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深刻な看護師不足 万博とかやってる場合じゃない

私が今、入院している緩和ケア病棟にはベッドが16床あるらしい。うち、個室と相部屋の割合はわからないが、私は一部屋2名の相部屋だ。2床のベッドはしっかりカーテンで区切られ、声や物音は聞こえても、姿は見えない。

この病院では、この16床がほぼ常に満床らしい。それを看護師、准看護師、ヘルパーで面倒を見る。多分、緩和ケア病棟に所属する看護師は30人近くいると聞いたが、夜勤もあって、きちんと休みも取らねばならないから、実際に1日に何人の看護師が実働しているかは私にはわからない。じゃあ、看護師さんに聞けばいいじゃないかと言われるかもしれないが、看護師さんたちのバタバタぶりを見ていると、そんな治療に関係ないことは聞きづらい。そのくらい、見ていて、看護師さんたちは忙しそうなのだ。

夜勤などたった2名の看護師で16人の患者の世話をする。
夜黙って眠ってくれている患者さんばかりならいいが、緩和ケア病棟というのは、
痛いから体の向きを変えてくれだの、夢現の妄想に駆られて看護師さんを呼ぶ人もいたり、なかなかにしんどい作業が多い。末期がんなどの人もいるから、家族の面会も多いし、気も使う。まあいろんな病状の人はいるが、夜勤では2人の看護師で16人の患者をフォローするのだ。

だから、ナースコールを押して看護師さんを呼んでも、そのときにどこかで2人がかりの処置をしていたら、それがおわるまで待つことになる。(冒頭の写真がナースコール。これが手の届かないところ、目に見えない場所に落ちてたりすると大変困ることがあります。)

もちろん、看護師さんたちは患者さんの状態の深刻度のレベルは把握していて、ナースコールを押しても、危険な状態にある患者さんの方に先に行くんだと思う。
とはいえ、苦しむ患者さんが2人同時にコールしてきたら、どちらかは待たねばならない。しんどい時、人が来てくれないのはしんどすぎる。

そもそも、看護師の数が少ないのだ。
せめて夜勤はもう1人くらい増やせないものか。体の向きを変えたり、寝たままの姿勢で動かすことは、まだまだ女性が多い看護師の世界では、2人がかりで精一杯。
となると、一時的にナースステーションには誰もいなくなる。

予算の問題なのかなんなのか、この少ない人数だと、看護師さんたちは常に忙しそう、こちらがナースコールのボタンを押すのも悪い気がしてしまう。

このところ、入院時より少し動けるようになったからか、私の処置は後回しになることが多いようで、待ち時間が増えた気がする。悪いことではないのだが、もしこれが、何か緊急事態だったらと不安になる。

入院が2ヶ月になるので、一旦退院せねばならない決まりがあって、一時的に1週間ほどショートステイの世話になるのだが、そこなど、夜勤の看護師は1人しかいないという。それも建物は7階建てで、1人の看護師が何かあったら駆けつける。そのほか、ヘルパーさんはいるらしいが、医療のことに関して対処できる人は1人なのだ。

政府は一体何にお金を使っているのだ。
国民健康保険料はあんなに高額なのに、看護師はギリギリの人数で身を削って働いている。だから、離職者も多い。結婚や出産退職後の復職者も少ない。介護の世界はなおのことである。

大阪万博などやってる場合ではない。まして、いまは能登半島地震の復旧もせねばならない。東京五輪の時に、建設資材や人件費が高騰し、東日本大震災の復興を遅らせたという実績があるのに、いまだ、大阪万博を決行しようとしているなんて信じられない。

また、医療にお金がかかるのは、薬価が高いからではないだろうか。その辺を検証していくと複雑になるので、今回は書かないが、看護師不足が深刻なことは明らかだ。

人数を増やすには、待遇を改善しなければならない。万博やったり、リニア作ったっりしてるお金があるなら 看護師や介護職員の待遇をよくして、人数を増やすのが高齢化社会のやり方だ。国がお金を入れて行う大事業で景気を浮揚するなんて、もう過去のやり方。古すぎる。

お金持ちをさらにお金持ちにして、それを再分配するなんて、自分の頑張りで稼げたと信じる自己責任世代が、そんなに簡単にやってくれるものだろうかと疑ってしまうのだ。東京五輪でもあれだけ、中抜き、ピンハネが暴露されたのである。
それなら、最初からちゃんと、看護や介護にもっと予算をつけて欲しい。変なアウトソーシング禁止でな‼️

また、近年、緩和ケアという言葉も知られるようになってきて、ベッドは常に満床状態らしい。どころか足りない。そんな状況で、ベッド数を減らす病院は増えている。
コロナ全盛時、大阪市がかつて予算削減でベッド数を減らしていたことが判明し、批判を浴びたが、世界でも高齢化社会の先端をいく日本では、もはやベッド数を減らすなどあり得ない。

ただ、予防医学を積極的に取り入れ、健康寿命を伸ばそうという政策は悪くはない。しかし、本気で健康寿命を伸ばそうと思うのなら、今回のコロナ禍においても、免疫力強化の知識ももっと学ぶべきで、薬やワクチンにばかり頼ろうとするのは間違いではないかと思う。

結局、病気を治すのは薬ではなく、自分の身体である。その自分の体の免疫力、抵抗力がどうすればよく働くかを私たち一般庶民も常識として学ばねばならない。
高度成長期以降、私たちも医療関係者も、薬に頼り、自分の身体の変化に五感を研ぎ澄ませることを忘れてしまった気がする。

政府は予算を十分に、個人個人はもっと、身体自体の変化をを見つめるべきだと思う。

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