタクなので話が長くて大変申し訳ね〜と思いながら書いてます。

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