見出し画像

オープンマインドであれ

オープンマインド

大学のとある講義。
講師は日本サッカー界でも功績のある清雲栄純さん。実は僕が大学の推薦入試を受けた際の最終面接で面接官だったのがキヨさんだった。

入学してからも講義や実技を通してたくさんの事を実際に目にして学んだが、その中でも強く印象に残っている言葉がある。

「オープンマインドであれ」

自分の常識にとらわれず、他者から学び、吸収しようという姿勢や態度が自身を成長させると。

プロクラブの監督も務め、ドーハの悲劇ではオフト監督のアシスタントしてチームを支えた。プロクラブの強化部や大学の教授。これまでに色んな人と仕事をし、色んな世界を実際に見てきた人の話す言葉には重みがあった。

キヨさんがどんな世界を見てきたか知りたいと思うのは当然あったけれど、それ以上に自分も自分で色んな世界を見てみたいと思うようになった。それと同時に自分の言葉で次の世代に伝えられる程の経験をすることはとても尊いことだと思ったし、そんな姿に憧れを抱いていた。

オープンマインドであれ

これは言葉以上に難しい。特に10代20代前半の多感な時期には難しかった。
心を開き過ぎれば自分を律することが難しくなる。自分を律し過ぎれば、他者を受け入れる余裕はなくなる。そのバランスを掴むのは容易ではない。
そして、30代も近づくと今度は自分に対して厳しい意見を言ってくれる人や叱ってくれる人というのが極端に減ってくる。これはこれでまた自分のあり方や無意識のうちの態度など考えさせられることがたくさん出てくる。

オープンマインドであるためにどうあるべきか。これは試行錯誤の日々だ。
これまでも人の考えに影響され過ぎて自分を見失ったり、逆に頑固にこだわり過ぎてしまったり。そんな事をたくさん経験しながら、色んな考え方や生き方に触れてきた。

僕が幸運だった事は、高校時代に留学を通して異文化を実際に体験できたことで、そこでできた友人やそこでの経験を通して異文化に対して抵抗がなかったこと。
そして、大学で知識などを学んだ後すぐに海外に出て実際に自分でなんとかして生きていかないといけない状況に身を置けたこと。

そうしてこれまでに海外4カ国で実際に暮らしてきて、現地の人達と仕事をしてきた中で感じたことは、自分がいかにオープンマインドであれるかということがそこでの生活や仕事に大きく影響していたということだと感じている。

人との出会いや新しい環境や文化に身を置く中で、自分を変化させたり、自分を貫いたり、ときには原点に戻ってみたりということが、本当に日常のようにやってくる。
その度に新しい自分に出会ったり、逆に自分自身の良さを改めて深く理解したり、はたまた自分が持っていた偏見を疑うようになったり。まさに自分の常識が他人の非常識であるような状況が当たり前のように起こる。

そうした中での自分の態度や振る舞いがそこでの繋がりや縁に繋がっていて、仕事においても機会やチャンスが巡ってくるキッカケになってくる。

人との繋がりで自分を認識して、人との繋がりで自分を変化させる。

これは海外でプレーしているサッカー選手にはよく分かると思うのだけれど、大多数が異国の文化の中で、パスをもらうにはある程度彼らの文化に入っていくことが大事になってくる。だけども入りすぎると今度は外国人として違いを出さないといけない場面で消えてしまう。
そういう試行錯誤の日々の中でも常に結果を求められ、ちょっと先の自分の成長と目先の結果を同時に高いレベルで求めていく日々が毎日のように繰り返される。
特に僕みたいに過去に輝かしいキャリアもなく、自分のプレーで評価を掴んで、這い上がってやろうと思っている選手はそうだろう。

でもそうやってがむしゃらに進んできた20代を少し振り返ると、ここには大きなチャンスがあったとも思っている。
それは色んな国の人と出会い、仕事をして、時にライバルとして時に仲間として切磋琢磨する日々の中で、色んな自分に出会ってきた事だ。自分でも驚くほどに。

人はひとりでは生きてはいけないし、ひとりで達成した目標よりもみんなで達成した目標の方が遥かに喜びは大きい。日々自分の目標のために死に物狂いで頑張る先に、出会った人や家族のように思える人たちの喜びがあるからこそ頑張れるのだと。

オープンマインドであれ

ではまた。

“ It’s up to you “

Renshi

サポートは、サッカーを通じての挑戦に使わせていただきたいと思っています。